0-4 シンダーエラ、メンバーそれぞれの担当色に隠された意味とは

これまでの記事で、シンダーエラはグリム版の童話だけではなく、キリスト教に関連した要素が多分に取り入れられていることがお分かりいただけたかと思う。

「灰」についての記事を書くにあたり、「イースター」までの(祝日を除く)40日間すなわち「四旬節」について調べていたところ、キリスト教の典礼には「典礼色」という、典礼ごとに異なる色を身につける習慣があることを知った。
そして、「灰」とも深い関わりのある「四旬節」の典礼色が「紫」だったのだ。

シンダーエラで「紫」といえば、そう、みつこである。彼女はシンダーエラの紫色担当だ。

誰の衣装にもメンバーカラーを大々的に取り入れることはないというのに、メンバーそれぞれにしっかりと担当色が設定されている。
シリアスで劇的な世界観をステージに立ち上げるグループだが、積極的にペンライトでフロアを彩っていくタイプではない。
それでもしっかりと担当カラーが設定されているのには何か理由があるのではないか

まぁそれはさすがに考察脳すぎるか、と思いながら念のため調べてみると、驚くべきことに、必然としか思えない事実が次々と判明したのである。

早速見ていこう。

・赤色
着用の機会はいくつかあるが、ここでは「殉教者の記念日」に着用される点について触れる。

赤色担当・うゆゆかの誕生日である12月30日は、ローマ教皇・フェリクス1世命日。迫害の中でキリスト教を支援したことにより殉教したとされる。没日が彼の記念日となった。

また、この日はクリスマスからはじまる「降誕節」の中日にあたる。降誕節の典礼色はであるが、クリスマスの赤はキリストが流した血の色と言われ、それゆえに赤色は「神の愛の色」と呼ばれる点に注目したい。つまり決して無関係ではなく、クリスマス・レッドともいえるのである。

若干こじつけっぽくはあるが、エラが幸せを手にするにあたり、姉2人の欺瞞を見抜く鍵となったのは足から流れた“血”であった。愚者の流した血ではあるが、エラと王子を誠の愛で結びつけたのはこの血の赤があったからではないだろうか。姉2人のどちらかがうっかり足のサイズが合っていたりちょっと我慢すれば入る程度だったらハッピーエンドにはならなかった可能性が高いのだ。王子アホだし。


・白色
キリスト教においてもっとも位が高いとされる色。着用される典礼のひとつに、キリストが預言者と語り合いながら“白く”光り輝く姿を弟子達に見せた「主の変容日」を祝う、十二大祭のひとつ「主の変容祭」がある。

祭日は8月6日だが、実はこれ、16世紀まで用いられたユリウス歴での日付である。
現在世界中で使われている暦はグレゴリオ暦なのだが、ユリウス歴とは13日の差があり、グレゴリオ暦において「主の変容祭」はなんと8月19日、ピンポイントで白色担当・明暗りあの誕生日なのである。

そしてこの「主の変容」、エラがハシバミの木の魔法で綺麗なドレスに身を包んだ場面と重ならないだろうか?


・紫色/水色
どちらも11月下旬からクリスマスイブにかけて行われる「待降祭(アドベント)」の時期に着用する典礼色である。
の持つ意味合いのひとつに「悔い改め」があり、また先述のとおり「灰の水曜日」から「イースター」にかけての「四旬節」でも着用される。グループのコンセプトに完全にハマる色といえるだろう。

水色英国聖公会の伝統で着用されることがあるそうで、キリスト教自体でメジャーな典礼色ではないようである。
一方で聖母マリアの色とされており、聖母関連の祝日に用いられるようだ。物語に重ねるなら、心優しいエラの母親に他ならない。
そして紫担当・みつこの誕生日は12月13日、水色担当・みあねあみの誕生日は12月19日。そう、2人とも「待降祭(アドベント)」の時期に産まれているのだ。


シンダーエラは3人が12月産まれ明暗りあのみ8月産まれであり、12月に全員の合同生誕祭をおこなうのが今のところの慣例となっている。
典礼色の話を踏まえた場合、これが果たして運用上の都合によるものと言い切れるだろうか?

そもそも「待降節」「降誕祭(クリスマス)」の準備期間、その後の「降誕節」主の復活を祝う期間である。そしてその「降誕節」の典礼色は、明暗りあの担当色であり、キリスト教でもっとも位の高い色とされる「白」だ。

生誕祭というのはつまり、メンバーの「降誕祭」である。
合同生誕は、2020年12月27日、2021年に関しては、うゆゆかの誕生日当日である12月30日に行
われた。どちらも「降誕節」であり、まさに生誕を祝う期間にばっちりハマっているのだ。
なお、デビュー年である2019年の合同生誕は12月22日であり時期としては「待降節」にあたるが、月後半の「降誕祭」にかなり近い日付であることに変わりはない。

当たるも八卦、当たらぬも八卦、すべて単なる偶然という可能性も大いにある。
偶然なのだろうが、しかし偶然とは言い切れない何かがそこに渦巻いているような気がしてならない、奇跡の物語性を垣間見たのであった。










まぁでもそれはそれとしてりあちゃんの生誕ちゃんと8月にあったらいいよね。12月メンバーも個々にイベントあったらいいのになー。(オタク心からの発言)

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