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第1期コモンズプロジェクト第5回ミーティング「しくじり (問題)の 解決策を他者目線で考える」

コモンズプロジェクト

コモンズプロジェクトの岡本克彦(オカポン)です。

コミュニティ運営のノウハウをコモンズ(共有財)にすることを目指した第1期コモンズプロジェクト。2022年1月から2023年1月まで隔月で開催(全7回)。前回のしくじり共有大会を経て、今回(第5回)は「しくじり (問題)の 解決策を他者目線で考える」をテーマに開催しました。


求められているのは解決策でなく分かち合う場

これまでのミーティングを通じて、コミュニティに関わる方々にとってコミュニティ運営を円滑にする解決策も欲しているけれども、それ以上に欲しているのは悩みや失敗をまずは分かち合いたいということでした。一人で悩みや失敗を抱え続けるのは不安だし、負担になるということ。確かに…。

最近、心理的安全性が注目されていますがコミュニティ運営においても同様。コミュニティ運営における心理的安全性の確保に向けた一つが「悩みや失敗の共有」ということなんですね。

コミュニティ運営で欲しているのは「解決策の共有」と「悩みや失敗の共有」


このような検討経緯もあり、悩みや失敗を「しくじり」と表現し、みんなで笑顔で分かち合うことを目的として前々回(5月)にはしくじり共有のプレイベント、前回(8月)にはしくじり共有大会を開催しました。イベントの様子はレポートをご確認ください。


「解決策(ノウハウ)」と「悩みや失敗(しくじり)」をコモンズ(共有財)にするために

コミュニティ運営を円滑にするために、これまでに各コミュニティが培ってきた「ノウハウ(解決策)」と「しくじり(悩みや失敗)」をコモンズ(共有財)にするということをSDGsのウェディングケーキモデルに照らし合わせてみました。SDGsは17の目標で構成され、タイル状に一覧で配置される画像を見る機会が多いですが、17の目標を構造化したウェディングケーキモデルがあります。SDGsが目指すSustainability(持続可能性)は海や森林などの「環境」が注目されがちですが、「社会」「経済」「人」も17の目標に含まれています。環境がベースにあり、その上で社会が形成され、経済活動が行われ、私たち人々が生活していることを表現しています。

SDGsウェディングケーキモデル


プロジェクトスタート時にはノウハウ(解決策)をカルタなどのカード形式で提供することを想定していたのですが、単にカード化するのではなく、SDGsのウェディングケーキモデルのようにそれぞれのカードが意味する視点を明確にする必要があると考えました。

コミュニティ運営のコモンズ(共有財)を構造化

これまでの検討でわかりかけていることは、

  • コミュニティに関わる方々はWill(やりたいこと)やMust(期待されていること)に対してCan(できること)が不足気味なので、Canを増やすために他コミュニティのノウハウ(解決策)をコモンズとして共有する

  • コミュニティ運営を円滑にするためにノウハウ(解決策)も欲しているけど、まずは悩みや失敗を分かち合いたい。一人で悩みや失敗を抱え続けるのは不安だし、負担になる。

  • そのまま悩みや失敗を共有するのは難しい。悩みや失敗を「しくじり」と表現すれば、みんなで笑顔で分かち合える

  • コモンズプロジェクトで考案したしくじり共有のグラウンドルールが有効であることは前々回・前回のしくじり共有大会で実証済み。

これらのことからベースに「しくじり共有のグラウンドルール」があり、その上に「しくじり共有」「解決策の共有」があるという構造が見えてきました。


「解決策(ノウハウ)」と「悩みや失敗(しくじり)」を他者目線で考える

解決策(ノウハウ)や悩みや失敗(しくじり)の構造化ができつつあるところで、今一度、これらについて当事者による主観に加えて、他者目線で客観的に考えてみました。


第5回コモンズプロジェクトの参加メンバー
ダイアログのテーマ


しくじり共有から見えてきたことは?しくじり(悩みや問題)を他者目線で考えた時に大切なことを3つ以上挙げてください。

しくじり共有から見えてきたことは?


  1. 寛容になる
    価値観の違いがあった時に相手を否定せずに受け止めること。多様性の時代に大切なのは相手を尊重する寛容さ。

  2. 抜ける勇気、手放す優しさ
    コミュニティは一つだけではない。自分に合わなくなったら抜ければいい。同様にコミュニティ運営者も送り出す優しさをもつこと。

  3. しくじりと思っているのは当人だけかも?
    多様なメンバーがいるので議論が交わされ、統一見解に至らないのが当たり前。健全な議論、健全な対立はしくじりではない。コミュニティ運営者は方針を決める責務もあるため、ジレンマを感じてしまう。中々決まらないことや勝手に決めてしまったことを「しくじり」と感じることもあるが、参加者(仲間)はしくじりと思っていないはず。

  4. 視点を変えて考える
    しくじりは挑戦・行動した結果なので、前向きにしくじりを捉える。段取りの悪さなどのプロセスに改善点があっても、良い結果を得られることもある。終わりよければ全て良しと前向きに捉える。

  5. 生きてるだけで丸儲け
    笑顔で語る、分かち合う。命取られない限り、大丈夫。

  6. 成功は稀(まれ)
    千三つという言葉があるように1000回の挑戦で成功するのは僅か3つ程度。成功を前提にするのではなく、失敗を前提にする。

  7. 選択肢をもつ
    一人で責任を負いすぎないように複数人のリーダー体制にする。参加者も相談相手を選べるのでお互いに心理的安全性が高まる。

  8. まずは受け入れる、受け止める
    自分の考えや意見を押し付けない。基本的に一番大切だと考える。

  9. 本人の内面に返すような問いかけをする
    相手へのアドバイスは逆に負担になる可能性もあるので、相手の気持ちに寄り添う。相手のコンディションに沿って対応する。

  10. 学び手になる
    しくじりを開示してくれた相手にアドバイスするのではなく、相手から学びを得たと捉えることが相互理解や相互尊重につながる。

  11. 信頼関係を前提にする
    同じ志がある人たちが集まったコミュニティであることを常に忘れず、また、思い出す。

  12. 対話による理解と納得
    一人で考えると思考バイアスがかかってしまう。誰かと対話することで悩みが氷が水のように溶けて自分の心に学びとして融合していく。

  13. 気軽に相談できる環境
    気軽に相談し合える環境があること。つまずきそうになった時、つまずいた時に気軽に相談できる相手がいると大怪我につながらない。

  14. 第三者に語ることによる客観視
    第三者に語ることで冷静に事実を客観視・言語化できるようになると共に自分がクールダウンできる。

  15. しくじりの図解
    しくじりを図解してみることで客観情報と主観を整理でき、誰もが他者目線で共通理解しやすくなる。


しくじりや解決策を共有できた先にあるコミュニティがUPDATEされた状態とは?しくじり共有・解決策の共有が必要条件だとすると、十分条件するために必要なことは?

しくじりや解決策を共有できた先にあるコミュニティがUPDATEされた状態とは?


  1. 愛を感じる、愛を分かち合う
    関わった人が幸せを感じられる、成長を感じられる、しくじった当人も幸せを感じられるようにチームメンバーが関係を築いていく。

  2. 風通しが良い状態
    しくじりがあるのは風通しが悪いために一人で問題を抱えてしまったから。水も流れないと腐ってしまう。

  3. しくじりや解決策を共有した結果、アクションが生まれる
    しくじりや解決策を有した結果、新しい挑戦と新しいしくじりが生まれる。共有したしくじりを活かすことでより良いコミュニティ活動がされる。

  4. 氷から水に変わって流れる。
    しくじりを共有しづらい状況は人が凍結している状態とも言える。アイスブレイクと雪解けが必要。

  5. 教室はまちがうところだ(著:蒔田晋治さん)
    教室はみんなが安心して自由に間違うことができる場所。

  6. 100点でなく、50点でも満足できる状態。
    100点満点を前提にしない。満点を求めない寛容さ。一人で100点を維持しようと無理するのではなく、みんなの合算で100点にする。

  7. わからないという勇気
    「わからない」「できない」は誰かの役割を生み、コミュニティの幅が広がる。

  8. しくじり共有の前に相互理解が大事
    価値観の違いを認めて尊重しあえるという合意があること。みんなが自分目線でなく、他者目線を獲得すること。意識のズレは解りあえない。そのことを知りながらも諦めずに解ろうとし続ける。



第5回ミーティングを終えて

最後に第5回ミーティングを終えて参加者から感想や気づきを共有しました。

  • しくじりや解決策を共有することで流れができる。一人で抱えないことが大切。

  • コモンズプロジェクトのような場があることが生きる上で大切。

  • 『教室はまちがうところだ』の紹介があったように「コミュニティはまちがうところだ」という考えを広めていきたい。

  • 世の中は失敗した人に冷たい…。しくじりを共有することは寛容な社会につながるはず。

  • 相互理解や愛、優しさ、笑顔という言葉が心に響いた。明日から実践していく。

  • しくじりを受け止められる組織やコミュニティはレジリエンス(しなやかさ)があることを逆説的に実証できた気がする。

  • コミュニティがUPDATEされた状態を語ることで自分のコミュニティに活かしていきたい。自分自身の振り返りにも役立つ。

  • 今の日本社会は一回でも失敗するとカムバックできない。失敗から得られることが多いので、失敗から学ぶ機会を増やしていきたい。

  • 失敗の所在が組織から個人に変わってきている。生きづらい社会になってきているからこそ、前向きに失敗を受け止められるようにしたい。

  • 寄り添う、他者をみていくが大切。価値観が違うことなどは当たり前に認識されるように。

  • しくじりは挑戦していることの証。誰もがより良くしたいという気持ちでがんばっている。その前提での失敗を愛や優しさでお互いに称え合いたい。


次回以降の予定

今年1月からスタートした第1期コモンズプロジェクト。次回、12月6日(火)の第6回ミーティングは来年1月の最終発表に向けた最後のミーティングとなります。テーマは「しくじりと解決策を川柳やボードゲームなどで表現する」。これまで1年間検討してきたノウハウ(解決策)やしくじり(悩みや失敗)をコモンズ(共有財)として表現します。近日中にpeatixで申し込みするので興味ある方はご参加ください。

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