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映画と本と美術と旅と。インプットしたものたちから、溢れ出た自分の思いを書き溜める場所に。

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最近の記事

子育てしているママにぜひ観てほしい。可愛い子には旅をさせよってこと。「哀れなるものたち」鑑賞記録

▼本作概要 ▼あらすじ ▼この作品の注目ポイント工夫された色彩と撮影テクニックによる圧巻の映像美 実力派俳優陣による演技合戦祭り 独創的なファッション、装飾品の数々 ▼人が成長する上で重要なこと前述したポイントはさることながら、本作品で私が語りたいのは、このテーマ。 ・欲望のままに生きるのか、思考の末に自分で作り上げた人生を歩むのか 主人公ベラが脳を移植し、蘇生され、0歳児の状態からベラが成長していく過程を見ることの出来る本作。 乳幼児がそうであるように、初

    • いつだって「私たちの未来には無限の可能性があり、数えきれないほどの人生の選択肢がある」ラストレター鑑賞記録

      本作概要 あらすじ オープニングでの引き込み具合。ようこそ、岩井俊二ワールドへ 静かな雨音。そして水辺から聞こえるせせらぎの音。 ゆったりと進んでいくこの物語をまるで表しているかのように穏やかに始まるオープニング。 そして、広瀬すずの隣でまだあどけないながらも圧倒的演技力を放つ森七菜の存在感に目を奪われる。 画面からマイナスイオンが出ているんじゃないかと感じるほどの清らかな水辺シーンでスタートする本作は何度鑑賞したか、原作を読み込んだか分からないほどに愛する作品だ。

      • あの時もし違う選択をしていたら?2つの選択肢、いわばタラレバ同時並行展開のパラレルストーリー「2つの人生が教えてくれること」鑑賞記録

        本作概要 あらすじ 映画を見た率直な感想 タラレバ展開のコンテンツってこれまでもきっと多く存在してきた。 けれど、本作がそういったこれまでの作品と異なる点、それはストーリAであっても、ストーリーBであってもハツラツとしたハッピーエンドであるという点にある。 日々を過ごす中でタラレバに考える人生だけは嫌で、今この瞬間をとにかく充実したものにしようと生きている私にとって、本作は大きなカウンターパンチだった。 というか、純粋に素敵な作品だった。 私にとっての人生のターニン

        • ”Do you want to be right or to be happy?”–過去の私にとっての教訓映画「セレステ∞ジェシー」鑑賞記録

          本作概要2013年公開。直近ではゴシップガールでお馴染み、かつライアン・レイノルズとのおしどり夫婦具合が度々話題にのぼるブレイク・ライブリーが主演したことでも話題の「アデライン、100年の恋」。こちらを監督したリー・トランド・クリーガー監督作品。あらゆる意味で大きな波紋を呼んだトイストーリー4の脚本を務めたラシダ・ジョーンズ主演の本作。全米でわずか4館の上映館数から口コミでの話題をさらい、多くの女性の共感を生み、586館まで上映館数を拡大した話題のこちら。 あらすじ ラシ

        子育てしているママにぜひ観てほしい。可愛い子には旅をさせよってこと。「哀れなるものたち」鑑賞記録

        • いつだって「私たちの未来には無限の可能性があり、数えきれないほどの人生の選択肢がある」ラストレター鑑賞記録

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          「ノマドの生き方が好きなのは、最後のさよならがないから。」現代のノマド生活はいわばグリーフケアの一環だった。オスカー大本命と言われるノマドランド鑑賞記録

          【本作概要】2021年公開。中国人監督クロエ・ジャオ作。主演を務めるフランシス・マクドーマンドは製作にも携わっている。本作では彼女と、デヴィット・ストラザーン以外に俳優は起用されておらず実際に車上生活を送っている人々が起用されている。 あらすじ リーマンショックの影響によって、住み慣れた企業城下町を去ることになるフランシス・マクドーマンド演じるファーン。彼女は先にこの世を去った夫との思い出から、家族との思い出まで、これまでの人生のあらゆる思い出とともにキャンピングカーでノ

          「ノマドの生き方が好きなのは、最後のさよならがないから。」現代のノマド生活はいわばグリーフケアの一環だった。オスカー大本命と言われるノマドランド鑑賞記録

          いわば和製版ララランド?どんな人にも刺さる。とにかく共感を呼んだ「花束みたいな恋をした」

          【本作概要】2020年公開。「ビリギャル」で一躍その名をしらしめた土井裕泰監督、「カルテット」で知られる坂本裕二脚本。有村架純と菅田将暉主演作の恋愛映画。 あらすじ 明大前駅で終電を逃した男女が出会い、趣味も価値観も同じと意気投合したそんな2人の恋愛模様が描かれていく本作。 2人の馴れ初めから、恋人同士になって行く様子、それからの2人のその後の未来までが描かれている。 マーケティング的秘策本作は恋愛映画として、主演2人はもちろん、製作陣のネームバリューも相まって、公開決定

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          ライオンかキリンを選ぶなら? 【人生はビギナーズ】鑑賞記録

          【作品概要】 2012年公開のアメリカ映画。マイク・ミルズ監督作。ユアン・マクレガー主演、助演のクリストファー・プラマーは本作でアカデミー賞、ゴールデングローブ賞共に助演男優賞を獲得している。 あらすじ ガンを患い、先が長くないと悟ったことで、同性愛をカミングアウトする75歳の父と主人公であるその息子。親子なのにその恋愛観は真逆で、75歳になって初めて愛に生きる生き方を始める父と、いつまで経っても恋愛に対する臆病さが抜けない息子。そんな彼が年下の奔放な女性と恋に落ち、関

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          どんな環境でも時間は未来にしか進んでいかない。Netflixオリジナル作品「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」鑑賞記録。

          作品概要 2020年Netflixオリジナル作品。 「ヒルビリー・エレジー: アメリカの繁栄から取り残された白人たち」 という、J・D・ヴァンスによって執筆された原作が元となる本作。 ロン・ハワード監督、エイミー・アダムス、グレンクローズ主演作品だ。 あらすじ主人公であるJ.D.ヴァンスは名門イェール大学に通っている。母の世話のため、自分の生まれ故郷に帰ることを強いられる主人公。忘れたいと思っていた過去を否が応でも思い出してしまい、過去を回想しながら、現代との2つの時間

          どんな環境でも時間は未来にしか進んでいかない。Netflixオリジナル作品「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」鑑賞記録。

          死んでも生あるごとく貴方に永遠の想いを。【永遠の僕たち】鑑賞記録

          【作品概要】2011年公開アメリカ映画。儚くて、切なくてでもどこか美しくて可愛らしいラブストーリー。マイ・プライベート・アイダホやMILKでお馴染みのガス・ヴァン・サント監督作。デニス・ホッパーの息子であるヘンリー・ホッパーとミア・ワシコウスカ出演作。第64回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でオープニング上映作品です。 【あらすじ】臨死体験をしたことで、「死」にトラウマを持ち、死に囚われ続けている少年イーノック。唯一の友人で、彼だけに見える青年ヒロシ。そんな死から逃れ

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          映画三昧な連休。幸。初めて訪れたキネカ大森、ビルは少し古いのかもだけど、映画館のフロアである5Fに降り立った瞬間、映画愛に満ち溢れる素敵空間だった。今週の名画座コーナー、スタッフの方々のおすすめ作品コーナーなどなど。これは通うぞ〜〜 #キネカ大森 #映画 #生きちゃった #名画座

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          仕事のランチタイムに武器よさらば下巻読了。 「雨が降っていた」の一文の重み。

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          私が住んでいた街、国のお話。

          学生時代、1年間私はフランスのリールと言う街に住んでいました。 フランスの最北。ベルギーと国境を接するこの街は文化的にもベルギー文化とフランス文化が入り混じっていて魅力的な土地です。 大学が多く、学生街としても有名。 サッカーチームなんかでも有名。 近年だと、映画「アデル、ブルーは熱い色」のロケ地だったりもします。 最近Netflixで話題の''Emily in Paris''を観て思うことがしばしばあったので思いつきで書いてみたくなった。 日本だと(ドラマの中では

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          「愛する時は、そのために何かをしたくなるものです。犠牲を払いたくなるものです。奉仕をしたくなるものです。」老人と海以来のヘミングウェイ。武器よさらば上巻読了。ここ2年くらい詩集とか純文学が好き。

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          未来は常に過去を変えている。小説・映画「マチネの終わりに」が懐古主義者の胸をえぐるワケ

          唐突ですが、ここ最近、私の中でクラシック音楽ブームが来ている。 いわゆるベートーベンとか、バッハとかモーツァルトとかその辺りのザ・王道クラシックではない。(一時期のだめカンタービレにはまっていた当時はこの辺にも手を出したことがあるけれど。笑) そんな私に唐突にクラシック音楽ブームが訪れたきっかけは、映画「ベンジャミンバトン」で流れた、あの音楽だった。 Bethenaというタイトルの曲。ベンジャミンバトンで流れると、パブロフの犬かの如く、涙が出てきてしまう謎現象に毎度見舞

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          全ての映画好きの原点。コロナの今だからこそ映画館に思いを馳せる、郷愁と愛の「ニューシネマパラダイス」

          1作目のレビューはnoteのURLにも埋め込まれている、私の大好きな作品「ニューシネマパラダイス」(原題:nuovo cinema paradiso)を。 1988年公開のイタリア映画。ジュゼッペ・トルナーレ監督作。 郷愁 nostalgiaと愛 amore。 この2つが作品の初めから終わりまで一貫して描かれ続ける作品。 そして、いつの時代においても存在する娯楽としての‘‘映画’’というものが人々に与える役割をしっかりと感じさせてくれる本作。 映画が好きな私にとって

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