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Cofui
2020年12月30日 21:46
前回の続きです。やはり季節外れの夏の夜の小説です。 前回は一度も猫が出てきませんでしたが、この短編は、夏の夜に庭先に猫がやってきた、という話になっています。 よろしければ、前編から読んでいただければうれしい限りです。・・・・・・・・・・・ 再び少し強めの風が吹込み、小説のページがぺらりとめくれた。額の汗がわずかに蒸発する。 彼は生温くなったビールをもう一口飲んだ。 と、そのとき
2020年12月27日 21:47
季節外れではありますが、”ある夏の一夜”を題材にした短編小説です。 過去に「小説家になろう」に投稿した短編小説を、note用に少しだけ手直ししたものです。 微妙な長さのため、2回に分けて投稿します。・・・・・・・・・・・ 大学に入って、もう三度目の夏だった。 このところ、毎日のように激しい雷鳴を伴う夕立が訪れていた。 そんな時彼はいつも、幼かったころ二人の姉にしがみつきながら
2020年11月28日 20:50
どこかの寂れた町の夜更けだった。私立探偵敦賀ヤスハルは、ある男を尾行していた。グレーのトレンチコートを着たその男は、大股な足取りで歩いていく。 その男は、間違いなくある女性を監禁している、とヤスハルは睨んでいた。まったく危険な仕事を引き受けてしまったものだ。彼は少々後悔しながら、男の背中を追い続ける。追いながら、一体この依頼を持ってきたのは誰だったのか、思い出そうとするがまるで思い出せない。そ