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障害のある子が”大人になって”も、そして”親なきあと”になってからも安心して暮せるように、「将来への準備」をご家族と一緒に考えてサポートする相談室「ココらぐ」を運営するファイナンシャル・プランナーです。https://cocoragu.website

最近の記事

障害のある子の成年後見人を選ぶときのポイント

いつかは頼らざるを得ないであろう成年後見人を選ぶ際の重要ポイントについて考えていきたいと思います。 法定後見においては、成年後見人は裁判所が選任しますで、自分で選ぶことはできません。ただ、候補者を立てることはできますので、ここでは候補者を選ぶ際のポイントと考えて下さい。 成年後見人の役割成年後見人を選ぶ際に注意すべきポイントを考える前に、後見人の役割について整理してみましょう。 成年後見制度とは、知的障害・精神障害・認知症などで、ひとりで決めることに不安や心配のある人が

    • 障害のある子の成年後見人に誰がなれるの?

      法定後見では、家庭裁判所に成年後見制度利用の申し立てを行うと、裁判所が後見人を選任します。あくまでも決めるのは裁判所ですが、申し立てにあたって候補者を立てることができます。候補者を立てないと裁判所に丸投げになってしまうので、候補者はとても重要です。 後見人は弁護士や司法書士などの専門家に限らず、親族や第三者など誰でもなることができます。(未成年者、本人と対立している人とその親族、破産手続き中の人、過去に後見人を外された人などはなれません。) また、財産管理は弁護士や司法書

      • 障害のある子にとっての成年後見制度の概要

        成年後見制度とは、知的障害・精神障害・認知症などにより、ひとりで物事を決めることに不安や心配のある人が、お金の出し入れや様々な契約・手続などをするときに、本人に代わって後見人と呼ばれる人が行う制度です。 障害があり、ひとりで物事を決めることに不安や心配のある人にとって、成年後見制度は非常に頼りになる存在です。一方で、成年後見人による横領のニュースを聞いたり、親が自由に子どものお金を管理できなくなることなどから、制度の利用に不安があり、なかなか踏み切ることができない人が多いの

        • 障害のある子 - 親なきあとのお金の管理は誰がする?

          障害のある子のお金の管理は、親が子どもの代わりに行っていたり、管理を手伝ったりしていることが多いと思います。子どもが自分一人ではお金を自由にかつ安全に使うことができない場合は、親なきあとに備えて、お金を管理する手段を考えておく必要があります。いくらお金があっても自分のために、かつ安全に使うことができないと意味がありません。 お金を管理する手段にはどのようなものがあるでしょうか? 金銭管理がある程度できる人は、大きなお金を持つ代わりに、「定期的にお金が入る仕組み」をもつこと

        障害のある子の成年後見人を選ぶときのポイント

          知的障害がある人の日中の暮らしと収入

          知的障害のあるお子さんが、大人になってからどのような仕事や日中の暮らしをして、収入はどの程度あるのかなどを気にされている親御さんは多いと思います。 皆さんご自分に合った様々な暮らし方をされているのですが、今回は代表的な暮らし方と平均的な収入について紹介したいと思います。将来を考える上での参考になれば幸いです。 日中の暮らしと収入代表的な日中の暮らし方を大きく分けると以下の3つになります。もちろんこれ以外の暮らしをされている方もたくさんいらっしゃいますのであくまでも参考例です

          知的障害がある人の日中の暮らしと収入

          障害のある子の親が遺言を考えるときのポイント

          前回の記事では、障害のある子の親は”とりあえず”遺言を書いておいた方がいいことを書きました。今回は、遺言を考える上でのポイントをいくつか紹介したいとおもいます。 遺留分に注意例えば、障害のある子にたくさん遺産を残してきょうだいには少し我慢してもらう場合や、逆に、きょうだいにたくさん残しておいて、必要に応じて障害のある子のために使ってもらうなど、きょうだい間等での遺産配分を均等にしたくないときなど、法定相続分と異なる遺産配分とする際は「遺留分」に注意する必要があります。 「

          障害のある子の親が遺言を考えるときのポイント

          成人した障害のある子を持つ親は”とりあえず遺言”を書いておこう

          障害のあるお子さんが成人している場合、親御さんは”とりあえず遺言”を書いておいた方がいいと思っています。 遺言がないと思わぬ事態に...親に万一のことがおきた場合、遺言がないと、子どもの判断能力が十分でない場合は相続手続きのために成年後見人をつけないといけなくなる可能性があります。実際、障害のある人が成年後見制度を利用するきっかけで最も多いのが相続です。 成年後見制度は一度利用するとやめることができないため、たとえ子どものためであっても親の意思で子どものお金を自由に使えな

          成人した障害のある子を持つ親は”とりあえず遺言”を書いておこう

          障害のある子に大きなお金を残すときは安全な方法で

          お金を安全に残したい 自分で買い物ができるなど、ある程度の金銭管理ができる子どもにまとまったお金を残したいと思っているものの、大金を手にして浪費や詐欺に会わないか心配、との声を聞きます。実際にそのような事例が散見されるのは事実なのです。そのような心配をしなくても済むように、今回は、まとまったお金を安全に残す方法を紹介したいと思います。 大きなお金を残す場合は、“信託”と呼ばれる仕組みを使うことで安全にお金を渡すことが可能です。信託を使うと、まとまった金額を一度に渡すのではな

          障害のある子に大きなお金を残すときは安全な方法で

          障害のある子の「親なきあと」に向けてゆっくり考えていけばいいこと

          「親なきあと」に向けて「親あるあいだ」にできる準備はたくさんありますが、ほとんどのことは一朝一夕にはできないものです。焦る必要はないので、頭の片隅に置きながら、何年もかけてゆっくり・じっくり考えて取り組んでいけばいいことがほとんどです。 ここでは、その中でもコアとなる点の概要について紹介したいと思います。それぞれの詳細については別の記事で紹介していきたいと思います。 子どもが「親なきあと」も困らないために信頼できる”支援の輪”を考える お金を残すことも大事ですが、それより

          障害のある子の「親なきあと」に向けてゆっくり考えていけばいいこと

          障害のある子の親が今やるべきこと

          障害のある子の親が、「親なきあと」に備えて準備した方がいいことはたくさんありますが、ほとんどが焦らずにゆっくり考えながらやればいいものです。しかし、早目にやっておいた方がいいことがいくつかあります。ここでは、”今やるべきこと”について、①親御さんに万一のことが急に起きた場合に備えてやっておいた方がいいことと、②子どもが学齢期のあいだにやっておいた方がいいことに分けて触れたいと思います。 親の急な万一への備えとしてやっておくこと想像したくありませんが、親が若くともいつ何が起こ

          障害のある子の親が今やるべきこと

          障害のある子には必要以上のお金を残さない

          必要以上に残すと思わぬ結果が十分に働くことができない障害のあるお子さんに、できるだけたくさんのお金を残してあげたいと思う親御さんは多いと思いますが、自分でお金をしっかり管理できて、自分で自由にお金を使うことができるお子さん以外は、以下の理由から必要以上に多額のお金を残さない方がいいと思っています。 浪費や詐欺に会うリスク お金の支払いや銀行預金をおろすことなどを自分一人でできる人にとっても金銭管理は案外難しいものです。 驚くような金額を、驚くようなこと/モノに使っている

          障害のある子には必要以上のお金を残さない

          障害のある子に残すべきもの

          お金より大事なものとは?障害のある子にお金を残すことを考える親御さんは多いと思いますが、実は子どもに残すべきもので、お金よりも大事なものがあります。それは信頼できる「支援の輪」だと考えています。 「支援の輪」とは? 「支援の輪」とは、子どもの苦手なところを補って手助けをしてくれる人たち、つまり支援者に囲まれている状態のことです。 日中活動場所のスタッフ、グループホームのスタッフ、計画相談事業所の相談員、成年後見人、余暇活動の場の人々、職場の人々、近所の人々、きょうだい、

          障害のある子に残すべきもの

          障害のある子に残すお金

          障害のある子にいくらお金を残せばいいのか? 障害のある子どもにいくらお金を残せばいいか?との疑問は多くの親御さんが持たれますが、「●●万円残せば安心」との簡単な答えはなく、”人による”と言う答えになってしまいます。 いくら残せばいいかは、子どもの収入と支出によりますが、どちらも人によって大きく違います。収入は障害基礎年金の有無、就労の有無、就労先などによって大きく変わってきます。支出は主に住むところと趣味・価値観によって大きく違ってきます。また、かなり先の話ですが、お子さん

          障害のある子に残すお金

          「親なきあと」の安心を、「親あるあいだ」に準備する

          障害のある子を持つ親にとって、「親なきあと」に関する不安・心配は尽きません。何かをしておくべきとは思っても、何をすればいいのか、何から手をつけるべきか、こんなことを聞いた、あんなことも聞いた、何を信じればいいのだろう、、、と、不安は募るばかりです。 「親なきあと」に向けた準備で「正解」と呼べるものはないかもしれませんん。いくら考えても将来のことはわかりません。状況も変わります。それでも、できる範囲で最低限のことをしておけば、最悪の結果は防げると信じています。願わくば、親と過

          「親なきあと」の安心を、「親あるあいだ」に準備する

          執筆者について

          障害のある方のための独立系ファイナンシャル・プランニング事務所 Osaifu(おさいふ)を営みながら、自身も障害のある子を持つ親として、同じような不安・悩みを持つ方々の一助になればとの思いで‟親なきあと”相談室「ココらぐ」をボランティア活動として運営。 ダウン症の息子が生まれたとき、ある人から「親としてできることはお金をたくさん残してあげることだね。」と言われ、また別の人からは「福祉がしっかりしているから1円も残さなくても大丈夫、全部使いなさい。」と言われ、何を信じていいか

          執筆者について