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困った従業員への対応#1

今回から、「困った従業員の育成法」をスタートします 。

私は様々な企業の人事制度構築、運用をご支援していますが、その中で例えば次のような相談を受けることが非常に多くあります。

「何度も同じ失敗を繰り返す従業員をどう指導したらよいか?」
「上司の指示を聞かずに独断で進める従業員をどうしたらよいか?」
「チームの和を乱す従業員をどうしたらよいか?」

こうしたことを人事評価によって解決できるかという相談も受けますが、実際のところ人事評価で解決するのは難しいでしょう。では、どのようにすればよいのでしょうか?

魔法のような解決策はありませんが、改善に向けた考え方やヒントはあるかもしれません。

次回から具体的な事例を取り上げて、私が所属する日本経営流の人材育成方法について紹介していきます。私自身、マネージャーとして部下の育成に関わるものとして、今も悩みは尽きません。私のチームは1億円ほどの売上規模となっていますが、そこに至るにまでに多くの挫折と学びがありました。すこしでも、この連載が皆様の考えるヒントにしていただけたら幸いです。

まず初回は、「基本スタンス」です。これは、指導する側の基本スタンスです。これが最も大切です。
この基本スタンスとは、「手間隙かけ多分だけ部下は育つ」「育てなければ部下は育たない」ということです。当たり前のようなことですが、大切です。
細かく指導したり、多大な指導の時間をかけたりしなくてもきちんと仕事ができる部下がいたら、それはかなり優秀な部下です。そういう部下がたくさんいることを期待するのではなく、そういう部下がいたら自分は幸せ者だとありがたく思いましょう。

ほとんどの部下はきちんと教えなくては仕事ができるようにはなりません。ちょっと教えたり、指導したりしただけでできるようになるのであれば、上司は不要でしょう。そうならないから、上司には部下育成、部下指導という重要な役割があるのではないでしょうか。

そして、できるようになるまで指導し続けられるか。つまり、徹底しきれるかどうかは、部下と上司の我慢比べです。

「もうあの人には言っても無理だ。」と、上司が先に音を上げてしまうのか。それとも、「あの上司にはかなわないな。」と思われるほどできるまで求め続けられるのか。ここが育成の根本です。

例えば、「敬語で話をする」と決めたのであれば、例外なく誰にでもそのように指導し、もしできていなければその場で直ちに注意する。これを繰り返せるかどうかが、上司の指導力といっても過言はありません。どこかで上司があきらめると、その部下は「言ってもだめな人」になり、次に「何も言えない人」になり、最後に「手がつけられない人」になります。部下指導とは、部下との我慢比べという面もあるのです。このスタンスがないと、部下育成はそれこそ部下の資質頼りになってしまいます。

次回から、具体的なケースを取り上げて考えていきます 。乞うご期待ください。また、私がマネージャーとなって役に立った本もご紹介しますので、気になる方はぜひ、お読みください。


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