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障害のある子に残すお金

障害のある子にいくらお金を残せばいいのか?


障害のある子どもにいくらお金を残せばいいか?との疑問は多くの親御さんが持たれますが、「●●万円残せば安心」との簡単な答えはなく、”人による”と言う答えになってしまいます。

いくら残せばいいかは、子どもの収入と支出によりますが、どちらも人によって大きく違います。収入は障害基礎年金の有無、就労の有無、就労先などによって大きく変わってきます。支出は主に住むところと趣味・価値観によって大きく違ってきます。また、かなり先の話ですが、お子さんの老後資金が必要になるかもしれません。

子どもの将来のお金が足りそうか、足りなさそうかについて、おおよそでいいので一度考えてみると心のモヤモヤが少しすっきりするかもしれません。また、収支を考えてみることで、必要以上のお金を残さずに済むかもしれません。お金を多く残すことで安心できるかもしれませんが、必要額を大きく超えるお金を残すと無駄金につながりかねません。お金を残すことも大事かもしれませんが、ご家族の良い思い出を残すためにお金を使うことも重要と考えています。

お金を残すだけでは不十分


お金を自分で判断して使うことができない子どもの場合は、単にお金を残すだけでは不十分と言えるでしょう。自分のために使うことができないと意味がないからです。
お金を安全にかつ自分のために使うことができるような仕組みを残すことが必要です。成年後見制度や日常生活自立支援事業などの社会資源の活用、家族信託や生命保険信託など信託の利用などでお金を管理することが考えられますが、どのような仕組みを使うべきかは、人によって違います。これについては別の機会に詳しく触れたいと思います。

1円も残さなくても大丈夫?

障害のある人には公的な保障があるから1円も残さなくて大丈夫、との声を聞くことがあります。私も役所に勤める人からそのように言われたことがあります。はたして本当でしょうか?

障害のある人には障害基礎年金や障害福祉サービスをはじめとした様々な公的サポートがあります。公的なサポートだけで足りる人もいますが、公的なサポートだけでは収支が赤字になる人が多いのも現状です。
ただ、就労等による収入を増やすことができずに生活に困窮しそうな場合には、セーフティーネットとして最低限度の生活を保障する生活保護があります。
子どもが最低限度の生活で満足できるのであれば、1円も残さなくてもお金についてはなんとかなると言えるでしょう。ただ、子どもが自分で生活保護の必要性を発信できない場合などは、申請手続等を手助けしてくれる人が必要でしょう。また、お金はなんとかなったとしても、日々の暮らしのサポートをしてくれる人がいないと困ってしまうかもしれません。

お金を残すことも重要かもしれませんが、信頼できる支援者達に囲まれる「支援の輪」を残すことが何よりも重要と考えています。


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