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ocean blue if i were a colour🌊 作品集 https:/…

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ocean blue if i were a colour🌊 作品集 https://chisakubota.wixsite.com/mysite

最近の記事

地平線を濃く染めた

昨晩の会話は、私たちの記念日をいつにするか決めることだった。ポーランド生まれイギリス育ちの彼は、五歳で渡英したため、もはや英語が母語と言っても過言ではない。「きっと台湾や日本では、単語の意味がわかってなくてもシンプルに見た目がかっこいいからタトゥーにした人がいるように、ヨーロッパでもか、かんじ?がかっこよく見えるから入れ墨にした人がいるわけだよね」と。もし漢字一文字で入れるとしたら何がいいかなと冗談で聞いてくる彼。Deep Lを開き、敢えて日英ではなく日波翻訳にした私。「野菜

    • 祝えない誕生日

      数週間前からその日を目で追っていた。カレンダーにも、手帳にも何も書かれていないその日。どう過ごすのだろうか、隣には誰がいるだろうか、私には知る資格がないので、ただただ心の中で親御さん産んで頂いてありがとう、そして今もこれからのどの瞬間も幸せでいますようにと祝うことしかできない。そうやって心の中で唱えたものは少し熱くなって目を瞑ると同時にスッと眠る鼻息と共に遠くへ飛んでいった。

      • 時差ボケ

        「幸あれ」が別れ言葉だった。まだ付き合ってもいない、ただ気持ちを伝えたかった人への。お手紙を持って潔く振られてきたあの日から、一晩で立ち直れたと自分と周囲の者を騙し続けて三週間。遺品は悲しさではなく、人に対する不信感だった。 こう振り返ると私の恋も、地理的な距離だけじゃなく、心のズレもタイミングも、起きている時間帯も、私と同じく時差ボケ常習犯。得てないからこそ広がる想像力で補ったあの超長編映画も上映終了。やっとの事で歩みだしたこの一歩も、おかげさまで停滞している。 グレー

        • 拝啓、大きい方のはんぶんこをあげたい人

          以下の内容は来週に渡すつもりであるお手紙の下書きです。0.3の黒ペンで丁寧に、楷書で始まり、草書混じりではありますが、楷書で締めるよう心がけました。男子は追われると安心して冷めるなんてそんなこと知らない。どうしてもこの去らない想いを伝えたくて。形に残る気持ちは手紙だから。  「風薫る爽やかな皐月になりました。いつもお仕事お疲れ様です。突然のお手紙で驚かせてしまってすみません。  あなたと知り合ってから然程長くないのに、何故かあなたは懐かしさを感じさせる人なので、共に過ごす

        地平線を濃く染めた

          一連

          二年前に買った未開封のミニキャンバス、 機内食で生トマトアレルギー発覚、渡英数日目に生セロリアレルギー、 対抗する皮膚と意志の強い体、 まさか作品作りで窒息、 いざ死にかけると焦る、 卒制作品の機材故障に材料在庫無しのバレンタインに一年前のオンライン授業でどストライクだった先輩に遭遇、 手に持ったフィルムカメラで先輩に声掛けられ、私の作品集を覚えてもらえたことにときめく夜、 卒制の材料で使った石膏に急性アレルギー反応、 先輩コロナ陽性からのお誘い既読スルー、 「帰国後、色のト

          一連

          å¡©æ´¾

          学期末です。大丈夫です。どうやらあと半年で卒業するらしいですこの人。目の前の課題よりも、夢に出てくる人を引きずっていて、締め切りには間に合うようにするから。 気になったら自分から求めるくせにいざ相手が振り向くと今度はチキンになって冷たくしちゃうし(つまり自信がない)、時差で好きな人とは叶わないし、興味ない人には好かれるし、そもそもコロナで人に会っていなかった、マッチングアプリは信用していない。 一人が居心地良いんだけど、フードコートで荷物を見てくれる相手が欲しいし、一緒に

          å¡©æ´¾

          残念

          雲を越えた遥か向こうに想っている人が異なる空色を見上げて夕食の買い出しをしていて、今この瞬間に分厚い雲を渡って目的地の上空1万2000mからダイビングし、猫みたいに着地するか、ギュッと閉じた目を開くと望んだ表情があって、ってどっちでもいいからと小さな窓から覗いて目を潤した時は、大抵映画がつまらないし、まだ除去できない記憶がある。

          残念

          重ね

          同じ時代に生きてる、関わりのない人、関わろうと思わない人、私が自然と避けていた人に初めて同じ時空の中、生きていてよかったと思った某日。今世に会えなかったら、その人の細胞で綴られた面目、仕草、余韻を此の刻に封じ、来世、これを頼りに尋訪したい。

          重ね

          冷酷

          ロンドンから台湾へ帰国してからいつのまに四つの満ち欠けが過ぎた。母の元へ戻り、一緒に生活するのは高校生ぶり。私たちは親子というより友達という感覚で接している。これまでは母の仕事と私のオンライン授業で、一緒に落ち着いて食事や八百屋さん以外の場所へお出かけする機会は二、三回しかないまま、ついに台湾も一日の感染者数が3桁になって来たので外出を最小限控えるようになった。 六月に入り、ふと台所にある、マスが閑地のようなカレンダーに母のくずした字で遺書と書いてあるのに気づくと、その一瞬

          冷酷

          眠れない夜はどうしましょう

          眠れない夜はどうしましょう

          認

          にん、ゆるす。みとめる。みわける。 お久しぶりのnote、皆様いかがお過ごしでしょうか。私は最近パステルブルーやラベンダーのアイシャドウで目頭にポイントメイクをして、可愛らしい色に浮かれてウキウキしながら過ごしております。 ここ数週間、大学で提出する論文の関係もあり、思えば人々が日々している一つ一つの思考、選択、行動は生理的と安全の要求以外で言えば、存在を認知してほしいから、なのではないかという自己結論が出ました。 確かにいます、って口頭でだけじゃ証明できないから、それ

          タイトル未設定でいいの

          憧れも尊敬も嫉妬も好きも心痒さも、 薄柳も勿忘草も青藤も、 幼馴染も知り合いも恋人も片想いも大切な相手も、 舌先で感じる温度も、 この人だけには勝てられないという潔さも、 蜂蜜が流れ落ちる速さも、 思い出す後頭部も、 数分溜めてから開くメッセージも、 期待しないと何度も喚起するのも、 あの子にはいいねするのも、 意識的に目を逸らしてしまうのも、 プレイリストから消した曲も、 今何してるんだろうって考えるだけなのも、 甘えも愛嬌も女子力もギャップも、 過去も今も未来も、 これと

          タイトル未設定でいいの

          言葉にできない感情の行き場

          喜怒哀楽の間に挟まれた無数と、それだけでは名乗れない気持ち、明ける空の色は一色だけでないように。その行き場を私なりに見つけた。というか、ずっとそこは存在していたのだけど、私が気付かなかっただけ。眉目であり、声色であり、体温であり、空気である。 画面と向き合う時間が圧倒的に増えたこの時代に、感情表現が上手い人はきっと言葉の海にて気ままに遊泳し、その上開いた心を疑う余地なく洋に浸からせてるんだと思う。 ある時から私は感情溜め込むのが異常に上手くなった。正負問わず、感情を消すと

          言葉にできない感情の行き場

          肌撫でる温度が春色

          言葉に映る木漏れ日と睫毛に触れる微風 ベランダで小説と日向ぼっこ めくる一行一行の織布 削除と下書き行きの往復切符がたくさん溜まってきた。書けなくなったというよりも、書いたら特別じゃなくなっちゃうからそれが怖い、なのか、単なる執筆倦怠期なのか。感情を、閉ざしてしまったから。触れたくない部分ができたから。不公平で、狡くて、吐き気のする、やりきれないことが起きても、それでもやっぱり明日には笑って生きていかなければならない。それが大人の心構えなのかな。 大人って結局は責任をいつ

          肌撫でる温度が春色

          第一章、終わり

          あまりにも集合場所に来ないから、薄々とは分かっていたけれど。私はもしかしたらという待機時間を少し延長しすぎてしまったみたい。 やっぱり。 憎めないのが悔しい、けれど冷静すぎる自分が少し怖い。声を聴いたらまた待ってしまいそうで、あえて親友に電話伝言をお願いした私はチキンだ。臆病者なりには強気に捨て台詞を言って決着を付けたかったのに、「友達」ってなんだよ。これが片想いのデメリットか。 五年間の間にズレた両想いがあったものの、残り物となった私はもう足が痺れたので帰宅します。温

          第一章、終わり

          いちとにぶんのいち

          言いたいこと、言えること、今すぐ言わない方がいいこと、言えないこと。 家の鍵を手汗で閉めて、エレベーターの鏡で自分と目を合わせて大丈夫、と頷いた。整理整頓はしっかりしたつもりだった。 いざその顔を目の前にすると、台本のページが飛んでいって、順序なんてものは存在しなかった。 去年の夏の余韻は。季節に対する惚れなのか、横顔に対する惹かれなのか。確かなのは、夢の中であなたが私の前で息を引き取ったときの、あの絶望感、無力感と後悔が大粒の涙に代わって、私は朝ごはんのクロワッサンを

          いちとにぶんのいち