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「不法侵入を許す」ことで思考力を鍛える

思考力を鍛えるためには、”新たな視点を取り入れること”が不可欠であると思います。

フランスの哲学者、ジル・ドゥルーズ的に言うと「不法侵入を許す」ということです。
ドゥルーズは、人間がものを考えるのは、強制されてのことであると言っています。
なにかショックを受けて考える。
その何らかのショックのことを、ドゥルーズは「不法侵入」と呼んでいるのです。

これは、目から鱗でした。
考えるというのは、主体的で能動的でポジティブなイメージでしたが、考えるのは強制であるといった、どちらかといえば、受動的でネガティブな行為であるということには、思い至りませんでした。

でも、確かに、何かに差し迫られているときは、思考の切実さが違うかもしれません。

だから、ある種の「不法侵入」こそが、思考力を鍛えてくれるともいえるのです。

最初に戻りますが、「不法侵入」は”新たな視点を取り入れたり、新たな経験をすること”によって、分かりやすく生じると思います。

新たな状況が発生すると、人は対処すべく一生懸命考える。つまり、新しい物事に対しては、強制的に思考せざるを得ないということです。

そのため、私は授業をする際に、生徒に知見を広めてもらおうと努めています。
新たな視点や体験が与えられ、強制的に考えさせられることで、思考力は鍛えられていくと思うからです。

考えさせられることは、ときに不快に思うこともあるでしょう。
しかし、不快を避けては、教育はできないと思います。

教育者は、相手に不快に思われようと、手を変え、品を返して、新しい視点や体験を与え、相手に不法侵入していき、思考力を鍛えていかなければいけないと思うのです。

これからの時代は、思考力はまさに「生きる力」に直結すると思います。

今現在、嫌われることを恐れず、子どもたちが将来大人になったときに、この先生から教わったから成長できたな、と感謝される教育者を目指していきたいものです。

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