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蒼い朝

雨が降っていた。

蒼い朝は嫌いだ。

朝はその人の本当の姿をあぶり出す。

だから僕は何かに迷ったときは朝起きた瞬間に思ったことを答えにしている。

ここ数日僕の朝は蒼い。

突然の恋の終わり

あんなに楽しく二人で過ごしていたじゃない。

さっきまで君が座っていた今は誰も居ない空間。
目の前のティーカップからはまだ湯気が立ち上っている。

「何がいけなかった?」
「僕が何かをしたのか?」

答えが欲しくて何度もスマホの君の番号を画面に映し出す。

でももうかけることは出来ない。
繋げることは出来ない。

堂々巡りの答合わせを繰り返すうちに窓には蒼い色が広がり始める。

「来たな」

恋に破れた亡者が迷い込む蒼い朝。

ああ、また答のない迷宮に迷い込んでしまった。

辛すぎて泣くことも出来ずただ蒼い色に包まれてベッドにくるまってじっと朝を待つ。

朝の色は自分の本当の姿を映し出す。

こんなに悲しい色なのにどうしようもなく美しい。

でも僕は知っている。

悲しい美しさは甘美で冷徹な蒼い海。。

明日へ歩き出す気力を奪い去っていく。

部屋を包む透明でもの悲しい蒼い色。

午前4時。

早く光の降り注ぐまぶしく暖かい朝を連れてきて。


千本ノック    14/1000

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