【シンカケイコウホウ】Vol.3「今どきの広報とは何か」を模索する(その2)
こんにちは。クロスメディアグループの濱中です。
「シンカケイコウホウ」という連載を始めて今回はその第3回目です。
本連載は、私濱中が日々の活動を通して、自社に合った広報モデルをつくり、これまでにない広報スタイル「シンカケイコウホウ」を体系化するためにスタートしました。リアルな体験をもとに綴っていきますので、皆さんの日々の活動や考え方の参考になればと思います。
前回の記事では、広報一年目に一般的な広報について学ぼうと情報を集めた結果、「違和感」が残ったという話をしました。
前回の記事はこちら▼
https://note.com/cmg_hamanaka/n/n70aa6579e76a
今回は、その一般的な広報発信に対する「違和感」を覚えて、より個人的でパーソナルな広報発信でオリジナルな広報を目指したお話しをしたいと思います。その結果「シンカケイコウホウ」の方向性に気づくことができたので、ぜひ今回も最後までお読みください。
「ノーマルな広報」への違和感から「パーソナルな広報」を研究し始める
大企業の広報部やPR会社の広報発信スタイルについては、色々な本やWebメディアで紹介されています。そんな「ノーマルな広報発信」を学べば学ぶほど、なぜか「違和感」ばかりが募りました。
簡単にいうと、当社の広報活動としては合わないと思ったのです。
その「違和感」は「ノーマルな広報発信」が、
・時代に合っていない(ことがある)
・スピード感をもってアグレッシブに発信できない
・人間味や個性がない
・発信の内容や過程に柔軟性がない
ように感じたからでした。
特にクロスメディアグループのようなベンチャー企業の場合、「ノーマルな広報発信」をしていると、成長速度が上がらないように思いました。
時代に合わせること、スピード感や柔軟性をもって発信していくこと、個性で勝負していくことが何より大事なのではないかと感じた私は、広報の個人発信を強化するべきだと思い、「パーソナルな広報」について研究し始めました。
実際、多くの中小企業やベンチャー企業は人事担当や広報担当が自分の個人のSNSアカウントで会社のことを紹介していたり、個人のキャラクター性を大事にしながら発信されています。「パーソナルな広報」を上手にすることで、採用活動がうまくいった人や会社の認知度が上がった事例なども、ブログ記事などで沢山よみました。
誰もが情報発信をすることができる時代、人事や広報担当が自由にSNSで自社のことについて発信することは不自然なことではありません。
私も10代後半からSNS発信をするのが当たり前の生活を送ってきており、人と会話するような感覚でSNSを使ってきました。
だからこそ、「パーソナルな広報」を取り入れるのは、私にとっては非常に簡単なことでした。
一方で、確かに時代に合った手軽で効果の期待できる発信方法ではありますが、そこにリスクも多くあることに気づきました。
「パーソナルな広報発信」のデメリット
「パーソナルな広報」は、一見、アグレッシブで高頻度で、かつ柔軟性に富んだ発信ができるように思います。
しかし、そのぶん思いつきレベルで発信してしまったり、経営理念や企業カルチャーをあまり重要視した発信にならないことがあります。また、スピードと柔軟性を重視するあまり、ターゲットが曖昧なまま発信してしまうこともあります。これではいくら高頻度で発信したとしても、届けたい人に届けることはできません。
また、信頼性という側面でも、「パーソナルな広報」は個人的な意見にもとづいた情報発信になってしまったり、不定期な更新になりがちです。「ノーマルな広報」と違って、「オフィシャル」な発信ではないと受け止められてしまうことがあります。会社や社長の代弁者であるべき広報が、一個人の発信を続けて、仮に個人のファンが増えたとしても、会社の成長に直接つながるとはいえません。それは、会社の目的(経営理念)にそっていなければ、広報発信が会社のブランディング効果につながることはありませんし、むしろブランディングの逆効果になることもあります。
たとえ、人間味やキャラクター性を出すことで広報担当に対して親近感をもってもらうことができたとしても、目的が何かと考えたときに「会社や広報担当者に親近感をもってもらうことなのか」、しっかり見極める必要があるように思いました。
「パーソナルな広報」を実践してみて気づいたこと
自分の名前で発信することは勇気が必要です。正義感の強い広報担当者ほど、自分の個人アカウントで熱い内容を、自分の言葉で発信しがちです。これはとても良いことだと思います。
私自身も「パーソナルな広報」を研究する中でそのような広報担当者に負けないように自分らしく発信していこうと思った時期がありました。
そんな中、自分自身が「ひとり走り」してしまっていないかと、有難いことにそのような問いかけをするきっかけになる出来事がありました。
「広報」=「広報担当者」ではなく、「広報」=「会社・社長の代弁者」であること。
あくまでも経営理念を軸にして、目にみえないもの(商品・サービスにこめられた想いや企業カルチャーなど)を社内外に浸透させるべく、発信していくこと。
「ノーマルな広報」に対する違和感から、「パーソナルな広報」を実践したからこそ、もう一度大事なことを再認識するに至りました。
次回は、「ノーマルな広報」でも「パーソナルな広報」でもない、これから目指すべき「オリジナルな広報」について、これまで話した内容をまとめて3つを比較しながらお伝えしたいと思います。
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