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一連

二年前に買った未開封のミニキャンバス、
機内食で生トマトアレルギー発覚、渡英数日目に生セロリアレルギー、
対抗する皮膚と意志の強い体、
まさか作品作りで窒息、
いざ死にかけると焦る、
卒制作品の機材故障に材料在庫無しのバレンタインに一年前のオンライン授業でどストライクだった先輩に遭遇、
手に持ったフィルムカメラで先輩に声掛けられ、私の作品集を覚えてもらえたことにときめく夜、
卒制の材料で使った石膏に急性アレルギー反応、
先輩コロナ陽性からのお誘い既読スルー、
「帰国後、色のトーン、距離感を今までとは違って見えるようになった」、
大学院を受ける決心と作品集の準備、
どストライク先輩が幻に還る、
絵画への道を過去の自分が既に見えていた説、
部屋の極度の乾燥でアクリル絵の具があまりに速さで乾くから追いつかない混色過程、
止まらない涙と終わらない絵、
諦めのため息と横に振る首、
一人で生きていける確信がフードコートで揺らぐ話、
会えない推しは冷める、
時期関係なく推しが撮る推しのフィルム写真は永久保存、
バレンタインの先輩のフィルムはどうすべき、
血液検査で五本分採血されるの巻、
元推しだった先輩を誘った植物園に友達と行くが帰りに熱を出す、
寒さを理由に胃からか脳からか不明な要求を呑みすぎ、
風邪の多様性はいらない、
熱い身体と寒い末端、
四日後の陽性反応、
卒制作りと院の準備のオーバーラップ、
炊きすぎもち麦ご飯のシリコンラップ、
鼻詰まりと鼻水の矛盾、
頼りたくないのに頼らなければ生きていけない事実、
『世界は贈与でできている』を体感した我、
トイレットペーパーはティッシュより成分が単純である、
「日常を見る解像度が変化する」、
「二十代は人生の基盤を作っている」、
行動範囲を広げた者勝ち、


串カツだった。


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