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臨床心理士への随録

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大学院入学から臨床心理士になるまで/2018.3-2020.12/心理学/臨床心理学/臨床心理/臨床心理士/公認心理師/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント/心理カウンセラー…
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2019年7月の記事一覧

「心理カウンセリングの終結」 臨床心理士への随録 心理学

「心理カウンセリングの終結」 臨床心理士への随録 心理学

どんな状態になれば、心理カウンセリングは終結となるのだろう。

精神疾患を負っている人に対しては「症状が再発しない状態になること」だと思ってスーパーバイザーに尋ねたところ、

「症状の再発、それ自体は悪いことじゃない。もちろん再発しないに越したことはない。再発する可能性はどこまで行ってもゼロにはならない。だから、再発時に今までとは違う対処ができるようになること。それがカウンセリングのひとつのゴール

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「あの夏に乾杯〜お酒の話〜アルコール依存症まで」 臨床心理士への随録 心理学

「あの夏に乾杯〜お酒の話〜アルコール依存症まで」 臨床心理士への随録 心理学

アルコール依存症について書こうとPCを開いたのだが、投稿コンテスト「#あの夏に乾杯」を見てエントリーしたくなったため、お酒にまつわる楽しかった体験談を交えつつ、強引に繋げてみようと思う。

私はお酒が好きだ。ただし量は飲めない。口を付けるとすぐに顔が紅らみ、3杯も飲めば間も無く限界が訪れる。私のアルコール免疫は生得的に低く、20代は缶ビール一本も空けられない程。だから酒宴の席で心配されることはあっ

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「パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか」岡田尊司著 臨床心理士への随録 心理学

「パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか」岡田尊司著 臨床心理士への随録 心理学

「心に残っている映画を3本挙げよ」と問われたら、19歳の頃に観た「ギルバート・グレイプ」を出さないわけにはいかない。ジョニー・デップ演じる主人公がとらわれから一歩踏み出す物語なのだが、主人公自身も依存性パーソナリティ障害でイネイブラーの設定だったとは、この本を読むまで気がつかなかった。

パーソナリティ障害の問題は、うつ病・自閉スペクトラム症・引きこもり・依存症などとの合併も多いが、基本的にそれ単

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「カウンセリングの正しい料金」 臨床心理士への随録 心理学

「カウンセリングの正しい料金」 臨床心理士への随録 心理学

心理カウンセリングの料金は一律ではない。法で定められている訳でも、協定がある訳でもない。未統制な日本の心理の市場よろしく、今は施術者が自由に決めることができる。大事なのはクライエントの効果に繋がる金額設定であることだ。

ひとつ判っていることがある。無料はよくないということだ。心理カウンセリングとは、クライエントが自らの力で心理的困難から回復するための援助行為である。主役はクライエントであり、そこ

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「ケースカンファは振り返る機会」 臨床心理士への随筆記録 心理学

「ケースカンファは振り返る機会」 臨床心理士への随筆記録 心理学

大学院では毎週、ケースカンファレンス(事例検討会)が開かれます。取り上げられる現在進行中のケースには生々しいリアリティがあり、院生にとっては貴重な勉強の場になっています。

昨年は先輩方の報告を聞き、複数人で行う討議を通して、見立てや支援の方法などを学びました。自分自身の偏りを知り、自分とは違う他者の視点を知りました。

先日は報告者として登壇してきました。自分が担当させてもらっているケースの、概

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