mizu_sen@塾講師

神奈川の西の方で塾の先生をやっています。専門は、英語と国語です。不確実な時代を生き抜く…

mizu_sen@塾講師

神奈川の西の方で塾の先生をやっています。専門は、英語と国語です。不確実な時代を生き抜く思考力と、社会と調和する共同体感覚を持った子を育てていきたいです。

マガジン

  • アドラー心理学

    勇気づけの心理学、アドラー心理学に関連する記事を集めています。

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    現代に必要とされる探究学習。その方法論だったり、有効性について書いていきます。

記事一覧

塾に新しく来てくれた子に対して大切にしていること

 私は神奈川にある小さな塾に勤めているが、小さいながらも、ありがたいことに新しい生徒さんからの問い合わせをちょくちょくいただく。  そこから塾に来てもらって、話…

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夏休みの宿題という観点から意志の力を考える

 小中高生の夏休みも終わりに近づいてきました。私が勤めている塾の生徒さんの中には、夏休みの宿題を終わらせる人たちが出てきています。  ただ、それは少数の生徒に限…

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自分の未来の可能性を開くために

ときに、僕たちは自分の未来の可能性を疑ってしまうことがあります。 未来の可能性は、誰にでもあるものなのに、「自分の人生が上手くいくことはきっとない」と自分で自分…

mizu_sen@塾講師
1か月前
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“成熟”とはなにか

駅にある一画に貼られていたポスターが、ある日違うものに替えられていた。 つい最近まで(しかも、長い間!)貼られていたポスターなのに、前に貼られていたものがちっと…

mizu_sen@塾講師
2か月前

人としての余裕を持つとは

日本は高齢化と少子化が進み、今後ますます人口が減少していくことが予想されます。 (厚労省の発表によると、2023年に生まれた子供の数は72万7277人で、過去最低となりま…

mizu_sen@塾講師
2か月前
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人生の拠りどころとなるものをつくる

現代は、テクノロジーやAIの進歩によって、あらゆるところに効率化が押し寄せています。勉強も然り。 AIは勉強にまで介入してきて、知識を得ることを効率化してきます。 …

mizu_sen@塾講師
2か月前
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勉強への3パターンの動機

勉強への3パターンの動機 私の塾では小学生から高校生まで、さまざまな生徒さんが来てくれています。学ぶことが好きで、呼吸するよう学びを深めている子もいれば、勉強…

mizu_sen@塾講師
3か月前
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生きていくために恐ろしいほど大切な感覚とは

オーストリアの心理学者、アルフレッド・アドラーが提唱したものに「共同体感覚」というものがあります。 共同体感覚とは、 です。 私は塾の先生として、この共同体感覚…

mizu_sen@塾講師
3か月前
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私のミッションステートメントへの想い

私は塾の先生として働くことにおいて『不確定な時代を生き抜く思考力と他者と調和する共同体感覚を持った、未来へ羽ばたいていく子を育てる』をミッションステートメントと…

mizu_sen@塾講師
3か月前
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理解力より大切なもの、どうやって身につける?

すべての学びは(教科への適性はあれど)、思考の方法が分かっていないと、理解力を上げていくのは難しいと思っています。 だから私は、教育者として、学問の理解よりも、ま…

mizu_sen@塾講師
3か月前
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会社に行くのが嫌なあなたに贈る二人の作家のコトバ

三島由紀夫は『美徳のよろめき』の中で、 “精神を凌駕することのできるのは、習慣という怪物だけなのだ” という言葉を残しています。 日々、小説を生み出し、肉体を鍛…

mizu_sen@塾講師
3か月前
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教育×生成AIについての新聞記事から考える勉強する意義

2024年4月30日読売新聞一面の記事に以下のような内容のものが載っていました。 東京都内の私立中高一貫校は、昨年度の中1の冬休みの宿題にとして、英語で日記を書く宿題…

mizu_sen@塾講師
3か月前
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『心はロンリー気持ちは「…」FINAL』見たよ。そして、20年前の記憶。

先ほど、フジテレビ開局65周年記念『心はロンリー気持ちは「…」FINAL』を見た。 20年ぶりの復活ということだが、番宣のときから、懐かしいなあとは、思っていた。 20、30…

mizu_sen@塾講師
3か月前
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やらない子を自らやる子に変える魔法のメッセージ法

やるべきことをなかなかやってくれないお子様に、手を焼いたことはないでしょうか? 私は塾の先生として、主に中学生を中心に接していますが、日々、好きなことを優先して…

mizu_sen@塾講師
3か月前
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子供を勇気づける親のコミュニケーション術

子供の勇気はどこから湧いてくるのでしょうか?  かっこいい登場人物たちが世界を救うアニメを見たら?  不遇な主人公が困難に立ち向かって成長していくマンガを読んだ…

mizu_sen@塾講師
4か月前
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「不法侵入を許す」ことで思考力を鍛える

思考力を鍛えるためには、”新たな視点を取り入れること”が不可欠であると思います。 フランスの哲学者、ジル・ドゥルーズ的に言うと「不法侵入を許す」ということです。…

mizu_sen@塾講師
4か月前
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塾に新しく来てくれた子に対して大切にしていること

 私は神奈川にある小さな塾に勤めているが、小さいながらも、ありがたいことに新しい生徒さんからの問い合わせをちょくちょくいただく。  そこから塾に来てもらって、話を聞いたり、体験授業を受けてもらうのだが、せっかく自分の塾に足を運んでくれたからには、なんとか満足して帰ってほしいな、ということをつねづね考えている。  そして、その際に大切にしているのが、生徒さんへのインタビューだ。  インタビューを通して、その生徒さんの背景を知り、人となりを知り、価値観を知ることで、弱点を補強

夏休みの宿題という観点から意志の力を考える

 小中高生の夏休みも終わりに近づいてきました。私が勤めている塾の生徒さんの中には、夏休みの宿題を終わらせる人たちが出てきています。  ただ、それは少数の生徒に限られています。  大体はまだ期限があるからと、1つ2つ残している生徒がほとんどです。夏休みの終わりギリギリになって、やっとエンジンがかかるのでしょう。自分にも身に覚えのあることなので、彼らの気持ちはよく分かります。  しかし、夏休みの課題を終わらせることができた人とできない人の間には、明確な意志の力があると思いました。

自分の未来の可能性を開くために

ときに、僕たちは自分の未来の可能性を疑ってしまうことがあります。 未来の可能性は、誰にでもあるものなのに、「自分の人生が上手くいくことはきっとない」と自分で自分の未来への可能性を否定してしまうのです。 誰も否定していないのに、自分で勝手に否定してしまうのです。 これは、自己受容が出来ていないことが原因にあると思います。 例えば、入社してすぐの頃はやる気のあった新入社員も、1年経ち、2年経ち……とするうちに、数多上手くいかないことに直面し、未来への可能性を信じれなくなっ

“成熟”とはなにか

駅にある一画に貼られていたポスターが、ある日違うものに替えられていた。 つい最近まで(しかも、長い間!)貼られていたポスターなのに、前に貼られていたものがちっとも思い出せない。 思い出そうと努めるが、なぜかそれを脳が拒否する。 きっと思い出すということが、面倒くさいことだからなんだと思う。 そして、キャッチコピーやデザインについて学ぼうと、ポスターを観察するよう意識してしていたつもりだが、結局はなにも得ようとしてはいなかったことに気づく。 日々、小中高生と接していると、“成

人としての余裕を持つとは

日本は高齢化と少子化が進み、今後ますます人口が減少していくことが予想されます。 (厚労省の発表によると、2023年に生まれた子供の数は72万7277人で、過去最低となりました) 同時に、日本の経済力は下がっていき、国力の衰退も懸念されています。 今後の日本がどうなっていかなければいけないかというと、余裕のある人が、余裕のない人を助けてあげられる社会にならないといけないと思います。 寛容性のない社会には、成長はないと思うからです。 余裕のある人とは、どういう人か。 それは「

人生の拠りどころとなるものをつくる

現代は、テクノロジーやAIの進歩によって、あらゆるところに効率化が押し寄せています。勉強も然り。 AIは勉強にまで介入してきて、知識を得ることを効率化してきます。 そうすると、最小限の努力で、最大限のアウトプットが可能であるかのように思ってしまいます。 それに当てはまらない勉強法は、時代遅れであるかのように。 ですが、私は、人生のどこかのタイミングで、必死になって勉強した時期があることは大切だと思っています。 しかも、がんばりを通して、結果が出たという経験です。 なぜな

勉強への3パターンの動機

勉強への3パターンの動機 私の塾では小学生から高校生まで、さまざまな生徒さんが来てくれています。学ぶことが好きで、呼吸するよう学びを深めている子もいれば、勉強の「べ」の字も聞きたくないという大の勉強嫌いな子まで、さまざまです。 そんなさまざまな生徒さんを見ていると、勉強への動機が3パターンに分けられていることに気づいたので、今回ご紹介します。 ①義務感による勉強 まず、義務感による勉強です。 義務感による勉強は、取っかかりとしては良いですが、どこかで無理がきます。

生きていくために恐ろしいほど大切な感覚とは

オーストリアの心理学者、アルフレッド・アドラーが提唱したものに「共同体感覚」というものがあります。 共同体感覚とは、 です。 私は塾の先生として、この共同体感覚を持った子を育てることを、ミッションステートメントとして掲げています。 なぜ、共同体感覚なのか? それは、これからの日本では、共同体感覚がないと生きていくのが難しいと思うのです。 将来、一人で生きてくのは、ますます難しくなる。 そのときに身を救ってくれるのは、共同体感覚である。 そう考えています。 中高大学生時

私のミッションステートメントへの想い

私は塾の先生として働くことにおいて『不確定な時代を生き抜く思考力と他者と調和する共同体感覚を持った、未来へ羽ばたいていく子を育てる』をミッションステートメントとして掲げています。 今回はこの「不確定な時代を生き抜く思考力」を掲げる理由について書きたいと思います。 自己紹介でも書いた通り、新卒では出版関連の会社に勤めていました。しかし、思うようにいかず、退職することになります。 その後、どういう進路に進もうか考えたときに、本以外で好きだったものはなにか、自分の得意だと思え

理解力より大切なもの、どうやって身につける?

すべての学びは(教科への適性はあれど)、思考の方法が分かっていないと、理解力を上げていくのは難しいと思っています。 だから私は、教育者として、学問の理解よりも、まずは思考の型を身につけてほしいと思って、日々、指導に当たっています。 思考の型とは、問題解決への過程を考える力、と言い換えてもいいかもしれません。 問題解決への過程を考える。 これは教わって、中々、すぐにできることではない。従って、訓練が必要です。 もちろん、勘所を押さえるのが上手い稀有な人は、そうでもないと思

会社に行くのが嫌なあなたに贈る二人の作家のコトバ

三島由紀夫は『美徳のよろめき』の中で、 “精神を凌駕することのできるのは、習慣という怪物だけなのだ” という言葉を残しています。 日々、小説を生み出し、肉体を鍛え上げていた三島ならではの、説得力のある言葉です。 なにかを成し遂げるには、習慣化されなければいけない。 障害を突破するのは、習慣だけなのである。 これは、僕も強く思います。 大学4年生の頃、私は会社で働くということがイメージできず「これから40年も働き続けるのか。そんなこときっと無理だろうな」と思っていまし

教育×生成AIについての新聞記事から考える勉強する意義

2024年4月30日読売新聞一面の記事に以下のような内容のものが載っていました。 東京都内の私立中高一貫校は、昨年度の中1の冬休みの宿題にとして、英語で日記を書く宿題を課した。 出された宿題を見ると、現在完了形など教えていない英文法が使われ、ミスもない「素晴らしい英文」の日記が、何人もの生徒から提出されてきた。 生成AI(人口知能)に書かせて、提出された宿題であることが疑いようはなかった。 生成AIへの依存を強める生徒たちの実態を前に、この学校では春休みから英作文の宿題を廃

『心はロンリー気持ちは「…」FINAL』見たよ。そして、20年前の記憶。

先ほど、フジテレビ開局65周年記念『心はロンリー気持ちは「…」FINAL』を見た。 20年ぶりの復活ということだが、番宣のときから、懐かしいなあとは、思っていた。 20、30年前に私はこのシリーズを見ていたのだ。 いろんな芸人さんや役者さんが代わる代わる出演したり、意味の分からないギャグがことごとく連発されたり、さんまさんの元妻の大竹しのぶさんが共演するなど、お祭りみたいな番組だなあと思ったことを覚えている。 当時、小学生の私は、父親とこの番組を見ていたように思う。 これだ

やらない子を自らやる子に変える魔法のメッセージ法

やるべきことをなかなかやってくれないお子様に、手を焼いたことはないでしょうか? 私は塾の先生として、主に中学生を中心に接していますが、日々、好きなことを優先してしまう彼ら、彼女に翻弄される日々を送っております。 ただ、やるべきことをやってほしい際に、意識していることがあるので、今回はそれを紹介します。 それは、I(アイ)メッセージとYOU(ユー)メッセージです。 Iメッセージとは、話し手を主語にして、話し手の感情や考え方を伝えるもので、YOUメッセージは、聞き手を主語にし

子供を勇気づける親のコミュニケーション術

子供の勇気はどこから湧いてくるのでしょうか?  かっこいい登場人物たちが世界を救うアニメを見たら?  不遇な主人公が困難に立ち向かって成長していくマンガを読んだら? 手に汗握るスポーツの試合を見て興奮したら? それもあるでしょう。 でも、ここで言いたいのは、子供のやる気は、”承認”から湧いてくるということです。 では、なぜ、承認が必要なのでしょうか? 【反抗期は自我が揺らぐ時期、だからこそ、承認が必要】 子供は中学生くらいになると反抗期に入り、他者を否定するよ

「不法侵入を許す」ことで思考力を鍛える

思考力を鍛えるためには、”新たな視点を取り入れること”が不可欠であると思います。 フランスの哲学者、ジル・ドゥルーズ的に言うと「不法侵入を許す」ということです。 ドゥルーズは、人間がものを考えるのは、強制されてのことであると言っています。 なにかショックを受けて考える。 その何らかのショックのことを、ドゥルーズは「不法侵入」と呼んでいるのです。 これは、目から鱗でした。 考えるというのは、主体的で能動的でポジティブなイメージでしたが、考えるのは強制であるといった、どちらか