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生きていくために恐ろしいほど大切な感覚とは

オーストリアの心理学者、アルフレッド・アドラーが提唱したものに「共同体感覚」というものがあります。
共同体感覚とは、

常に自分のことだけではなく、他者のことも考えられる、他者は私を支え、私も他者とのつながりの中で他者に貢献できていると感じられること、私と他者とは相互依存的であるということ、しかし、同時にそれは決して自己犠牲的な生き方を善しとする考えでもなく、自分も他者に貢献ができていると思えること          

「アドラー心理学入門(岸見一郎 / ベスト新書)」

です。

私は塾の先生として、この共同体感覚を持った子を育てることを、ミッションステートメントとして掲げています。

なぜ、共同体感覚なのか?
それは、これからの日本では、共同体感覚がないと生きていくのが難しいと思うのです。
将来、一人で生きてくのは、ますます難しくなる。
そのときに身を救ってくれるのは、共同体感覚である
そう考えています。

中高大学生時代の自分を振り返ってみると、この共同体感覚が抜けていたと思います。
自分が良ければそれでいい、自分がやりたいようにやるのが、楽しい人生。
そういう風に思っていた
節があります。

しかし、社会に出ると、それでは上手くいかない。
以前にも書きましたが、新卒で出版関連の会社で働いていた当時の私は、自己実現ということばに振り回されてました
(当時の2010年頃は、「ノマドワーカー」など、会社や組織に依存しない働き方も注目されていました)
そのため、自分が何を与えられるか、ではなく、自分がどうなりたいか、ばかり考えていたように思います。

しかし、教育業界に転職してから、そこでアドラー心理学に出会います。
そこで、共同体感覚という考えを知り、ハッとしました
自分が持っていない考えだったからです。

そこから、共同体のため、他者のために動く考え方を取り入れていくようになり、徐々に上手くいき出した経緯があります。

私から見て楽しそうに生きている人は、
この共同体感覚が優れている人が多いように思えます。
他人に貢献したり、他人を喜ばせようとしている。
そんな風に見えます。

そして、その人たちの周りにも魅力的な人が集まっている。
共同体感覚は、
共同体を生み、そこに所属しているという感覚は、自分の身を救うもの
です。

今のテクノロジーが発達した社会では、なんでも一人で完結するのは簡単です。
ですが、
それでは共同体は生まれない。

自分は共同体に属しているんだ、そこにいる他者に貢献しているんだという感覚は、活力をつくり、相互扶助の関係をつくり、生きる意味を生みます。

そして、それはこれからの社会において、とても重要なものだと思います。

塾に通ってくれている生徒には、塾を通して、その感覚を養ってもらいたい、また、自分もより一層養っていきたい、それを使命としてこれからも働いていければと思います。

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