#風土
小暑;第31候・温風至(あつかぜいたる)
都心の氏神様の杜で蝉の声をこの夏初めて聴いた 境内の小さな畑では藍が青の滲んだ緑濃い葉を広げてきた
月桃の花も咲いた
この日はまっすぐ南下し 三浦半島へ向かった お庭の現場の下見
今まで馴染みがなかった土地だけど
「半島」という響き 海に迫り出しているというだけで魅力的だ
しかも地質学的にかなりユニークな土地 何十億年も前に差し込まれたフィリピン海プレートと太平洋プレートによる鬩ぎ合い
立夏;第20候・蚯蚓出(みみずいづる)
分解者の代表 蚯蚓。特にこの時期、彼らの役割を改めて思い出す。
場所は世田谷ものづくり学校。
ぽくぽくと土を耕してくれて、年々土は豊かになっていく。
人の手は最小限にしている都市では珍しい場所。足元に広がっている見えない営みが命を支えている。
蚯蚓もまた死んだら次の命の場所になる。
春分 第10候・雀始巣(すずめはじめてすくう)
藪椿がピークを過ぎて なお 咆哮している
お稲荷さんの裏の小さな畑
藍の種子を蒔いたので
春の陽の眩しい休日の午後 水を撒きに
桜は2、3分咲き そのまま土手を 見上げると
空高く梢を伸ばす欅
ヤドリギがふっさり のっている
小さな藍畑
種子を 雀が食べてしまう事がある
早く芽が出ないか
芽が出るとよろこぶ
土手の上には椿が溶け残っている