本屋HUT BOOKSTORE & 古池弘幸建築設計事務所

HUT BOOKSTORE店主+古池弘幸建築設計事務所主宰。住所/岐阜県美濃加茂市太田…

本屋HUT BOOKSTORE & 古池弘幸建築設計事務所

HUT BOOKSTORE店主+古池弘幸建築設計事務所主宰。住所/岐阜県美濃加茂市太田本町2-4-8 営業日/金・土・日・月 営業時間/12:00-19:00 お問い合わせ/hutbookstore@gmail.comまで。建築の設計依頼も。

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古い建物をどこまで直して店の空間とするか

古い建物を今の時代に建てられる建物と同じ耐震性や快適性とすることは難しい。絶対にできないかと言われればできるかもしれないけれど、古い建物を新築同様にするためには新築以上にお金がかかる。 まず耐震性能はないに等しい。耐震という考えが建物に活かされはじめたのは半世紀ほど前で、建物も揺れに弱く、場所によっては地盤も弱い。工事中に建物が倒壊しないように補強を入れて維持しつつ、地盤を補強することになる。 石の上に土台が乗っているところも多く、新しくコンクリートで基礎を作り直したり、

    • 円頓寺 本のさんぽみちの出店の記録と売上

      秋が少しずつ近づいてくると、今年も古本市の季節がやってきたなと感じます。 2024年10月以降に行われる愛知・岐阜・三重の本のイベントや古本市を書き出してみると… タカヤマブックマーケット(高山市)、10月6日(日)11:00-15:00 ZINE TONIC Issue 2(大垣市)、10月6日(日)10:00-16:00 せと末広町 本のさんぽみち(瀬戸市)、10月14日(月/祝)10:00-16:00 円頓寺 本のさんぽみち(名古屋市)、10月19日(土)、2

      ¥100
      • クリエイターによるZINE・リトルプレスの取り扱いの話

        「クリエイターによるZINE・リトルプレスの取り扱い」について、冒険研究所書店の店主である北極冒険家・荻田泰永さんがXやnoteで投稿されたものをきっかけに、リポストも盛んに行われ、多くの方の目にふれるきっかけとなった。 後日、内沼晋太郎さんが書店へ連絡する際に、「このようなことが書かれていたら書店もありがたいよね」と、項目を整理したものを投稿されていました。 本屋としては受ける側なので、あれこれ書くのはとても難しい…本当に難しい… クリエイターさんが製作したZINE・

        • 岐阜の小さな本屋さんは増えてる?

          少し前にお客さんとカウンター越しに話をしている中で「最近あまり本屋さんオープンの話を聞かない」との話になり…確かに最近あまり耳にしていない気が… 愛知や岐阜界隈では、コロナ禍に当店も含めて小さな本屋さんのオープンラッシュ(ラッシュと言える量でもないのだけれど)がありました。その後はどうなっているのだろうか… そんなことから少し書き出してみることにしました。 本屋をオープン順に並べてみると… 2018年4月 庭文庫(恵那市) 2019年3月 ひらく本屋 東文堂本店(多

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        古い建物をどこまで直して店の空間とするか

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        • 本屋の日々
          13本
        • 古本屋ができるまで・できたあと
          6本
        • 過去記事
          7本

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          本屋を始めて増えた備品や什器たち

          前回書いた「古い建物を直し、本屋にして3年。起こった問題点。」は、建物自体の話だったけれど、今回は「本屋の備品」の話を書いていこうと思う。本屋を始める前は、ここに看板を付けて、本棚を置いて…と考えるのだけれど、オープンしてすぐにその考えは甘かったと知ることになる。(きっと本屋を始めた人全員がそうなっていると思いたい…)それぐらい、計画通りにいかない現実が待っていた。 増やした(増えてしまった)備品や什器は、 本棚(棚) 展示台 照明器具 サインスタンド サーキュレ

          本屋を始めて増えた備品や什器たち

          古い建物を直し、本屋にして3年。起こった問題点。

          古い建物を直し、本屋にして3年。不具合がなかったかと言われれば……正直ある。予想していた問題もあれば、全く予想しない問題も発生していて、どうしたものか…と対応を考えたものもあるけれど、まぁーいいかと開き直っていることの方が多い。 ざっと上げると、 天井から砂がパラパラと 壁のひび割れ 壁にカビ発生 下屋部分から雨漏り 強風豪雨で戸の下から雨水が侵入 軽微なものから重大なものまで、思い浮かぶのはこの5つくらいだ。 天井から砂がパラパラと本屋スペースの天井は、前の

          古い建物を直し、本屋にして3年。起こった問題点。

          [展示終了]“Tokimeki” moment 水野景子写真展 2024.4.19(金)-2024.6.30(日)

          HUT BOOKSTOREの小さな展示室と本屋の一部の壁を利用して、“Tokimeki” moment 水野景子写真展を行いました。 水野さんは美濃加茂市在住の写真家。総合病院で看護師として働きながらイギリスやアイルランドへの短期語学留学や福祉ボランティアをしながらヨーロッパ諸国を旅をしてきた経験を持つ。 その中で、カメラ片手に想うがままに歩いて巡り逢った風景や、街角で出逢った人々の姿をありのままに”トキメク瞬間” をフィルムに納めてきた。 コロナ禍で社会が混乱する中で初

          [展示終了]“Tokimeki” moment 水野景子写真展 2024.4.19(金)-2024.6.30(日)

          小さな本屋のオンラインストア売り上げと実務

          岐阜県美濃加茂市で新刊書籍と古本を扱う本屋HUT BOOKSTOREを2021年4月24日にオープンさせ、その3ヶ月後となる2021年7月にオンラインストアを開きました。 本屋を始めて約3年が過ぎ、自分なりにオンラインストアの毎月の売り上げや現状を整理する意味も踏まえ、noteにまとめてみました。 このまとめは、冒険研究所書店の荻田泰永さまの記事「独立系書店のオンラインストア運用の実際の話。利益はいくら出たのか?」に影響を受けて書くこととしました。勝手ながら深くお礼申し上

          ¥900

          小さな本屋のオンラインストア売り上げと実務

          ¥900

          2023年の振り返りと2024年の抱負

          2023年が終わり2024年が始まったものの、年を重ねるごとに新年を感じる心がすり減り、虚無の心で新年を迎えている感じがしないでもない。2023年がどんな年であったか思い出すためにもスケジュール帳を見ながら1年を整理しておきたい。 1月-2月 平常運転 HUT BOOKSTOREの始まりは1月13日と遅めのスタートでしたが、実は新年早々から建築の仕事はしていた2023年。本屋は1月と2月は平常運転。 3月の写真展「台灣書店の記憶」、4月の「MARGINALIA2023」の

          本と本のまわりにあるものフェスティバル

          本や本のまわりにあるものが集まっているフェスティバル。本の祭り。そんなイベントがあったらいいなと思うようなことがあった。 キーワードはもちろん”本”。 どんなことが考えられるだろう…ざっと書き出してみると… 本の販売 本屋さんや集まる新刊&古本市 素人さんが集まる一箱古本市 出版社による本の販売 展示 学生マンガ部による漫画発表 絵本の原画展 場のイベント 本を読みながら聞きたくなる音楽会 詩の朗読会 書店員トークイベント 取次ってこういう仕事

          本と本のまわりにあるものフェスティバル

          トイレの散文

          浮かんで初めて自分を知る 友の記憶から切り離され カランコロンと音とともに 目の前を白い紙が通り過ぎる 左右に動く君の手が 僕には最後の挨拶に見えた 押されたスイッチで流れ押し出されていく 散りゆく花のように舞いながら 友に気づかれることもなく この場所をあとにする 僕は君に友情を感じていた 進むに連れて固くなる体に君との絆の深さを重ねてた でも離れていく運命だと 真っ暗の道の中でわかったんだ 水の流れに身を任せ 下がり続ける体温が僕をより孤独にする 微かに残る記憶と共

          本屋の傘立て

          ずっと探していた。傘立て。かっこいいものを販売している店に足を運び、地元のホームセンターにも足を運び、ネットで調べ、SNSに出てきた広告に飛びつき、それでも直感的に”これだ”と思えるものには出会えなかった。 普通の傘立てはデザインされている。それぞれに個性があり、商品の売り場で目立つようにつくられている。お客さんから選んでもらえるように。個性がない傘立てに商品価値はないともいえる。 でも、本屋で一番目立たせたいものは「本」だ。 本も紙や形、大きさ、色、カバーデザイン、帯

          本屋の屋外イベント出店の敵は天候

          夏が終わりに近づくと古本市や本のイベント開催情報が少しずつ目にとまるようになる。もちろん、本にまつわるイベント以外のイベントも流れてきて、中には声をかけていただけることもあり、嬉しい限りでもある。 屋外イベントに出店する時に一番気になるのはやっぱり「天候」。 雨は大敵。募集要項に「小雨決行」と明記があると出店したいイベントであっても躊躇する。テントがあっても雨が入ってきてしまい、本が濡れてしまったら、その本は販売できなくなってしまう。新刊書籍に当たってしまったら...

          本屋の屋外イベント出店の敵は天候

          2021年の振り返りを大晦日に。

          忘れる前に2021年がどのような1年だったのか振り返っておきたい。2021年1月から4月の前半ぐらいまで建物の改修をし、本屋を「本屋HUT BOOKSTORE」を開いたのが4月24日。おおよそ8ヶ月の間、毎週金曜日、土曜日、日曜日、月曜日の週4日、13:00から18:00に扉を開いてきた。 オープン日の記憶とともにオープンは4月24日(土)から3日間中山道太田宿で行われる合同展示会「MARGINALIA 2021」にあわせた。本屋としての技術も知識も経験も知名度もない中でH

          古本屋で新刊書籍を扱うか悩む

          2021年4月の終わり頃に古本に加えて新刊も扱う古本屋をオープンさせようと動いているけれど、実際のところ新刊書籍を扱うか悩んでいる。 新刊書籍を扱うよい点新刊書籍を扱うよい点はもちろんあると考えていて、 1点目は店内に新しさがプラスされる。過去の書籍が並ぶ古本屋の中にあって、新刊書籍は現在進行形の新しい本。本の内容だけではなく、装丁やデザイン、フォントなども今を表す。そういう意味でも自分自身も手に取ってみたいと思う。 2点目は店内の新しさが継続される。継続的にいろいろな

          古本屋で新刊書籍を扱うか悩む

          一箱古本市の開催が減り部屋に本が積まれていく

          新型コロナウィルスの影響で人が直接対面するイベントの開催が難しくなって久しい。特に2020年春頃は新型コロナウィルスがどのようなウィルスなのかが分からず、開催が予定されていた一箱古本市は軒並み中止となり、秋頃には開催された一箱古本市もあったけれど、オンライン開催に切り替えたものもいくつもあった。 自分はHUT BOOKCASE名義で2018年には3ヶ所、2019年には5ヶ所の一箱古本市に出店し、さて2020年もと思っていたところに新型コロナウィルスが猛威を振るい始めてしまっ

          一箱古本市の開催が減り部屋に本が積まれていく