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「企画の目利き力」を磨く、本との付き合い方/編集者の言葉#2

古今東西の編集者の名言から仕事のヒントを学ぶ「編集者の言葉」。第2回目は、雑誌「ケトル」の編集長で「本屋大賞」の立ちあげに携わった嶋浩一郎さんの言葉から、本との付き合い方について学びます。

「つまんねー、これ」という体験は、一見無駄なものですが、そういう経験をしていかないと本当にいいものはわかりません。失敗することを避けていると、判別する能力が育たないので、最終的に人の評価に頼らざるを得なくなってしまいます。/

『なぜ本屋に行くとアイデアが生まれるのか』

編集者にとって必要不可欠なもの、それは好奇心です。「なんだこれ、おもしれー」という好奇心があるからこそ、楽しみながらインプットが進むし、そこからいいアウトプットも生まれる。

ある意味で好奇心は編集者のエンジンであり、大事な財産といえます。

そして、もうひとつ編集者にとって大事なもの、それは企画の目利きです。おもしろいものを見つける嗅覚と言ってもいいでしょう。これを磨くのに大切なのが、「つまんねー、これ」という経験なわけです。

誰だって好き好んでハズレは引きたくありません。ただ本というものは、嶋さんが本書でも語ってらっしゃるように「読んでみるまでおもしろいかどうか、そこに書かれた情報が役立つものかどうか、そもそもそれが探していた目的の情報であるのかどうかさえわからない」ものです。

そんななかで企画の目利き、おもしろいものを見つける嗅覚を磨くには、ともかく好奇心の赴くままに本を読んで、肌感覚で「なにがおもしろいか」「なにが新しいか」「なにが役に立つ情報なのか」をつかんでいく。それが大事です。

「つまんねー、これ」と失敗しながら、おもしろいものを見つける嗅覚を育てていく。そうやって育てた嗅覚が企画の目利きに効果を発するし、自分独自のモノの見方や考え方につながっていくように思います。

また、ハズレ本については「何が、この本をつまらなくしているのか」を分析することで、自分の本作りにも活かせます。

「企画とはすでにあるものの組み合わせ」とよく言われますが、自分の好奇心を放牧させて本を読んでいる人ほど、嶋さん言うところの「想定外の組み合わせ」ができ、ひいては新しいアイデアを生み出すこともできるようにも思います。

最後まで読んでくださりありがとうございました。
よい一日を!



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