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言葉にできない感情の行き場

喜怒哀楽の間に挟まれた無数と、それだけでは名乗れない気持ち、明ける空の色は一色だけでないように。その行き場を私なりに見つけた。というか、ずっとそこは存在していたのだけど、私が気付かなかっただけ。眉目であり、声色であり、体温であり、空気である。

画面と向き合う時間が圧倒的に増えたこの時代に、感情表現が上手い人はきっと言葉の海にて気ままに遊泳し、その上開いた心を疑う余地なく洋に浸からせてるんだと思う。

ある時から私は感情溜め込むのが異常に上手くなった。正負問わず、感情を消すと解決するものだと思ったのが間違いだった。消してしまうと自分も消えていくから。ある程度溜まると本当に表に浮き上がってくる。体がサインを出してきて、鏡に映る誰かという人を起こそうとし始める。私はその人の流した涙が熱いこと、右眉の痙攣が止まらないこと、指の震えが止まらないことを感じた時にやっとその誰かが自分だったと確信した。

お金はないけど感情であれば子孫に財産分与できそう、なんてね。馬鹿げたこと言って笑えるようになったから平気。行き場はあるから。

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