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2021年の振り返りを大晦日に。

忘れる前に2021年がどのような1年だったのか振り返っておきたい。2021年1月から4月の前半ぐらいまで建物の改修をし、本屋を「本屋HUT BOOKSTORE」を開いたのが4月24日。おおよそ8ヶ月の間、毎週金曜日、土曜日、日曜日、月曜日の週4日、13:00から18:00に扉を開いてきた。

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オープン日の記憶とともに

オープンは4月24日(土)から3日間中山道太田宿で行われる合同展示会「MARGINALIA 2021」にあわせた。本屋としての技術も知識も経験も知名度もない中でHUT BOOKSTOREをオープンさせたこともあり、この地域で店を出している仲間に思いっきり甘えた形だ。

オープン初日の午前中。真っ先に来てくださった方は岐阜市美殿町で2021年4月18日に行われた「美殿町本通り2021春」で本を買ってくださったご夫婦。その時に近隣で昼食を食べられる場所を尋ねられて、この建物を本屋に改修する前に、この場所で店を経営していたことがあり、数年前に100mくらい西側に新店舗を出された「魚徳」さんをおすすめしたことを記憶している。時代の時間軸を感じられる、ゆるいつながりがいい。

オープンから3日間、立ち寄ってくださる方が多く、緊張していたこともあり、来てくださった方の顔を覚える時間もなく、後から「あの方は○○という方で・・・」と別の方からお聞きをして「そうだったんだ!」ということが頻発していた。25平米(8坪ぐらい)の狭い店内にお客さんが右往左往する感じだった。

当日はとにかく棚がスカスカにならないように、バックヤードから持ってきた古本をカウンターの上に置いて、ずっと古本に値付けをして棚へ補充していた記憶しかない。

今と同じAirREGIを使用しiPadで会計はしていたものの、ドロアーやレシートプリンターがまだなく、一箱古本市に出店していたときに使用していたキャッシュケースでお金を出し入れしていた。当初はドロアーやレシートプリンターは必要ないかなと思っていたけれど、慣れない領収書をバタバタと書いている時にお客さんに待たれている時間が苦手で、クレジット決済やQRコード決済も今後は使えるようにしたいとの考えもあり、この後にすぐに注文をして導入することにした。

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お客さんが店内をウロウロと・・・

オープン直後の3日間はたくさんのお客さんに来ていただいたけれど、その後少し落ち着き、秋にかけて徐々に足を運んでくださるお客さんが増えてきた。その後、秋から冬にかけて新型コロナウィルスが落ち着きはじめ、各地でイベントが行われると同時にお客さんも落ち着きはじめる。そんな年だった。

コロナ渦だからこのようなお客さんの動きだったのか、そうじゃなくても同じであったのかは、コロナ渦にオープンした自分には分からないけれど、それでも1度だけではなく、定期的に足を運んでくださるお客さんもみえて感謝しかない。

お客さんの動きで面白いと思ったのは、オープンをして2、3ヶ月ぐらいまでは、本だけではなく建物の中をウロウロするお客さんが多かったこと。トイレの扉を開けたり、スタッフオンリーの扉を開けたり、バックヤードへと続く道をツカツカと歩かれたり。特に見てはいけないものが置いてあるわけではないのでよいのだけれど・・・最初はどこまでが店か分かりにくいかな?と思っていた。その後、扉を開けたり、ウロウロするお客さんはほとんどみえなくなったことから、この建物がどんな風に改修されたのか知りたかっただけかもしれないと感じている。

聞いていただければ、スタッフオンリーの扉も開けて説明はできますし、建物の経緯など分かる範囲ではお伝えできますので、そういうときは言ってください。笑。

オンラインストアの開設

2021年6月頃からオンラインストアをSTORESで開設した。古本は1点もので、1冊ごとにウェブサイトにアップする手間を考えると膨大な作業量になるため、新書のみの取り扱いとしている。

街中とは言えない岐阜県美濃加茂市に本屋があり、遠方で足を運ぶことが難しいお客さんに向けて、新刊の選書から店の雰囲気を感じていただけるように、また、店頭で並べている新刊書籍はオンラインストアの在庫とおおよそリンクさせていることから、店頭に書籍の在庫があるのか、ないのかを調べられるツールとして使用できるようにと考えているところもあり、「在庫あるなら行ってみようかな」と言ってもらえるようにしているつもりでもある。

本棚を本で埋めたい

HUT BOOKSTOREを始めた当初は、店頭に古本が1000冊未満、新刊書籍は20冊ぐらいだったように記憶していて、一見すると本屋には見えないほど棚がスカスカで「本の冊数を増やしたい!」と実はオープン前から思っていた。

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それが年末の現在、店頭に古本が1300冊ほど、新刊書籍が200冊ほどあり、おおよそ1.5倍ほどに増えている。古本を並べている本棚は、面出ししている本の数が減り、本同士の隙間が少しずつ無くなってきている。新刊書籍を置いているテーブルや棚は、入荷した新書をどこに置くか悩むほどは本で埋もれてきている。

それでも、古本を中心に蔵書を2000冊から2500冊ほどに増やすこと来年の目標にしている。

ただ闇雲に並べる本を増やすのではなく、古本はジャンルを広げず、できる限り誰もが手に取りやすい優しい本から難しい本まで、掘り下げていける選書をしたい。

新刊書籍は岐阜で取り扱いの少ない出版社や個人の本を増やしていきたいと思う反面、大手出版社の本であっても「名古屋の大型書店に行かないと揃わない本」も少しは並べたいという思いもあり、どのようにするのがよいか悩んでいる最中でもある。(そのような本は古本で増やしていくという判断もでき・・・)来年の課題としたい。

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愛知で続々本屋さんがオープン

今年は愛知を中心に本屋や私設図書館をオープンする人が多かった。金山のTOUTEN BOOKSTOREさんに始まり、瀬戸市の本・ひとしずくさん、一宮市のよみかけ文庫さん、鳴海のaonisaibooks&galleryさん、名東区のReading Mugさん。来年は私設図書館もんさんに加えてpaquet.さんもオープンするかもしれない。

ここ数年、愛知や岐阜で本屋をオープンさせる人が少なかったと聞いた。それが今年、来年と続々とオープンしていく。本屋をオープンさせる敷居が下がったのか、新型コロナウィルスによる社会変化がそうさせたか、何となくオープンが偶然重なったのか。

理由は分からないけれど、本に囲まれた空間が好きな自分としては、本屋が増えることが嬉しく、本屋仲間が増えること、そして自分もその中に入れてもらえていることが嬉しくてならない。来年以降も本屋の苦悩も喜びも共感しつつ、楽しく本屋を続けていけたらと思っている。

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