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PR界隈でよく聞く「認知獲得」を深堀してみた!~売上から逃げないPR施策の考え方~

◆この記事が必要な方はこんな方

ー PRやメディア掲載は「認知の獲得」と答えたことがある人
ー 認知の獲得なので、直接的につながらなくてもよい、と考えている人
といった、認知をぼんやり使ってしまっている人必見です。

認知獲得、の目的設定は危険です

目の中に入ったらそれはもう認知です。が…

みなさんこんにちは。と、その前に。
今回この記事を読む前に、過去書いた以下2つの記事読んでいただいたほうが理解早いかもしれません!後ほどまた戻ってきてくださいね。

さてさて。
みなさんは、プレゼンテーションという意味でのPR活動、ならびに、パブリックリレーションズにおけるメディア掲載の目的を聞かれたら、どう答えるでしょうか?
私は過去数百社にこの質問をしてきましたが、大体の人がこんな感じで答えます。
「認知獲得です」と。

この記事でも書いたのですが、ほんとにこの手の回答が多いです。この時は、メディア掲載は、マーケティングファネルのいろいろなところに活用できますよ、認知獲得の段階だけじゃないですよ、という話をしましたが、とはいえ、認知獲得というフェーズは少なからずとも存在します。そのあたりをPRプランナーなりに少し紐解いてみたいと思います。

ぼんやりしない認知獲得設計

広告をたくさん出稿し、たくさん宣伝できる企業は、そもそも認知獲得というフェーズがあっても良いかなと思っています。国民的アイテム、国民的サービスになるために、たくさん認知を獲得する必要があるからです。ですがどんな商品・アイテムもそうかというと、そうではありませんよね。広告予算が少なく、PR施策を重心を置かなければならないからこそ、ぼんやりした認知獲得は、もったいないなと感じています。

WHO|WHAT|HOW

ご存じの方も多いかもしれませんが、認知獲得というフェーズでPRパーソンがまずこの3つで整理して考えます。単に「認知を獲得したい」「知られていないからまずは知ってもらいたい」ではなく、ポイントは思ってもらい方まで設計するということです。つまり、

WHO:だれの
WHAT:何が
HOW:どのように

で整理をしていきます。
広告予算もたくさんかけられないタイミングは、一つ一つの口コミやメディア掲載が大事な時こそ、限られた予算と時間を有効活用するために、一つ一つの細部まで大事にし、認知から検討までできるだけ一気に進めていきたいですよね。

ですので、知ってもらうだけではなく、誰にどんなふうに知ってもらうと売上に寄与するのか?まで丁寧に考えていきましょう。なお、メディアに掲載してもらいたい!という方の相談で最も抜けている気がするのはこのあたりです。パブリシティは、メディアがゼロ円で解放している広告枠ではありませんので、企業が載せたい内容を載せてくれる場所ではありません。商品力はもとより、その伝え方がとても重要になってきますので、ぜひこのあたりは情報のチューニングをしていきましょう。

認知獲得の設計

先ほどのWHO|WHAT|HOW、実はちょっと省略しているものがあります。特にWHATとHOWです。説明しやすいように省略したのですが、これだと難しい気もするので、追記します。実際は、

for WHOm |誰にとっての
WHAT thoughts |なんの考えが
HOW change|どのように変化するか

です。英語にすると、Whose thoughts about what change and how?
となります。聞いたことある方もいるかと思いますが、PRや広報活動は「思考の変換」「態度変容」を目標に考えるとよいと言われています。それをちょっとカッコよく言った感じです。知ってもらうことだけのゴールよりも、ずっと解像度が上がると思いませんか?

設計例と、注意すること

これ、ともすると、「30代くらいの女性に自分たちの商品があるということを知ってもらう」みたいな目標建ててしまうこともあるかもしれませんが、そうではありません。感覚的には、マイナスがゼロになるだとか、マイナスがプラスになるだとか、丸であると思っていたものが三角に変化する、のようなイメージです。難しいですね?ここで目標として設定すべきは、知ってもらうではないのです。知ってもらう、はすなわち認知なので、結局認知獲得です、から脱してません。知ってもらう、を細かくしていくことが今日のポイントです。

つまりこうです。
「イアフォンは耳の中に入れるタイプが常識だと思っている人に、耳が疲れて難聴になるかもしれない、というプレッシャーを与え、買い替えるチャンスを作り、骨伝導イアフォン(イヤーカフ型イヤフォン)の良さに気づいてもらう」
とか
「ハンバーガーはジャンクフードの極みだと思っている人に、実はハンバーガーは栄養バランスがよいという事実を理解してもらうことで、ハンバーガーの喫食機会を作る」
とか
「人が作った見積書のほうが気持ちが伝わる、と思っている熱血系営業部長さんに、どう作ったかではなく早くくれるほうが受注率が上がる、といった調査データを通じて、お見積書作成DXサービスを導入すると売り上げが上がるイメージを醸成させる」
とか。
このくらいの粒度で考えられるとよいです。この考え方はかなりクリエイティブ思考が必要とされますし、世の中の観察力や想像力を必要とします。ぜひ鍛錬してみてくださいね。

目標設定は、態度変容を意識して

初めにめちゃくちゃかっこよく書いたのですが、つまりまとめると、「こんな風に勘違いや固定観念を持っている人が、自分たちのこんな情報を出すことで、こんな風に考えを改めてもらいたい」が基本形になります。これをしっかり考えていくと、PR施策や広報活動の中身がもっと濃くなること間違いなしです。PRや広報活動は、認知が目的です。というあいまいな目標設定から脱して、ぜひ一段上の活動を心がけてみてくださいね。
そんなこと言っても思いつかない!壁打ちしたい!一度自分たちの商材でワークショップをしてみたい!という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。


私のプロフィール

リクルート関連会社で求人広告の企画営業、カフェプロモーションの企画制作会社でのシニアアカウントエグゼクティブを経て、ブランドプロデュースカンパニー株式会社マテリアル入社。化粧品/日用品メーカーの新商品販促企画、PRディレクションを経験。クリエイティブやプロモーションと連動したPRコンストラクチャーを得意とし、PRに紐づくクリエイティブディレクションも行う。現在新規事業を推進するため、株式会社CONNECTED MATERIALに出向し、広報とメディアとのマッチングプラットフォーム「CLOUD PRESS ROOM」のカスタマーサクセス責任者、広報アドバイザー、PRプランナーという複数の顔つきで従事。

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