【医療コラム】【子育てコラム】医師のうっぷんを晴らしかた

■うっぷんを晴らすためにしていること

医師として仕事していると、対人サービスだからストレスも溜まります。そんな時、みなさんはどうやって常日頃のうっぷんをはらしていますか？

パーっとお金を使うんだよ。
好きなものでも好きなだけ食べたら？

そんな一般的に知られた方法で解消できればいいのですが、ストレスが積み重なっていくと、さすがにそれだけでは解消ができなくなる場合もあります。だから私は、自分の楽しみの日を〇日後に設定し、カレンダーに印をつけ、その日に何をするのかを計画し、印をつけた日までは頑張ろうというような気持ちで、日々を乗り越えています。

では、楽しみの日は、どんなことをするのか。
それは人によって違うと思いますが、私にとって自分の癒し時間は家族との時間ですので、家族と出かける予定を立てることがほとんどです。

■私のうっぷんの晴らし方

家族と出かける予定で多いのは、
昭和記念公園でみんなでサイクリングする。
多摩動物公園で散策する。
家族がランチビュッフェでスイーツなど楽しんでいる間に私は神保町で古書店巡りをする。
（私は1型糖尿病があるので好き放題食べられません）
東京タワー、スカイツリー・・というもの。
関東近郊であちこちに出かけています。すべて日帰りで十分に楽しめるので、とても都合が良いというのもあります。

車を運転したり、昭和記念公園を1日歩いたり、東京タワーを階段で昇っていくと、肉体的には疲労も溜まるのですが、喜ぶ家族の顔を見られたり、後日写真を見たり、後で家族でその話ができる、というのが何よりの時間です。遊びに行くということは、その当日の楽しみでもありますが、その後で思い出としてのこり、家族と時間を共有した喜びをお互いに感じ合えるというのが、良いところだと思っています。それに、子どもが「学校で昨日、東京タワー昇った話するんだ」ということを言ってくれると、あぁ連れて行ってよかったと思い、私をさらに元気づけてくれます。

■誰にも言わないプライベートな楽しみ

長期の休みで旅行ともなると、周りに迷惑をかけることになるのですが、日帰りで家族と遊びに行く時は、普通の休みの時に行けるので、勤務先の病院の人には言いません。家族のことや楽しかったことを話すのも悪くないのですが、反対に相手から「俺はこんな所に行ったんですよ、いいでしょ」みたいなことを言われてしまうと、せっかくの楽しかった思い出が汚される気がするので、私は言わないようになりました。ただ、楽しい時間を過ごし、昨日はこんなことがあったんだということを秘密にして、病院内で優越感に浸る方が、私は性に合っているようです。

最近の若い先生は仕事とプライベートを分ける人が増えました。私も、プライベートに職場の人に立ち入ってほしくはないので、とても共感できる考え方です。

子どもが小さいときにはやれ熱が出た、やれ嘔吐したなどと計画がとん挫することもありました。しかし大きくなると今度は、やれテスト前だ、やれ友達と遊びに行くだ、やれ部活だとこれもまた計画がとん挫する。うまくいかないこともありますが、それも家族だからと計画立てるのも楽しみにして、私はこれでうっぷんをはらしています。

でも、我が子4人が自立し、歳で体も自由が利かなくなるとこうもいかなくなるかもしれません。そうなった時には、何を楽しみにしようかなと今から考えていますが、実はこれも楽しみの一つだったりします。何にせよ、自分の楽しみを考える時間は、どう転んでも楽しい時間というわけです。