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【後編】謎のNZD高を追う!回答はアノマリーではなく、アメリカ実需! 24/8/25

Yan氏で~す。
インパクト!!!

昨日から今日に書けて、フォロワーが1人減って、2名増えました
新しくフォローしてくれた方、ありがとうございます
 オセアニア経済情報多めで、通貨、日本株、商品、OPなどを斜め上からの意味不明な理論で解説しています。
今後共によろしくお願いいたします

まずはダイジェストです(忙しい人はこれでOKです)

最初に昨日の記事に続きがあるって書きませんでした。
それはですね。白ワインを飲む都合があったので、まとめておいた記事をそのまま出したからです、
 今回は後編です。 実需です。

NZドル高の要因

  • アメリカの乳製品不足: アメリカ国内の牛乳供給逼迫により、乳製品、特に粉乳の在庫が減少しています。これを受けて、アメリカはニュージーランドからの乳製品輸入を大幅に増やしており、これがNZドル高の主要因の一つと考えられます。

  • 市場心理と期待感の逆転: RBNZの利下げはすでに市場に織り込まれており、さらなる利下げの可能性も低いと予想されています。一方、オーストラリアでは利下げ期待が高まっており、相対的にNZドルが買われやすくなっています。

  • 季節要因: 9月から11月は、ニュージーランドへの観光客が増加する時期であり、NZドルの需要が高まる傾向にあります。

  • その他: 世界的な米ドル安、NZの輸出価格上昇、政治的安定などもNZドル高を支える要因となっています。

今後の見通し

  • 乳製品価格の上昇: アメリカの乳製品在庫減少は、乳製品価格の上昇圧力となり、NZドル高をさらに後押しする可能性があります。

  • 不確実性: 一方で、中国のNZ産粉乳購入減速やNZ経済の減速など、NZドル安につながる可能性のある要因も存在します。

  • アノマリー: 過去のデータからは、11月のNZドル高のアノマリーは明確に確認できませんでしたが、全脂粉乳先物の価格動向がNZドルの動きと連動している可能性があります。


いつ、牛乳プチバブルが終わるかは解りません。案外、ドイツや、ブラジルもこのビックトレンドに乗ってくるかもしれないです。ところが総量規制みたいなものもあるようで、世界第9位の生産量のNZはさほど目立った問題ではないようです。いずれにしても、DAIRV HERDサイトの確認が必要です


ここからが本文です

昨日の記事に追記の記事です 後半になります

まずはチャートです

WMP1! (全脂粉乳先物) 週足

チャートの説明です
チャート分析 (WMP1! 週足、ZXYとの比較)

全体的なトレンド

  • WMP1! (全脂粉乳先物): 2020年以降、長期的には下降トレンドにあります。2021年5月頃にピークを迎え、その後は下落傾向が続いています。2024年7月から8月にかけて一時的な上昇が見られます

  • ZXY (ほどNZD/USD): 2020年から2022年にかけて上昇トレンドでしたが、2022年10月頃から下降トレンドに転換しています。WMP1!の下落トレンドとほぼ同時に下降が始まっているように見えます。

ZXYとの連動性

  • 視覚的な観察: 確かに、WMP1!とZXYのチャートは、特に2022年10月前後はアメリカの急激な利上げの影響で乖離が起きていますが、概ねの下降トレンドにおいて、似たような動きをしているように見えます。

  • 考えられる理由:

    • ニュージーランドは乳製品の主要な輸出国であり、WMP価格はニュージーランド経済、ひいてはNZドルの為替レートに影響を与える可能性があります。

    • WMP価格の下落は、ニュージーランドからの輸出収入の減少を意味し、NZドル安圧力につながる可能性があります。


ここから、深堀です
今年の7月後半から8月になり、粉乳が上がり始めています

これが理由です
 dairy herd マネジメント 24/8/8

記事のまとめ

牛乳供給逼迫による乳製品生産への影響

  • 牛乳供給の逼迫: アメリカでは牛乳の供給が逼迫しており、価格が上昇しています。

  • チーズ製造能力の拡大: チーズ製造能力が拡大しているため、低品質の牛乳乾燥機が稼働する可能性があります。

  • 脱脂粉乳生産の減少: 牛乳が余剰にならないため、脱脂粉乳の生産は他の乳製品に比べて遅れています。

  • バターとチーズの生産増加: 乳製品生産者が牛乳生産量を増やすのに苦労し、加工能力が拡大すれば、バターとチーズの生産量は増加する可能性があります。

  • バター脂肪分の増加: バター価格の高騰により、乳製品生産者はバター脂肪分を増やしています。

  • タンパク質と無脂肪乳固形分の増加は緩やか: 牛乳のタンパク質と無脂肪乳固形分の増加は緩やかで、牛乳生産量の減少を補うには不十分です。

  • 牛乳供給をめぐる競争の激化: アメリカの牛乳生産量の減少と乳製品加工能力の増加により、牛乳供給をめぐる競争が激化しています。

  • 今後の見通し: 新しい工場が稼働するにつれ、牛乳をめぐる争いはさらに激化すると予想されます。

2024年上半期の米国の牛乳生産量の変化

  • 牛乳: 前年同期比-0.9%

  • バター脂肪: 前年同期比+1.8%

  • タンパク質: 前年同期比+0.1%

  • その他の固形分: 前年同期比-0.8%

  • 無脂肪固形分: 前年同期比-0.5%

結論

牛乳供給の逼迫により、乳製品生産はバターやチーズに偏り、脱脂粉乳などの生産は減少傾向にあります。この状況は、牛乳をめぐる競争を激化させ、今後の乳製品市場に影響を与える可能性があります。


次で、米国農務省のデーターで解説をします
24/7/9 

このページに6月分のpdfがあります

https://fas.usda.gov/sites/default/files/2024-07/Dairy%20Circular%20June%202024.pdf

このPDFには、2024年の米国における乳製品の輸入割当とライセンスに関する情報が記載されており、いくつかの表が含まれています。各表の内容は以下の通りです。

  • 表1、2、3: 2024年の乳製品輸入ライセンスに関する情報を記載しています。

    • 表1は、チーズ以外の乳製品(バター、脱脂粉乳、全粉乳など)とチーズ、チーズ代替品について、国別の割当量(TRQ)と、1月から6月までの各月の輸入量、そして合計輸入量を示しています。

    • 表2は、高関税輸入品、つまり割当量を超えて輸入されたため高関税が課された乳製品の、2024年第1四半期における輸入量を示しています。

    • 表3は、ライセンス要件の対象とならない、米国WTO乳製品輸入関税割当に基づく輸入品について、製品別、国別の毎月の輸入量を示しています。

  • 表4: 2024年における、自由貿易協定における関税割当に基づく乳製品の輸入量を月ごとに示しています。

    • 対象となる協定、製品、原産国、毎月の輸入量が記載されています。

これらの表に加えて、特定の乳製品や国に関する具体的な規制や要件を説明する注釈も含まれています。

全体として、この資料は米国への乳製品の輸入に関わる人にとって、割当量、ライセンス、貿易協定に関する詳細な情報源として役立ちます。


1ページ

抜粋ですが、この表から解ることは
 USDA Dairy Import License Circular for 2024 分析

この画像は、2024年度の米国における乳製品輸入ライセンス割り当てに関するUSDA(米国農務省)の通達の一部です。表には、様々な乳製品とその輸入枠(TRQ)、国別の割り当て量、そして1月から6月までの累積輸入量が記載されています。

注目点

  1. Non-Cheese(チーズ以外)

    • 全体的な輸入枠:21,864,781

    • バターの輸入枠:6,977,000

    • 主要な輸入国:ニュージーランド、アイルランド、フランスなど

  2. Butter(バター)

    • 特定国枠:6,656,311

    • 主要な輸入国:ニュージーランド、アイルランド、フランスなど

    • ベルギー、デンマーク、フィンランドなどは少量の輸入枠を持つ

  3. Dried Skim Milk(脱脂粉乳)

    • 全体的な輸入枠:5,261,000

    • 特定国枠:4,441,359

    • 主要な輸入国:ニュージーランド、インド、オランダ

  4. European Union(欧州連合)

    • デンマーク、フランス、アイルランドからの輸入枠が設定されている

  5. Specific Country(特定国)

    • ニュージーランドとイギリスからの輸入枠が設定されている

考察

  • ニュージーランドは、バター、脱脂粉乳、特定国のカテゴリーで大きな輸入枠を持っており、米国にとって重要な乳製品供給国であることがわかります。

  • 欧州連合からの輸入も一定量認められていますが、特定の国からの輸入に制限があることがわかります。

  • インドは脱脂粉乳の輸入枠を持っており、新興市場としての重要性が高まっている可能性があります。

  • 1月から6月までの累積輸入量を見ると、多くの国で輸入枠を使い切っていない、または輸入実績がないカテゴリーが存在します。これは、市場の需要や供給状況、あるいはその他の要因によって輸入が制限されている可能性を示唆しています。

結論

この表は、米国の乳製品輸入政策の一端を示すものであり、各国の乳製品輸出戦略や市場動向を理解する上で重要な情報源となります。特に、ニュージーランドは米国にとって主要な乳製品供給国であり、今後の貿易交渉や市場動向に注目する必要があります。

追加分析

  • 各乳製品の輸入枠と実際の輸入量を比較することで、需要と供給のバランスや市場の状況をより深く理解できます。

  • 輸入枠が設定されている国とされていない国を比較することで、米国の貿易政策や戦略を分析できます。

  • 時系列データと比較することで、乳製品輸入のトレンドや変化を把握できます。

つまり、6月の時点では輸入枠いっぱいまで使っていない状況であったということです。ところが先の記事用に急激に粉乳が買われます

今度は同じレポートですが
8/12に出ていますので比較です

なんと
6月から7月にかけて、ニュージーランドからの輸入量は、以下の製品で増加しました。

  • Non-Cheese(チーズ以外): 16.67% の増加

  • Butter(バター): 26.67% の増加

これらの製品は、7月に6月と比較して大幅に輸入量が増加したことがわかります。

大幅増です


もう一つ
この記事
 24/8/23

CMEチーズ市場は、USDAの冷蔵レポート発表前にも関わらず、バレルとブロックチーズの価格が大幅に下落しました。一方、バターも高値圏で下落傾向が続いています。

しかし、クラスIII先物市場は、9月契約が下落した一方で、第4四半期先物は上昇するなど、複雑な動きを見せました。

USDAの冷蔵倉庫レポートは、チーズとバターの在庫が7月に平均を上回るペースで減少したことを示しており、これは市場にとって強気なシグナルと解釈できます。

つまり、乳製品の価格は上がりやすい状況であるということ!

USDAの冷蔵倉庫レポートで示されたチーズとバターの在庫減少は、市場における供給不足を示唆しており、これが価格上昇圧力につながる可能性があります。特に、在庫減少が5年間の平均を上回っていることは、需給バランスがタイトになっていることを示しており、強気な見通しを支持する材料となります。

ただし、先物市場は常に変動するため、価格上昇が確実であるとは言えません。他の要因、例えば世界経済の動向や天候、さらなる需給の変化などによって、価格が下落する可能性も考慮に入れる必要があります。

だからと言って、直ぐにNZD買いかというと、
既に買われているNZD。トレンドがいつまで続くのかが解りません

しかも、同じサイトからこの記事(冷や水かもしれませんが)
24/8/20

中国がニュージーランド産粉乳の購入を減速させているため、世界市場で製品が過剰になる可能性があります。これは、中国が自国の乳製品の需要を増やし、在庫を減らしているためです。この買い付けの変化は、ニュージーランドだけでなく、世界の酪農業界にも課題をもたらすでしょう。

ニュージーランドは、主に粉乳の形で、牛乳生産の大半を海外に輸出しており、輸出は同国の乳業の健全性にとって極めて重要です。しかし、中国への全粉乳輸出は減少しており、これはニュージーランドの年間牛乳生産量の約6%に相当します。

ニュージーランドの2024~25年の搾乳シーズンはまだ始まったばかりですが、牛乳の収穫量は2021年以来減少傾向にあります。乳固形分の減少も続いており、粉乳生産に利用できる牛乳の量は引き続き減少すると予想されています。

ニュージーランドの生産者にとって、乳固形分は金の成るところであり、固形分の増加と乳価格の上昇は、今シーズン、生産者が予算のバランスを取り直し、利益を上げる上で重要になるでしょう。

ニュージーランド統計局によると、2024年4月までの12か月間で、ニュージーランドの粉ミルク輸出は97億ドルに上り、全輸出額の14%を占め、同国最大の輸出品目となっています。同じ12か月間に、ニュージーランドの粉ミルク輸出の30%が中国に送られました。

これで、ニュージーランド側の輸出データーに注目ですが、

あれ?。ここで矛盾です

このデーター
ニュージーランド統計局 8/20

抜粋です

輸出

2024年7月の物品輸出は、2023年7月と比較して7億7000万ドル(14%)増加し、61億ドルとなった。

粉乳、バター、チーズが輸出増加を牽引

粉乳、バター、チーズは1億5,500万ドル(11%)増加し、16億ドルとなった

輸出推移

乳児用調製粉乳は、牛乳、シリアル、小麦粉、デンプンの調製品に含まれており、1億800万ドル(86%)増加して2億3500万ドルとなった。

果物は1億3,500万ドル(28%)増の6億900万ドルとなった。キウイフルーツが1億ドル(29%)増の4億4,900万ドルとなり、これが牽引した。

国別の月間輸出動向トップ

2024年7月の主要輸出相手国(年間総商品輸出額順)の月間動向は、2023年7月と比較すると次のとおりです。

月間でに比較
  • 中国:総輸出額は1億700万ドル(8.5%)増加した。

    • 最も大きな増加は果物で7,600万ドル増、牛乳、穀物、小麦粉、澱粉の調製品で5,300万ドル増、丸太、木材、木製品で5,200万ドル増であった。

    • 最も大きな落ち込みがあったのは、肉類と食用内臓肉で8,300万ドルの減少、木材パルプと古紙で1,200万ドルの減少だった。

  • オーストラリア:総輸出額は1億3,500万ドル(19%)増加した。

    • 最も大きな増加は、原油が7,200万ドル増、その他食用調製品が2,100万ドル増、貴金属、宝石、コインが2,000万ドル増であった。

    • 最も大きな落ち込みは自動車、部品、付属品で、1,600万ドルの減少となった。

  • 米国:総輸出額は3,500万ドル(4.7%)増加した。

    • 最も大きな増加はワイン(1,800万ドル増)、果物(1,700万ドル増)、光学・医療・計測機器(1,100万ドル増)であった。

    • 最も大きな落ち込みは、粉乳、バター、チーズで2,900万ドルの減少、機械設備で1,500万ドルの減少となった。

  • EU:総輸出額は1億1,400万ドル(30%)増加した。

    • 最も大きな増加は果物で4,200万ドル増、アルミニウムおよびアルミニウム製品で1,400万ドル増、医薬品で1,200万ドル増だった。

    • 1,000万ドルを超えると大きな下落は見られませんでした。

  • 日本:総輸出額は1,700万ドル(5.3%)増加した。

    • 最も大きな増加はアルミニウムとアルミニウム製品で、1,400万ドル増加した。

    • 1,000万ドルを超えると大きな下落は見られませんでした。

年間総商品輸出額順なので、一概に言えませんが、7月に限れば伸びているということですか?。

アメリカ側の動向と、NZの輸出ではやや違います。

まとめて考える、年間では減少傾向であったが、7月からニュージーランドからアメリカへの乳製品の輸出が増えた。それも急激に。
 それは、アメリカ側の在庫不足、気候的な原因。生産量の問題。

このことが確実だと思います

アメリカ側が心配している、中国のニュージーランドからの輸入減少懸念は残るが、現時点では、NZDUSDは上昇トレンドになった理由の一つではないかと思います


WMP1! (全脂粉乳先物)のチャート
から始まった後編。ここまで広がるとは思いませんでした

トレードは別です
 この一時的な牛乳特需ですが、いつまで続くのかは解りません。暮れまでかもしれないですが、あっさりと、今月で終わるかもしれないです。

NZDが強くなるのは、粉乳って解っただけでもよかったかもしれないです

ニュージーランド経済を語っているので、乳製品にも注意が必要ですね

大変に メンドクサイ(笑) です

そんな感じです

あとがき
なんだよ!。物凄く時間を取られました。
月末ですが、今週ユーロのCPIを分析なんって思っていたのですが、これでは無理ですね(笑)
 それでも今週の指標は確認しておきます。

日経のOPもゆっくりと考えたいのですが、そこまで時間はないようです

以上

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