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クラシコの世界観を下支えする、数字とデータを活用したブランディング施策

お客さまから「誠実で透明感のある印象」と声をいただけるような世界観を打ち出してきたクラシコ。これまで医療従事者向けの白衣・ナース服・スクラブなどを中心に、数々のプロダクトを発表してきました。

今回はマーケティング視点の「ブランド作り」に焦点を当て、数字とデータの活用がどのように世界観の構築を支えてきたのか、裏側に迫ります。

インタビューに答えるのは、ECサイトの運用ほか、プロモーション、広報、全社ブランディングの統括をする、マーケティング担当/執行役員の江村。クラシコのマーケターが描く、ブランディング戦略について聞きました。

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──クラシコが世界観の表現で意識していることは何ですか?

商品のチーフデザイナーの大豆生田(おおまめうだ)が世界観のイメージを描き、ブランディングを担う商品企画、マーケター、デザイナーのチームで、コンセプトと一致したビジュアルイメージを作ります。

クラシコの撮影チームは、社内のデザイナー2人と外部のアートディレクター、そして大豆生田が中心になり、もう2年以上続けています。品質も上がり続け、現状は意識することなく、商品と世界観のバランスが取れています。

チームの立ち上げ時は私も企画から携わることも多かったのですが、現在は新入社員へ積極的に任せています。

──最近ではどのようなコンテンツを作りましたか?

半年前に入社した、米久が担当した企画があります。YouTubeにも公開したマスクメイクに関する動画です。

▲Makeup on your everyday プロから教わるメイク術ーマスクメイク編 #1

ブランドとして撮影に起用するモデル選び、フォントやコピーの書き方などの各要素には統一性を持たせているので、コンテンツによって大きく変えることはありません。社内デザイナーの監修も入るため、透明感や誠実さといった世界観にもブレが出ない仕組みになっています。

このコンテンツは看護師向けの内容ですが、医師や歯科医が見ても違和感のないように作成しています。職種や年齢、性別、国ごとに受け取る印象も考慮しています。

例えば日本と台湾では流行しているデザインも異なります。どちらかに偏るのではなく、ブランドルールを定め、その範囲で展開する。これによりバランスの取れた発信が実践できています。

「なぜこの広告を出すのか?」を説明する責任

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──マーケターの視点で気をつけていることはありますか?

ただ「カッコイイものを作りたい」という方向へ意識が流れぬよう、費用対効果に注意を払っています。

ブランディングだからといって、数字を追わなくていいわけではありません。成果が生まれて初めて評価される。それが私の考え方です。お客さまに説明できない「恥ずかしいお金の使い方」をしないように心掛けています。

広告費は、本来はかけなくていいものだと思っているんです。広告をかけなくても売上が同じなら、出さないほうが利益は大きい。お客さまもより安く商品を買えるかもしれない。でもいまは、必要だから広告を出すわけです。

じゃあ広告費はどこから捻出されるのかというと、購入してくれたお客さまからです。つまり「なぜこの広告を出したのか?」の質問に対し、お客さまに明確な回答ができないものは、恥ずかしいマーケティング施策ということです。

──撮影やデザインチームとの連携で、マーケティングの視点は反映されていますか?

コンテンツ掲載先の仕様や求める効果については事前打ち合わせをしますが、上がってくる素材には介入しすぎないようにしています。専門領域のプロに任せたほうが品質は当然上がるからです。

一方で、実用性の部分についてはコメントしています。白衣だけよりも白衣とスクラブの両方で映っている広告のクリック率が高かったなど、売上や結果に関するデータの提供がマーケティング部の役割だと考えています。

過去の広告実践例を紹介「DM&女性誌」

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──具体的なマーケティングの実践例も教えてもらえますか?

私たちは月に1回、医療従事者向けにDMを送っています。こちらも効果測定をしてパフォーマンスの見直しを随時実施しています。

例えば昨年は「読み物」をお届けしていたんです。モノづくりの背景や利用事例などを説明する目的です。ところが思ったよりも反応が悪く、売上などの結果に反映されにくい状況がありました。

そこで別の機会にアンケートを取ったところ、新商品情報やクーポンの配布を求める声が多いことがわかりました。

クラシコではセールをしない、割引クーポンの配布頻度を守るなど、ポリシーを定めています。だからといってお客さまに必要のない情報を送り続けることも間違っています。そこで最近では、新商品のビジュアルを全面に出したポストカードタイプのDMを送り、効果は前年比で60%向上しました。

──広告出稿で、最近の取り組み事例はありますか?

SNSを始め、Web上に広告を出すことが多いです。オフライン広告は少ないですが、今年は女性ファッション誌『Sweet』でタイアップ記事を出しました。タレントの小嶋陽菜さんに『ジェラートピケ&クラシコ』のコラボアイテムを着用していただきました。

こちらは実験的な取り組みです。

20代女性の5-10%が医療従事者というデータ(※)があるため、まずは広く認知を促し、少しずつクラシコを知ってもらう狙いです。コロナ以前は看護フェアや学会、展示会などのリアルの場に出ていました。現時点ではそれも難しいので新たな手段を試しながら効果測定をしているところです。

テレビドラマへの衣装提供も行っていますが、こちらも医療系ドラマの年間本数を予測することは難しい。これらを総合しながらブランディングと共にマーケティング施策を考えていく必要があります。

(※)参考:「看護職員の現状と推移」、「統計ダッシュボード」より

──クラシコのマーケターとして働くことの、魅力について教えてください。

ドクター向けに「クラシコブランド」は確立されています。これはつまり、施策を打つ際に「ブランド力が原因で施策が効かない」という現象が起こりにくいことを意味しています。

どうしてもブランドが弱かったり、プロダクトに改善の余地が多分にあるとマーケティング以前の問題になりがちです。その反面クラシコでは、施策が適切であれば結果は短期でも出る。これはマーケターとして魅力的な側面の一つだと思います。

一方、海外やBtoBのブランド確立はこれからです。ゼロからブランドを作りたいと考えている人にもやりがいがあるので、両方の魅力を同時に味わえるチャンスでもありますね。

クラシコでは入社から日が浅いメンバーにも積極的にお仕事を任せる文化があります。ブランドルールを守ることも大切ですが、縛りすぎるのも本人やブランドの成長を阻んでしまいます。自ら手をあげる姿勢がある人は、きっとやりがいを感じてもらえるのではないでしょうか。

──今後の展望について教えてください。

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▲六本木店の店内の様子

今後のマーケティング施策では「新規媒体の開発」と「店舗展開」の2つを考えています。DtoC、BtoB、クラシコの事業はどちらも順調に成長しているため、マスメディアなどを含め、これまで以上に大きなメディアへの投資を検討中です。

もう1つは店舗展開。「オンラインとオフラインをつなげる」をテーマに、新オフィス併設の店舗活用を考えています。地方から「実際に試着したい」という声もあがっていますので、ポップアップやブランドショップとの提携など、様々な可能性を探っていきたいと思っています。

「世界観」を表現するブランディング施策と同時進行で、プロモーションの効果測定も疎かにしない。今後も「数字と結果を大切に、お客さまに必要な情報を届ける」ことを意識した、顧客を置き去りにしない取り組みを心がけていきたいですね。

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