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あなたが作りたいのはチーム?クラブ?


最近よくテレビでは、「今は日本が一つになって」とか言っていて、半ば洗脳されているような気になってしまいます。ひねくれ者の私は「日本は元々1つだろーが」などと屁理屈を言ってしまうのですが、こうした言葉とセットで「One Team!」という言葉が使われます。改めて考えてみるとチームとは何か?そんな疑問がよぎりました。

今日はチームとクラブの違いについて考えてみたいと思います。


チームとは

ある目標を達成するための集団を作ろうと思った時、私たちはチームと呼ばれる集団を作ります。

「売上目標達成するためのプロジェクトチーム」
「チームワークが大切だ!」
「チームメイトがね……」

チームという言葉は、既に一般的に根付いており、当たり前のように使われます。しかし、私たちが”チーム”と呼ぶ場合は、どのような集団のことを指すのでしょうか。


例えば、県大会優勝を目指している部活動は”チーム”です。なぜなら、そこに集まったメンバー全員が「県大会優勝」という明確な目標を持っているからです。その証拠に部活動の顧問の先生は「チームワークが大切だ!」とよく言っています。

仕事も同様です。ある大きなプロジェクトを立ち上げる時、社内でプロジェクト”チーム”が発足します。このチームの目標は、言うまでもなくプロジェクトの成功です。


つまり、一つの明確な目標があり、その目標の達成を目指すメンバーが集まった集団は全て”チーム”と呼ぶことが出来ます。

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チームはみんなで同じ目標に向かって頑張りますから「仲間意識(=われわれ意識)」が非常に強くなります。こうした仲間意識は、時として実力以上の力を発揮することがあります。スポーツの世界であるジャイアントキリング(番狂わせ)は、その典型です。

だからこそチームを作る指導者(監督)は、チームメイトが同じ方向を向くようなコーチング力が求められることになります。


一方でチームは、仲間意識が強いが故に一部の人々を排除してしまうことがあります。

例えば、先ほどの県大会優勝を目指している部活動は、「とにかくわいわい楽しみたい!」と考えている生徒にとって入りにくい集団となってしまいます。監督も「チームの和を乱すな!」と言いたくなってしまうでしょう。

このようにチームは、チームメイト全員が同じ方向に向かうと大きな力が発揮される一方で、一部の人々を排斥してきました。

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クラブとは

一方、チームと似ている言葉でクラブという言葉もあります。一見同じ言葉のようですが、クラブとはチームの集合体のことを指します。大学で言えば部活動がチームであり、それをまとめる”体育会”がクラブに当たります。

図2(素材)

よくJリーグでは”横浜FC(フットボールクラブ)”、”FC東京”など”クラブ”という表記を見かけます。「”Jリーグ優勝”という明確な目標があるにも関わらず、クラブというのはおかしい!」と思うかもしれませんが、Jリーグのチームには必ず下部組織があります。

一般的にJリーグに参加している組織は、キッズ・ジュニア・ジュニアユース・ユース・トップと大きく5つのカテゴリーに分かれています(Jリーグに参加しているチームはトップチームです)。そのため、年代や目的に応じて活動することが出来ます。また、これらに加えてレディースやチアリーディングなど、多岐にわたった活動も提供しているため、チームではなくクラブという表記になっているんですね。


クラブをつくるメリットとしては、何よりチーム間の移籍が容易であることです。「このチーム合わないな……」と感じたら組織そのものを退部することなく、組織内の別のチームに移籍することが出来ます。そのため、チームと異なり排除する人々が出にくい構造を持っています。


このようにクラブでは、チームメイトを同じ方向性に向かわせることではなく、チーム同士がより連携できるように調整する力が求められます。チームの指導者にコーチング力が求められるとすれば、クラブの指導者には、マネジメント力が求められます。

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まとめ

今日はチームとクラブの違いについて書いてみました。

チーム:一つの目標に向かう集団のこと。メンバー全員が同じ方向に向かうと想像以上の力が発揮される一方で、目標に向かわない人を排斥してしまう。チームの指導者は、メンバーを同じ目標に向かわせるコーチング力が求められる。
クラブ:チームを束ねる組織のこと。目標に応じてチームを選択したり移籍したりすることができるため、特定の人を排斥したりすることはない。そのため、クラブの指導者はチーム間の連携をより円滑にするためにマネジメント力が求められる。

以上がチームとクラブの違いです。

コミュニティは、どちらかといえばクラブ的発想です。異なる考えを持っている人を排斥することなく、むしろ受け入れる。大きな力を発揮することも重要だけれど、組織内の連携に重点を置く。コミュニティにはこうした姿勢が求められます。

外出できるようになったら、新しく組織を作りたいと思っている方。ご自身の作りたい組織は、チームなのかクラブなのか、考えてみてはいかがでしょうか。


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