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トレーニングプログラムについての研究〈パワーアスリート向け〉

はじめに

今回はパワー系競技をするアスリートの方に参考になるかもしれない内容です。

筋力とパワーのパフォーマンス向上のための、短期のトレーニングプログラムに関する論文らのレビューをご紹介します。

今研究で行われたのは短期のピリオダイゼーションプログラムとして、トレーニング期間を短期間のサイクルに分割し、筋力トレーニングとパワートレーニングを交互に行うトレーニング方法です。
近年、このようなサイクルに分割したプログラムの方法がアスリートのパフォーマンス向上に効果的であることが注目されています。

本記事では、論文で行われた実験方法と、短期ピリオダイゼーションプログラムの効果についてを解説します!

実験方法

対象者:
トレーニング経験豊富な筋力トレーニング選手 20名

男性 18名、女性 2名
年齢: 20〜35歳
トレーニング歴: 5年以上

グループ分け:
ランダムに4つのグループに分けました。

群1: 筋力トレーニング群 (n=5)
群2: パワートレーニング群 (n=5)
群3: 筋力トレーニングとパワートレーニングの交互群 (n=5)
群4: 対照群 (トレーニングなし) (n=5)

トレーニングプログラム:
期間:12週間(3ヶ月)
トレーニング頻度: 週3回
トレーニング時間: 1回あたり60分

トレーニング内容:
各群は以下のトレーニングプログラムを実施しました。

群1: 筋力トレーニング:
主要な筋群を対象とした、多関節運動を中心としたトレーニング
比較的重い重量を使い、ゆっくりとした動作で反復トレーニング
セット数3〜6セット、回数8〜12回程度
セット間休息時間30秒〜1分程度

群2: パワートレーニング:
主要な筋群を対象とした、多関節運動を中心としたトレーニング
比較的軽い重量を使い、素早く爆発的な動作で反復トレーニング
セット数3〜5セット、回数5〜8回程度
セット間休息時間15〜30秒程度

群3: 筋力トレーニングとパワートレーニングの交互:
週ごとに筋力トレーニングとパワートレーニングを切り替えて実施
群1と群2のトレーニング内容を交互に実施

群4: 対照群:
トレーニングなし

測定項目:
トレーニング開始前と12週間後に以下の項目を測定しました。

最大筋力
1RMベンチプレス
パワーテスト (垂直跳躍、5mスプリントなど)

統計分析方法:
各群間の比較には、ANOVAを用いて、p値0.05未満を有意差としました。

結果

トレーニング群、パワートレーニング群、筋力トレーニングとパワートレーニングの交互群は、対照群に比べて、最大筋力と1RMベンチプレスの結果が有意に向上しました。
パワートレーニング群と筋力トレーニングとパワートレーニングの交互群は、対照群に比べパワーテストの結果が有意に向上しました。
群3では、群1と群2よりもそれぞれの結果に関して特に変化量が高かったです。

考察

この研究では、短期ピリオダイゼーションモデルでは特に、筋力トレーニングとパワートレーニングの交互を行う群で、最も優れたパフォーマンス向上効果が得られました。

まとめ

今研究はトレーニングの経験が5年以上の選手を対象としており、トレーニングを日常的に行っている人にも参考にできるかと思います。
パフォーマンスの向上を目的とするトレーニング選手は、筋力トレーニングとパワートレーニングの交互を含む短期ピリオダイゼーションのモデルを取り入れることが良いのかもしれませんね!

参考文献

Hartmann H, Wirth K, Keiner M, Mickel C, Sander A, Szilvas E. Short-term Periodization Models: Effects on Strength and Speed-strength Performance. Sports Med. 2015 Oct;45(10):1373-86. doi: 10.1007/s40279-015-0355-2. PMID: 26133514.

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