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私を私たらしめる暮らし

長期休暇を前にして皆気持ちが抜けてしまったのか、昨日の仕事は平和そのものだった。あまりにもいいお天気だったというのもあるかもしれない。

朝イチの会議を終えて、洗濯物を干す。5月の企画の段取りをしたあと、トイレ掃除を済ませた。テレワークの日は「業務」と「生活」を行ったり来たりする。ルール上それでいいのかはさておき、暮らしを整える時間があることはなにより心が穏やかになる。荒んだ部屋では些細な事に鬱々としてしまう。不器用な私に手の届く範囲で、息苦しくならない程度に、しゃんとした生活を設える。

窓を開けたままにした。昨日までの冷え込みが嘘みたい。キャミソール、瞬く間に乾いたらしい。音楽を携えず、お昼ご飯の買い出しでコンビニへ出かけた、私にはとても珍しいこと。手間を惜しまない人のVlogに、夕食のアイデアをもらう。

そうやって、4月最後の平日の半分を過ごした。残りの半分は役所で手続きをしたり習い事へ向かったりした。ヘルプを求められ、調子の優れない子にも会いに行った。うわ言を何度も繰り返す彼女が、ふと我に帰った瞬間があった。「あーー、Lucyちゃんだ…Lucyちゃんだーー…」ずっと探していたものを見つけて安心した時の顔で泣いていた。"淡々とした、突き放さない寄り添い"が私のベースだけれど、ぐっと込み上げるものがあった。いるよ、ちゃんと近くにいるからね。

電車に揺られて帰った。とてもとても眠たかったが、嫌な疲れはどこにもなかった。私はただ自分の暮らしを端から端までやりきったのだ。満たされている。心が跳ねたりぐらついたりしても、自分を身失わなければどんな時だって大丈夫でいられる。その基本が、私にとっては「自分らしい生活を送ること」なのだ。ゆたかさの尊重を諦めない。時間に追いかけられても、タスクに目が回っても、譲らず守りたいといつも思っている。そしてこれからも、そうでありたい。

休暇明けに待つ諸々に少し怯えている。迎え撃てるほど自信がない。春から初夏への移り変わりを窓から入る風に感じて、なんとかなるかと自分を宥める。今までもなんとかなってきたじゃない。鎖骨の間に手を置いて深呼吸。今日は眠ろう。束の間の休憩に、ひとまず安心をして。

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