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MAについての学び


ある社長さんとMAのコンサルをやられている方と、飲みに行く機会がありました。

そこで自分に合わせる形でかどうかは不明ですが、助言も兼ねてMAの話もして頂きました。

自分は新卒でMAを扱う企業に行くので、目から鱗の話ばかりで、実際のビジネスシーンで事業買収や譲渡を検討される事もあるであろう社長さんと話して、すこーしだけ学生の立場から背伸びした感じがしました。


MAの仕事って相手が経営者になるので、知識や経験などを広くかつ深く有している必要がある、一言で表すと、

「ビジネスの総合格闘技です」

と良く会社側から説明もされたし、事あるごとに目に触れてきた。


テキストレベルでは理解していた”つもり”でしたが、実際に耳や目を使って落とし込もうとすると、また違った感覚が働きます。

自分の様々な未熟さを痛感させられます。

同時に、鳥肌がたちます。

このレベルに達したい。このレベルを超えたい。


さて、本題。






日本で会社経営をすることの意味



自分がMAプレイヤーになるならば、お相手たる経営者の方へのリスペクトが必要になると考えています。

自分には、経営の経験がないので、どう逆立ちしても、経営者の方の想いや苦労といった四方山話を同じ立場から観る事は”現状”できない。

でも、出来ないといけない。

その意味で、知識として

日本で会社経営をするって物凄く神経すり減らされるよ

って事を意識させられたのが、この章のお話です。


日本の性格上、どうしても会社経営をするのが難しいお国柄だよね。

理由としていくつか。

  • お客さんが神経質

  • 税金が高い

「お客さんが神経質」に関しては、身近でも理解しやすい。
クレーマーの存在って結構日本特有なんじゃないでしょうか。丁寧さや正確さに美徳を感じる国民性が作用して、特に接客業・サービス業なんかはお客さんがうるさそう。(笑)

居酒屋で働いているからよく分かる。
加えて、従業員の立場から経営者層に視点が移ると、クレームやお客さん関係で生じた不都合に全責任を負う必要がある。

場所が異なれば負う必要もなかったストレスを背負いこむ必要性がある。


「税金が高い」に関しては、具体的には掴みづらい。
「法人税がアメリカと比較して、どれくらい高いです」とかは”現状”全く分からないけれど、何となく日本は税金が高いイメージはある。

それ故に、日本企業が税金フリーあるいは格段に安い海外諸国へと進出していく例なんかはよく耳にする。

苦労して積み上げた売上が、税金としてしょっぴかれる。


加えて、「気付かずに脱税していた」なんて事もよくあるらしい。

悪意は全くないのだけど、税制度の複雑性ゆえに、義務として支払うべき税金が未納だったなんて事がざらにあるらしい。


日本で会社を経営している経営者方は、こうした苦労やストレスをまるまる背負って、従業員の生活を守るべく、日々走っている。


まだまだ知識・経験ともに未熟者だけれど、少なくともこういったことに目が行き届く人間でないと、

「こいつなら、安心して任せられる」

と認めて貰えるプレイヤーにはなれないですね。



譲渡側MAの決断理由


じゃあ実際に、

譲渡側がMAを決断する時ってどんな時だ?

って話が本章になります。


結論、

譲渡側の経営者のpain(売る理由)がどこにあるのか

に尽きる。


神経質なお客様、税金といった向き合いたくないような困難と正対して、自分の手掛けた事業を世の中に打ち出してきた。

果てしない労力と熱い想いをのっけて、自分の時間のほとんどをその事業に捧げてきた。

それは一人で成し遂げられたことではなく、多くの協力者や仲間、部下の存在があったからこそ実現できた事業。


どんなビジネスも魂が消えたら、すぐに死んでいく。


額面も勿論ビジネスである以上、正確さやサイズ感が重要視されてくる。

だけど、もっと大元の部分で

譲渡側の経営者のpain(売る理由)

の意味や重さ、価値を汲み取れる人間でいないと、ダメだな。



MAプレイヤーの目の付け所


最後にMAプレイヤーとして気を付けるべき点をレクチャー頂きました。


DD(デューデリジェンス)前に、グレーな部分を可能な限り潰す。

まず、DDとは何ぞや?って方が大半かと思うので、そこから説明します。

DD(デューデリジェンス)はM&Aの手続きの一つで、譲渡側の潜在リスクを把握する目的で実施されます。

DD(デューデリジェンス)は、譲受側の財務担当者(会計士などの士業を含む)が譲受側企業の価値やリスクを評価するための調査です。

譲渡側企業が、事前に譲受側企業に財務資料等は提出しているのですが、高値で売れるよう、グレーな部分を隠している可能性がある。

そうした買収後に露見する事で問題になりかねない点を、クロージングの直前に見抜くための譲受側が実施する最終審査みたいな感じです。


譲渡側企業は、売却にあたり、不都合な点があると隠す選択を取ることが往々にしてあるそう。

目先の損得を考えると、面倒臭いし、隠す事で手元に少しでも多くの現金が手に入るのなら、そっちの方が良いと考えるのは至極当然。

グレーな部分を隠すために、魔法使いのような会計士が世の中にはたくさん存在しているそうです。

MAプレイヤーは買収後の火種を潰すために、常に疑いの目を持つ。

例えば、
MAを検討し始めてから譲受側に加わった会計士などは要注意だそうです。

草創期から譲受側企業を付き合いがある会計士さんが、MA案件にも関わっている場合には安心できる。譲受側経営者の長期的なメリットを考えている可能性が高い。

ただ付き合いの浅い会計士の方が入ってきた場合には、疑いを向けた方が良い。想いを後回しにして、短期的な利回り(売却益)を優先し、巧みに隠ぺい工作を行う魔法使いの疑いがある。


知識や経験を組み合わせて、火種への着火を未然に防ぐ。


こういった賢さや大人な交渉が求められてくる。


言うべき事は言う。間違っていることは間違っている。

揉める覚悟は勝つ覚悟で、揉めたとしても勝つ位の意気込みで向き合うように

という金言も頂きました。


最後に

「破天荒フェニックス」より一節を引用。

「企業買収」という一見華やかな物語の裏表紙には、決算書や報告書に表れてこない、複雑な人々の欲や感情わ利権が、べったりと血糊のようにこびり付いている。それらを全て綺麗に洗い流し、自ら傷を負う覚悟と、問題を巧みに処理できる経営能力と度量がない者が、容易に企業買収に手を出せばら待ち受けているのは周囲を巻き込んだ大火傷しかないという事実をら僕は嫌という程思い知らされた。

同書籍には、この一節に至るまでの苦悩や困難、大失敗の経験が事細かに記されています。

この一節だけで想像しづらいMAの泥沼の裏側が赤裸々に語られています。




今日は少しだけ背伸びして、小難しい内容に挑戦してみました。

自分が目指すビジネスプレイヤー像が伝わる内容だったら嬉しいです。

以上、MAについての学びでした。


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