coeurcrepe 作品集

クレープストーリーとは違ったテイストの作品集

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クレープストーリーとは違ったテイストの作品集

記事一覧

私だけの庭

カフェの中庭には溢れるほどの陽光が降り注いでいる。 この店の中庭には沢山の緑が植えられ11時オープンの前にスタッフが水を与えたのであろう緑の葉には水晶のような水玉…

蒼い朝

雨が降っていた。 蒼い朝は嫌いだ。 朝はその人の本当の姿をあぶり出す。 だから僕は何かに迷ったときは朝起きた瞬間に思ったことを答えにしている。 ここ数日僕の朝は…

全ては雨のせい

稲光りが青白く光る蜘蛛の糸を空に張り巡らす。 「もうすぐ止むかしら」 誰も居ない寂れた商店街 閉まっている店先の軒下で雨宿りしながら 携帯の天気アプリを取り出そう…

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消えぬ情熱

夏草の土手の道 胸いっぱいに空気を吸い込んだ 夏の風の中に 懐かしい香りに 思い出した気持ち きっとあの日が始まり 青空の中に夢中で駆け出す そこには明日が見える 風…

友情試練

秘密のキスなら完璧に・・。 油断した途端綻びはじめ 全てが明るみに出るのは時間の問題。 夢の夜につい時間を忘れチラッと盗み見た彼の時計が21時を告げようとしていた。…

遺さなくていいもの

「二人で写真を撮りたい」 一緒にディナーを食べながらワガママを言った 最近ちょっとしたことで不安になる。 目の前に確かに幸せがあるのにどこか頼りなく 指の間をスル…

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雨の海

緑の中の露天風呂 さっきまで木漏れ日が降り注いでいた森に一瞬でホワイトグレーの霧が立ち込める。 雨雲は大きなシャワーヘッド 高原の雨は蛇口を全開にしたように降りし…

恋の向こう側

蝋燭の炎が映る瞳に見とれていると だんだんと距離を縮める熱い吐息 なかなか触れない唇に焦れったくなって 私から口づけた。 夢、夢を見ている。 長い間見ていた夢が・…

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友達>恋人

恋は煩わしいと思っても ルーレットは勝手に回りだす パスする余裕も大人の嗜み。 要らぬ傷を増やすくらいなら 友達になったほうがよっぽど健康的 一秒でいいから恋人に…

幸せな淋しさ

いつからだろう。 君の横顔を盗みみる癖がついたのは。 君に嫌われやしないかと言葉を選ぶようになったのは。 一緒に過ごす時間をどれだけ積み重ねても 想いの深さは埋ま…

懐かしさの向こう側

夕暮れの人並みが行き交うアーケード。 目と目が合ったときあなたは一瞬たじろいたように瞳を逸らせたけど私はおもわず声を掛けていた。 4年ぶりかしら? 元気だった? …

二人の恋人

逢えない寂しさなんて感じる暇もなく 野生と知性 優しさと逞しさ 安らぎと危うさ それぞれの輝き 唯一無二の魅力 均衡を保つ愛の熱量 秩序良く宇宙を周回する惑星のよう…

リプレイスラブ

点滅し出すシグナル 渡り損ねたスクランブル 人影まばらな午後のアベニュー 向かいの歩道に立つ人影  陽炎のように立ち上る ずっと片想いしてた遠い記憶 巡る走馬灯 霧…

本当の恋

涙が頬を滑り落ちる。 いつもと変わらない朝食の食卓。 突然のことに父も母も逆に何も聞かない。 恋が終わった。 終わるとわかっていた恋の方が突然終わる恋より厄介だ。…

1

春はゆるやかに

目覚ましより15分も早く起きた新学期の朝。 まだ少し冷たい風を切って自転車を漕いでゆく。 まっすぐに伸びている道の先には抜けるような青空とピンクの桜。 さらに遠くに…

とまどい

重なった唇の感触が嫌だったの。 思っていたのと違ったの・・。 照れたようにはにかみ瞳を伏せるあなた。 戸惑いを隠すように水平線を見つめる私・・・。

私だけの庭

私だけの庭

カフェの中庭には溢れるほどの陽光が降り注いでいる。

この店の中庭には沢山の緑が植えられ11時オープンの前にスタッフが水を与えたのであろう緑の葉には水晶のような水玉が鈴なりなり葉の光を反射してみずみずしく光り輝いている。

その緑の真ん中に二人がけのテーブルが三つ置かれている。

私はその中の一つに腰を掛け運ばれてきたアールグレーのカップを傾けている。

木々は地面から水分をたっぷり吸い込むように

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蒼い朝

蒼い朝

雨が降っていた。

蒼い朝は嫌いだ。

朝はその人の本当の姿をあぶり出す。

だから僕は何かに迷ったときは朝起きた瞬間に思ったことを答えにしている。

ここ数日僕の朝は蒼い。

突然の恋の終わり

あんなに楽しく二人で過ごしていたじゃない。

さっきまで君が座っていた今は誰も居ない空間。
目の前のティーカップからはまだ湯気が立ち上っている。

「何がいけなかった?」
「僕が何かをしたのか?」

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全ては雨のせい

全ては雨のせい

稲光りが青白く光る蜘蛛の糸を空に張り巡らす。

「もうすぐ止むかしら」

誰も居ない寂れた商店街
閉まっている店先の軒下で雨宿りしながら
携帯の天気アプリを取り出そうとしたとき

「ドカンッ!!」

と地響きにも似た大きな音を立てて稲妻が落ちた。
その音に合わせて男の人が私のいる軒下へ駆け込んできたさっきの落雷に驚いて軒の奥へ入っていた私の前にその男性が背中を向けて立っている。

白い半袖シャツを

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消えぬ情熱

消えぬ情熱

夏草の土手の道
胸いっぱいに空気を吸い込んだ
夏の風の中に
懐かしい香りに
思い出した気持ち
きっとあの日が始まり

青空の中に夢中で駆け出す
そこには明日が見える
風を追い越してどこまでも行こう
輝く未来へと歩き出す

川沿いの野球場
手にボール大事に握りしめて
ノックにしがみつく草野球の少年
あの頃の情熱
きっとどこかにあるはず

夏雲広がる空を見上げたら
心に広がる希望
明日へつながる未来へ

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友情試練

友情試練

秘密のキスなら完璧に・・。
油断した途端綻びはじめ
全てが明るみに出るのは時間の問題。

夢の夜につい時間を忘れチラッと盗み見た彼の時計が21時を告げようとしていた。お互いパートナーがいる身でこれ以上は危険領域。ちょっと早いシンデレラリバティ。
切り上げ時が肝心だ。

ここから走れば21時8分の電車に間に合うはず。
飲みかけのワインがグラスの1/3残って真っ白いクロスの上に薄紫のシルエットを揺らし

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遺さなくていいもの

遺さなくていいもの

「二人で写真を撮りたい」

一緒にディナーを食べながらワガママを言った

最近ちょっとしたことで不安になる。
目の前に確かに幸せがあるのにどこか頼りなく
指の間をスルリとすり抜けて行ってしまうのでは無いかと気持ちがザワつく。

たった今幸せと感じていても明日何が起こるか分からない。
来週もまた逢えるとわかっていても
「電話するよ」というようなちょっとした約束でも確約が欲しい。
確かに叶うと保障して

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雨の海

雨の海

緑の中の露天風呂
さっきまで木漏れ日が降り注いでいた森に一瞬でホワイトグレーの霧が立ち込める。

雨雲は大きなシャワーヘッド
高原の雨は蛇口を全開にしたように降りしきっているけれどどこか優しい。

艶めく木々にたっぷりと降り注ぐ銀の雨を見上げているとα波が溢れだす。

雨音はサラウンド
雨が激しさを増すほどに心の海は穏やかに凪いでゆく。
包まれながら周りの音が消え遥かな記憶が雨の海に溶け出していく

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恋の向こう側

恋の向こう側

蝋燭の炎が映る瞳に見とれていると
だんだんと距離を縮める熱い吐息

なかなか触れない唇に焦れったくなって
私から口づけた。

夢、夢を見ている。
長い間見ていた夢が・・。
恋が成就する夢。
でも夢が叶ったら次はどうするの?

そう思ったら一気に覚めた。
唇が熱を帯びる前に
迷わず私は引き返した。

今ならまだ友だちに戻れるだろうか?
こんなに魅力的な男を私は簡単に失いたくはない。

恋が実ってそれ

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友達>恋人

友達>恋人

恋は煩わしいと思っても
ルーレットは勝手に回りだす

パスする余裕も大人の嗜み。

要らぬ傷を増やすくらいなら
友達になったほうがよっぽど健康的

一秒でいいから恋人になりたい。

それよりも
今は

一秒でも永く大切な友達でいてほしい。
一人でも多くの大切な人でいてほしい。

千本ノック  7/1000

幸せな淋しさ

幸せな淋しさ

いつからだろう。

君の横顔を盗みみる癖がついたのは。
君に嫌われやしないかと言葉を選ぶようになったのは。

一緒に過ごす時間をどれだけ積み重ねても
想いの深さは埋まらない。
どれだけ身体を重ね合わせても
君とひとつになることは決して出来ない。

 きっとこれが幸せな淋しさなんだね。

懐かしさの向こう側

懐かしさの向こう側

夕暮れの人並みが行き交うアーケード。
目と目が合ったときあなたは一瞬たじろいたように瞳を逸らせたけど私はおもわず声を掛けていた。

4年ぶりかしら?
元気だった?

他愛のない会話から今のあなたが見えてくる。
溢れる懐かしさを今という時が堰きとめる。
変わらない人など居ない

連絡先は聞かなかったわ。

もう会うことはないかしら?
それとも次に会うときはもっと深く話せる人になっているかしら?
淡い

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二人の恋人

二人の恋人

逢えない寂しさなんて感じる暇もなく

野生と知性
優しさと逞しさ
安らぎと危うさ

それぞれの輝き
唯一無二の魅力
均衡を保つ愛の熱量

秩序良く宇宙を周回する惑星のように。

かけがえのない恋人が二人もいるなんて
とても幸せなこと。

千本ノック   4/1000

リプレイスラブ

リプレイスラブ

点滅し出すシグナル
渡り損ねたスクランブル

人影まばらな午後のアベニュー
向かいの歩道に立つ人影 
陽炎のように立ち上る
ずっと片想いしてた遠い記憶

巡る走馬灯
霧のベールに包まれたように朧に浮かぶ面影
視線を泳がせるようにさりげなく盗み見る
見れば見るほど薄れていた記憶に目の前の顔が重なってゆく

信号が青に変わる

その人がこちらに渡ってくる
目を離せないまま夢遊病者のようにそちらへ歩き出

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本当の恋

本当の恋

涙が頬を滑り落ちる。

いつもと変わらない朝食の食卓。
突然のことに父も母も逆に何も聞かない。

恋が終わった。
終わるとわかっていた恋の方が突然終わる恋より厄介だ。その瞬間までの間に思い出を美しく飾り立てて
振り返ってダイヤの涙を流す。
そしてその思い出をいつまでも美しいまま持ち続けてしまうから。

でも。終わった時に流す涙は全然違う温かい涙だった。
そこには意志は存在せずただひたすらにどんどん

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春はゆるやかに

春はゆるやかに

目覚ましより15分も早く起きた新学期の朝。
まだ少し冷たい風を切って自転車を漕いでゆく。

まっすぐに伸びている道の先には抜けるような青空とピンクの桜。
さらに遠くには菜の花の黄色がまだ白い冠をかぶっている山々をバックに揺れている。

去年まであんなに遠かった君。

席が隣になったんだ。
少し話すようになったね。

日ごと新しい君を知っていった。
根雪が溶けるように春は静かにゆるやかにやってくる。

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とまどい

とまどい

重なった唇の感触が嫌だったの。
思っていたのと違ったの・・。

照れたようにはにかみ瞳を伏せるあなた。
戸惑いを隠すように水平線を見つめる私・・・。