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毛布の海に溺れて


午後二時、窓から差し込む日差しを浴びながら、布団でゴロゴロしていた。


左手にスマホを持って、なんとなく、noteを開いたり、YouTubeを見たり。


視線が、スマホから少しズレた左側に動いた。

その瞬間、空気中には、きらきらとした小さな小さなホコリが静かに舞ってゆれていた。


きれいだ。


見惚れてしまう。


なんとなく、今日の日差しにいつもと違うエネルギーを感じ始める。

スマホのカメラを起動し、差し込む日差しを写してみる。

まるで巨大アメーバのような光が、大きく円状に広がって、部屋中に充満していた。


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毛布の海に溺れて、アメーバのような光に照らされている。


そんな実感とともに、少し焼けるようなピンとしたハリのある感触が、わたしの肌を透過してゆく。


カメラは肉眼では見えないものを、こうして写して見せてくれることがある。


少しの間、そのままで、光とひとつになる。


それからまもなくして、もう一度、空気中に漂うきらきら光るものを探してみる。


さっきあんなにもはっきりと、わたしの目の前を泳いでいたオーロラのきらめきの粒は、どれだけ目を凝らしても見当たらない。


もう一度、カメラを起動して、画面に日差しを写し込んでみる。


ホコリと同様、円状に広がる光は、もうそこには写っていない。


なぜだろう。


そして気が付いた。


そこに何かを見ようとする時、もうすでにそこには何もないということに。


何も見ようとしていない視線の先にだけ、見えるものがあるということに。


それが、本当に今、そこに在るもの。


純粋なわたしであり、あなたの光なのだ。



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