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スピーチライターが教えるスピーチトレーニングの真実

はじめに

こんにちは、スピーチライターの蔭山洋介です。
私は、普段、大手企業の経営者はじめ社会的リーダーのスピーチ原稿を執筆する仕事や話し方のアドバイスを行っています。

この仕事は、本当に大きなプレッシャーのかかる仕事です。

VIPのみなさんは、基本的に時間がありません。直接お会いできるのは短時間で、場合によっては直接お会いできるのは2時間だけという場合もあります。この2時間で、原稿を書くために必要な情報を整理し、提案し、練習して、本番で成功するところまで求められる仕事です。

今までスピーチライターの仕事を通じて、
「会場中が感動に包まれて、みんな涙が止まらなくなりました」
「言葉が、乾いた大地に染み入るように、お客様に入っていくようでした」
「例年のつまらない株主総会と違って、非常に盛り上ってまた来年も来たい!と言ってもらえました」
などの声を頂いています。

そんなことが本当に可能なのか?
これだけ聞くと、ほとんど神業みたいに聞こえるかもしれません。

でも、実際は神業ではありません。スピーチやプレゼンテーションで人を感動させることは、基本さえ外さなければ誰にでもできることです。もし、みなさんが人前でうまく話せなかったり、感動させられないとしたら、それは少しポイントを外して練習している可能性が高いです。

スピーチトレーニングで重要とされる3つのポイントだが…?

例えば、話し方の本を開いてみると、

①ボイストレーニングでスピーチ上達
②あがり症を克服する
③話し方を上達させよう!

と、だいたいこの3つが書いてあります。

私は、いつもこの3つを眺めながら、複雑な気持ちになります。
このような基礎トレーニングは、確かに重要で、ぜったいにやらないよりやった方がいいです。

しかし、現場の第一線でスピーチ成功請負人として必死になっている立場からは、正直後回しでいいかなと思ってしまいます。もし、2時間だけトレーニングの時間があったとしたら、その時間に行うべきスピーチトレーニングは、断言しますが、ボイストレーニングでも、あがり症でも、話し方でもありません。

ボイストレーニングは、よく通る声、キレのよい滑舌を目指すものですが、これ自体はもちろん悪くありません。しかし、私の経験上、ボイストレーニングをしなくても、十分に感動的なスピーチを実現することができます。

あがり症は、人前で話すすべての人にとって大きな課題です。しかし、これもあがり症の対策はほとんどしたことがありません。なぜなら、ある工夫をするとあがり症は問題にならなくなるからです。

あるお客様は、人前で話すことが苦痛過ぎて、精神科で処方してもらった薬がないと話せないという方がいました。世にあがり症の方は大勢いますが、ここまで緊張される方はそれほど多くないでしょう。しかし、そんな方でも、1回2時間あるトレーニングしただけで、薬を飲まずにスムーズに話せるようになってしまいました。

話し方の練習については、した方がいいです。立ち方、身振り手振り、視線など、人前で堂々と振る舞えたほうが当然有利だからです。しかし、これも順番があります。時間が限られているなら、話し方の練習は後回しで良いです。

原稿棒読みでも感動の渦に!?

では、何に力を入れるべきでしょうか?

例えば、まったく人前で話せないご高齢の女性のお客様がいらっしゃいました。いろんな経緯があって会社の代表になられて、代表としてはじめて関係者500人前で話すことになったのです。

彼女は、原稿を読むのも一苦労で、棒読みが精一杯という感じでした。関係者一同、本当に本番を迎えることができるのか、気が気ではないという状態でした。

しかし、本番はやってきます。彼女は緊張した面持ちで、500人の聴衆の前に立ち話はじめました。当然ですが、本番での彼女は、まったく理想的な話し方からかけ離れていました。

原稿を覚えること、感情を込めて読み上げること、身振り手振りを使うこと、大きな声を出すこと、全てできていませんでした。

聞き取るのが精一杯の声で、震えながら、顔を一度も上げることなく、原稿をただ読むのが精一杯でした。

しかし、会場では驚くような反応が引き起こされていました。
みな代表の彼女を励ますような温かい視線を向け、共感し、涙を浮かべていたのです。話し終わると、感動の拍手が会場を包み、大成功となりました。

スピーチ・プレゼンで本当に重要なこと

先程の彼女の事例は、一般的な話し方のセオリーが通用しません。

彼女は、ボイストレーニングも、あがり症克服も、話し方のトレーニングを出来ていません。しかし、感動的なスピーチには成功したのです。

私は、この結果は例外的な奇跡ではなく、基本的に再現可能な事例だと思いますし、実際に数多く再現してきました。

その際、ボイストレーニングも、あがり症克服も、話し方のトレーニングもすべて重要であると理解はしながら、優先順位を下げて、成功のポイントを絞ってスピーチを支援することに取り組んできました。

一般の多くの人は時間がなく、本格的なボイストレーニング、あがり症対策、話し方のトレーニングを受けることができません。もちろん時間があれば、上記のようなトレーニングを徹底してもらいたいのですが、物理的な時間がなく、それは不可能に近いのです。

そこで、このnoteでは、実際にスピーチライターとして仕事をしながら、即効性があって現場で明日からすぐに役立つトレーニングに絞って、みなさんにお届けしたいと思っています。

スピーチ・プレゼンマスターになるためのステップは全部で5つにまとめました。

Step1  スピーチライティングの極意
Step2  あがり症克服の真実
Step3  話し方トレーニングはこれで十分
Step4  人前に出るときの衣装って?
Step5  困ったときの対処法

この5つのステップを実践すれば、あなたもジョブズやオバマのようなスピーチの達人と同じレベルになっているかもしれません。

本コンテツは、2011年に出版した『パブリックスピーキング 人を動かすコミュニケーション術』(NTT出版)を下敷きに、note用に書き直してまとめています。出版直後から、多くの出版社・専門家に読んでいただいて、業界に大きな影響を与えた書籍でロングセラーになっています。もし、本格的に勉強したいと思われましたら、こちらの書籍もオススメです。


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