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第1期コモンズプロジェクト第4回ミーティング「しくじり共有大会」

コモンズプロジェクトの岡本克彦(オカポン)です。

コミュニティ運営のノウハウをコモンズ(共有財)にすることを目指した第1期コモンズプロジェクト。2022年1月から2023年1月まで隔月で開催(全7回)。中間地点となる今回(第4回)は「しくじり共有大会」を開催しました。


求められているのは解決策でなく分かち合う場

コミュニティを運営する方々、コミュニティに参加する方々は利他の気持ちが大きいため、Will(やりたいこと)とMust(期待されていること)に対してCan(できること)が不十分と現状認識しています。一人で背伸びしても手が届く高さは差ほど変わらない。背伸びよりも二人で肩車した方が遥かに高い位置に手が届く。なので、コミュニティ同士でそれぞれが培ってきた運営ノウハウをコモンズ(共有財)にすることがCanを大きくするのに効果的と考えていました。

Canを大きくするためにノウハウをコモンズ(共有財)にする


しかし、キックオフ以降、プロジェクトメンバーと対話を重ねるごとに明らかになってきたのはコミュニティ運営での悩みや失敗の解決策も欲しいけど、まずは分かち合いたいということでした。一人で悩みや失敗を抱え続けるのは不安だし、負担になるということ。
なので、悩みや失敗を「しくじり」として、みんなで笑顔で分かち合うことを目的として「しくじり共有大会」を開催することになりました。

コミュニティ運営のコモンズ


心理的安全性を確保したしくじり共有に向けて

悩みや失敗は気心知れた仲間に伝えるのも心苦しいし恥ずかしい...。初対面の人もいるイベントで発表する心理的安全性を確保するために、コモンズプロジェクトの事務局メンバーのちゃんめいがステキなグランドルールと心意気を立案してくれました。
このグランドルールが有効なのはプレイベントで実証済み。


グランドルール

●プレゼンテーション時間:10分+フィードバック:20分

●評価:各5点、合計20点
【あるある度】同様の経験がある
【勇気度】よくぞ告白してくれた
【面倒度】こじれ度合いステキ
【感銘度】涙がこみ上げる

●プレゼンテーション後にチャットにフィードバックを記入
・感想とお礼
・あるあるポイント
・解決策のヒント

しくじり心意気

グランドルール(制度)に対してモラル(規範)となる3つの心意気。

其の一:コメント欄を荒らすなり
心の声を文字にするなり

其のニ:スタンプを使い、感情を表現してみるなり

其の三:悩みにはアドバイスより、似たような経験をした時の話や、その時実際に行った対処法などを話せると良いなり


今回のしくじり共有のプレゼンター

今回のしくじり共有大会でのプレゼンターは鈴木智香子さんと影山貴大さん。お二人共に快く引き受けてくださいました。

鈴木智香子さん
影山貴大さん

鈴木智香子さんからは横浜で運営するコミュニティカフェの事業化に向けたエピソードを、影山さんからはコミュニティ運営の会社の立ち上げに関するエピソードを紹介。
エピソードと書くとキレイな表現になりますが、計り知れない苦労話を散りばめ、それを笑顔で語るお二人の優しさに感嘆する時間でした。

センシティブな内容が含まれるので内容は控えますが、グランドルールとしくじり心意気のおかげでスピーカーも参加者も安心して発表・傾聴する場になりました。


鈴木智佳子さんのしくじりをお聞きしての感想(抜粋)

  • 何度も重なる困難に向き合いつつも次々と場所や協力者が見つかるという巻き込み力や人脈がすごいです!

  • 大変かもしれないですが、まず始められてしまうことのしくじりが素晴らしいと思いました。一歩を踏み出して悩みながら進まれているところが素敵でした。

  • 様々なことがあったのに諦めずに継続し続けていること素晴らしすぎる!!!ぶれない姿が周りの人をひきつけているのだと思います。尊敬!!

  • 笑顔でしくじりを語れるお人柄が人を惹き寄せるんですね。三度目の正直でなく、四度目の正直。そこまで人を信じて続けられる忍耐力と責任感は僕にはない部分なので尊敬します。

  • 生々しい苦労話ありがとうございます。「コミュニティ=人と人のつながり」だからこその苦労だなと思いましたが、ポジティブな面に目を向けているからこそ次々とチャレンジできているのだと感じました!

  • すごい経験をされていて、その都度その時には苦しい経験やどうしようもないような状況や気持ちもあったと思いますが、それを明るく語れるちかこさんが本当にすごい。この経験を語り継いで欲しいです。

  • 地域で資源を見つけることがすごくお上手だなと思いつつ、笑顔でお話になられる背景には大変なご苦労があったのだろうと鑑みます…。鈴木さんのお人柄がにじみ出るような発表で、だからこそ協力をしてくださる方たちも見つかっていくのだろうなと感じました!

  • 智香子さんが場をつくることの価値を信じているからコミュニティカフェが続いてきたんだと改めて思いました。地域の資源活用で場づくりする人には、あるあるなしくじりで、こういう経験の共有が、続く人の勇気になりますね。


影山貴大さんとのしくじりをお聞きしての感想(抜粋)

  • 人(相手)を変えるのは困難なので「ずらす」というコミュニケーションは大事だと感じました。

  • 「事実は小説より奇なり」という言葉が浮かびました。大変な事をさらっと語られるのがすごい。 

  • 壮絶すぎて言葉がでない!それを乗り越え笑顔で話せる懐の深さに脱帽です。

  • チャレンジしているからしくじりも起こるんだと気づきました。しくじりが起きてるってことは、チャレンジしている証拠。すべてを肯定してポジティブに捉えられると思いました。

  • すぐにリターンを求めないペイフォワードのマインド200%な人柄。過去のしくじりを未来への糧にするマインド。その寛容力に脱帽します。

  • 会社の内部崩壊…本当にドラマみたいですね。そんな挫折を踏み越えて、軽やかに生きている姿に感動します!


しくじり共有大会を終えて

しくじり共有大会を終えての参加者の感想を共有します。

  • 「しくじりを語ること=経験を成仏させて学びに昇華させる」だと思いました。学び経験を共有くださったお二人に感謝です。

  • しくじりを笑って話せている人の言葉は勇気や希望となって心に届くのだと感じました。

  • 多少の傷もポジティブに変換していくと多くの気づきを生めるのだと感じました。お二人本当にありがとうございました!

  • しくじりの例を知ることで、自分の悩み・不安に対する解決策を見つけられる

  • えっまだ2時間?!というくらい、本当に濃密な時間でした。惜しみなく、しくじり経験を共有いただいたお2人に感謝です。チャレンジしたからこそのしくじりですよね。成功の反対は「なにもしないこと」だと思っています。勇気づけられる貴重な時間でした。本当にありがとうございました。

  • しくじり×笑顔=最強、しくじり×共有=勇気

  • しくじりはしくじにり呼応する!その化学反応がありますね。

  • ここでなら話せるぞ!と思える場を与えていただけたこと、ありがたいです。「しくじり」なら話せる~と気軽に受けたお話でしたが、深かったです!

  • しくじりを共有することを通して、
    自分のしくじりについても浄化できたり昇華できたり肯定できる
    発表者のしくじりについても浄化できたり昇華できたり肯定できるようになる
    みんなの活動やチャレンジが肯定されたり勇気づけられるようになる

  • 人は何度も襲いかかるアクシデントを切り抜けることができるし、それを糧にすることもできるのだと痛感しました。

  • しくじりを笑って話し、しくじってもブレずに継続したから今があるのだなと思うと勇気をもらえました。

  • しくじりがこんなにも共有財になるのだなあと、改めて学びの機会になりました!皆さんからのフィードバックが非常に胸に刺さってまして、自分のしくじりに自分なりの意味だけでなく、皆さんからいただいた意味を沢山いただき新しい学びをえつつ、勇気をいただけました!ありがとうございました!

  • しくじりをコモンズにすることで生きる糧になるのだと思いました。


プレゼンター二人による振り返り

鈴木智香子さん
参加者のみなさんからのフィードバックを聞いて、しくじりを肯定的に受け止められるようになり、ありがとうございました。「NO アクション, NO しくじり」という言葉が身に沁みました。

影山貴大さん
自分の過去に意味づけをできるのが人間の特権。自分の過去に自分がつけた意味に加えて、しくじり共有を通じて仲間が新たな意味を付加してくれて大きな財産になりました。


しくじり共有大会の総括「NO アクション, NO しくじり」

プレゼンターと参加者のみなさんの感想も踏まえて、CRファクトリー 代表理事 呉哲煥さんからメッセージ。
しくじりを共有するという行為を通じて得られるものが多い。学びもあるし、ほっこりする気持ちもあるし、しくじりを失敗としてでなく昇華・成仏できる効果がある。しくじりを肯定的に受け止めることができる「NO アクション, NO しくじり」というキャッチコピー。過去を肯定的に受け止めて、未来に向けて一歩を踏み出せる勇気になる。


集合写真


次回以降の予定

しくじり共有大会を通じて次回以降はコミュニティの運営におけるノウハウやしくじりを言語化・可視化してコモンズ(共有財)としてツール化していきます。楽しみにしていてください!

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