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エッセイ#05 両親からのプレゼント 「無限の可能性」

帰国していた日本から、アメリカに戻ってきました。

桜が咲く時を、日本で過ごすことができて、大満足。

それに、3年ぶりに誕生日を家族と過ごせたのも、大切な思い出になりました。

両親は、お誕生日ケーキもしっかり用意してくれて、三十路を過ぎた娘も、彼らにとっては「こども」なんだなぁーと。

ほっこりするような、照れくさいような気持に。笑

そしてなにより、
両親が用意してくれたプレゼントが、本当に嬉しかった。

お誕生日ケーキのロウソクの火を吹き消すと、おもむろに差し出されたプレゼント。

驚きながらも、
渡された箱を手元でゆっくり開くと、

時が止まるような、静かな感動が広がりました。

二人が用意してくれたのは、ボールペン。

私がいつか欲しいと思っていたものでした。

昔から書くことが好きで、いつもノートに向かって何か書いていた私。

アメリカに移住して、フリーランスとして色んな職種に挑戦したけれど、

やっぱり、
自分が好きな「書くこと」「言葉」「表現」を仕事にしていこうと決めて頑張っている私への

応援歌のようなプレゼント。

色んな感情が込みあがって、言葉が見つからないでいる私に、父がこう言いました。

「そのボールペンには意味があるんだよ。」

「そのブランドのボールペンには、一本一本に意味があるらしいんだけど、

その意味を聞いた瞬間、お母さんがこれにしようって。」


ー 無限の可能性 ー

それが、
私の手のひらの上でキラキラと輝く、シルバーのボールペンに込められた意味だそう。

「溢れる才能をどんどん開花してね!」

どんな時も私を信じ続けてくれた
母の言葉が今でもこだましている。


このボールペンを見ると、なぜか、父と母が二人でボールペンを選んでいる姿が目に浮かぶ。

私のために、文具屋さんに足を運び、

優柔不断な母と、即決派の父が、肩を並べて、あーでもないこーでもないと、ショーウィンドウを眺めている姿。

私のことを思いながら、「無限の可能性」という意味がこもったボールペンを選んでくれた。

プレゼントの背後にある二人の愛情が何より嬉しいのです。


私は両親が若くして生まれた。

まだ若くて全てに必死だった両親と、
たくさんの壁にぶつかってきた道のりは、簡単ではなかった。

けれど、

今、こうしてどんな時も、
遠く離れた故郷から、私を思ってくれていること。

それが、私にとって十分過ぎる愛情のカタチで、
ふるさとのカタチ。


このボールペンを見た瞬間、
「もう逃げない」と心に誓った自分がいた。

自分の可能性から、もう逃げない。

このボールペンは、生涯お守りとして、私のそばにあり続けるだろう。

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