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あの時もし違う選択をしていたら?2つの選択肢、いわばタラレバ同時並行展開のパラレルストーリー「2つの人生が教えてくれること」鑑賞記録

本作概要

2022年Netflixオリジナル作品。
リバーデイルのリリ・ラインハートが主演でありながら本作のプロデュースを手がける。
フェミニズム映画の多くにインスピレーションを受けている彼女は女性の権利に対する主張も過去に多く、注目を浴びることの多い俳優であるようだ。

https://front-row.jp/_ct/17564392


あらすじ

大学卒業の夜。吐き気に見舞われる彼女は、妊娠検査薬の結果を確かめていた。もし陽性だったら?陰性だったら?この2つの選択それぞれの展開を同時に展開するパラレルストーリーとなっている。


映画を見た率直な感想


タラレバ展開のコンテンツってこれまでもきっと多く存在してきた。
けれど、本作がそういったこれまでの作品と異なる点、それはストーリAであっても、ストーリーBであってもハツラツとしたハッピーエンドであるという点にある。

日々を過ごす中でタラレバに考える人生だけは嫌で、今この瞬間をとにかく充実したものにしようと生きている私にとって、本作は大きなカウンターパンチだった。

というか、純粋に素敵な作品だった。

私にとっての人生のターニングポイント


この映画を観て思ったこと、それは、自分に置き換えた時のターニングポイントについて。

私の人生においても、確かなターニングポイントが存在していた。

このnoteにも度々登場する当時お付き合いしていたパートナーと結婚を考えていた時期。

元々結婚願望のなかった私に、一緒に過ごした時間で結婚したいと一度は思わせてくれた彼。

サプライズ嫌いの私に合わせて、プロポーズはアバウトタイム風に日常の1コマとして、指輪はここのものなんて話をしていた記憶がある。

映画アバウトタイムにて、主人公のティムが交際相手メアリーの眠る
ベッドサイドでプロポーズをするワンシーン


新居はどうしよう、子供は何人持てるだろうか、男の子なら私に似そう、2人とも大好きなグループの所属する事務所に入れようだとか、女の子だったら彼が死ぬほど甘やかしそうなんて話も。

老後はここに一緒に住もう、喧嘩のない私達なら老後もずっと仲良くやっていけそうだよねなんて、根拠のない未来を想像して毎日を過ごしていた。

私からしても、周囲から見ても、もちろん彼にとっても、自分の人生からお互いが消えてしまうなんて微塵も想像出来ないくらいお互いを必要としていて、こんなにお互い幸せを感じていた日々を私は突然無碍にした。

私の人生これで良いのかと考えた時に、彼は確かに私のソウルメイトであるけれど、彼とは人生を共にできない、彼とは良き友人でいたいと考え、お別れしてしまったのだ。

振り返れば、騒がしい私とは対照的に感情の波がなく、穏やかそのものだった彼は、私がとてつもなくしんどく、メンタル状態を崩し、通院していた時を始めとして、本当に菩薩のようなスタンスで心から支えてくれたひとだっ
た。

本作で妊娠検査薬の結果が陽性だった際に彼女を支えるパートナーとして登場し、献身的に彼女を支えている男性に昔の彼を重ねて思い返してしまった。

当時の私は与えてもらうばかりで、私から与えることができていなかったなぁとも振り返る。

ギブアンドテイクの関係じゃなくても良い、与える状態が続いても構わないという彼のスタンスに甘え続け、それ以降私は求めるばかりのモンスターに成長してしまったんだと思う。当時の私のそんな恋愛を思い出すきっかけになった。


あとひと匙の楽観思考


彼と別れて以降、未練であったり後悔はないし、今の生活に満足はしている。

今のパートナーも、過去の彼とは全く違うタイプの性格で、彼と過ごす日々に確かな幸せを感じている。

当時結婚に至らなかったかつての彼も、私と別れた後に出会った女性と結婚するらしいと風の噂で聞いた。

ただそれでも、もしあの時違う選択をしていたら?と考えてしまうことだってあったのが現状だった。

けれど、この映画を観て、人生でここぞというタイミングの選択をする際に、どちらの選択をしたかがそこまで重要ではないということ。

どちらの人生を選んでも、とてつもなくハッピーな事象、どん底まで落ち込む事象なんて同じ分量で降りかかってくる。

要は降りかかってくるタイミングが違うだけ。

この選択をしたから私は不幸になる…なんてことは全くなく、自分が人生の舵取りさえしっかりしていれば良いだけの話。

本作がオリジナリティを感じさせられ、印象深い作品である要因でもある、主人公がハツラツと幸せに生きている2つのエンディング。

今の現状を的確に捉えて、この選択で果たして良いのか?という問いかけはしていきつつも、なるようになる!、人生こんなもんだ、C'est la vie!精神が私にはもっと必要なのかもしれない。

仕事、恋愛、人間関係、自分の将来について、しばしば私は考えすぎ、悩みすぎている。

あとひと匙、楽観的に物事を捉えられたら、もう少し私の人生は豊かになりそうだなぁと思わせてくれる素敵な映画でした。


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