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”Do you want to be right or to be happy?”–過去の私にとっての教訓映画「セレステ∞ジェシー」鑑賞記録


本作概要

2013年公開。直近ではゴシップガールでお馴染み、かつライアン・レイノルズとのおしどり夫婦具合が度々話題にのぼるブレイク・ライブリーが主演したことでも話題の「アデライン、100年の恋」。こちらを監督したリー・トランド・クリーガー監督作品。あらゆる意味で大きな波紋を呼んだトイストーリー4の脚本を務めたラシダ・ジョーンズ主演の本作。全米でわずか4館の上映館数から口コミでの話題をさらい、多くの女性の共感を生み、586館まで上映館数を拡大した話題のこちら。


あらすじ


ラシダ・ジョーンズ演じるセレステとアンディ・サムバーグ演じるジェシー。とにかく仲が良く、誰からみても理想的な夫婦であり、カップルであり、バディだったそんな二人。会社経営者でバリキャリまっしぐらのセレステと、アーティストの芽で夢追い人なジェシーは喧嘩が絶えなくなり、離婚することに。離婚することを決めてからは不思議と喧嘩も減っていき、関係値に改善が見られていく。そんな離婚調停中の2人の関係性に焦点が当てられた物語。




オープニングがファッキン最高な件


まず始めに。本作の内容に触れていく前にこれだけは言いたい。

本作の始まりは、私がこれまで数多く観てきた映画作品の中で5本の指に入る名オープニング作品であることを。

1本はベイビー・ドライバーのあの爽快オープニングシーン×タイトルバック

2つ目はジョン・F・ドノヴァンの死と生

アデルの爆イケソングとともに映し出されるタイトルバック。

※きになるかたはU-NEXTにて

タイトルバックでバシッと決めてこられるオープニングが好きなのかも。

そしてあと2本は今咄嗟に出てこない。(え。


とにかく断言して良い、本作オープニングはとにかく最高にイカした始まり方をする。

少し前の記事で書いた、「花束みたいな恋をした」予告にも登場する、

”始まりは終わりの始まり”的なニュアンスオープニング。

該当記事は以下へ。


恋愛ソングでお馴染みリリー・アレンのヒット曲 ”Littlest Things” をBGMに物語は始まっていく。そして私の大好きなタイトルバック。



二人が付き合い始めた時間軸から、二人だけで過ごす楽しげなデートの様子、結婚式からはたまた二人のすれ違いまで。


幾つもの、何枚もの写真が画面に映し出され、解説の言葉がなくても二人がどんな時間をともに過ごしてきたかが冒頭の1分ほどで紹介される。


とにかくオープニングがファッキン最高(口悪)なのだ


本作は、私にとっての教訓映画である件。


タイトルで言及した。本作は、過去の私にとっての恋愛教訓作品だと。


どういう意味かと言えば、本作を観るという作業には、自分自身で認識している対人関係における自分の弱さや、短所を再認識し、その時一緒にいるパートナーへ改めて自分と共にいてくれるありがたさを伝える、そんなきっかけ作りの役割が込められている。


私はどうやら忘れっぽい。そして衝動的な性格だ。

自分で自分の脳内の思考についていけなくなることがあるくらい、とにかくいつだって脳内がめまぐるしい。


24時間、365日ぼーっとしていることはなく、過去にぼーっとすることが1日の1/ 4を占めているんじゃないか?って人、例えるならカピバラみたいな人(何なら本人にも伝えていたし、彼も受け入れていた笑)と一緒に生活していたときは、自分がいかに騒々しい生き物かと思い知らされた。


そんな私はパートナーとお付き合いしているときもこんな様子なので、度々

「昨日はこう言っていた。突然変わったその思考についていけない。」

「巻き込まないでくれ、勝手にやってくれ。」

「誰かと付き合うのに向いていない。ひとりで生きていけ」


なんて辛辣な言葉とともに、振られていくこともしばしばで。


自分は社会不適合者なのか?なんて都度反省はしていたものの、恋愛体質の私が誰かと恋に落ちないなんて毎度無理なので。


誰かとお付き合いする度に、今度こそはもうそんな発言を引き出さないようにと、慎重さを取り戻さなきゃなんて考えることがとにかく多かったように思える。


そこでだ。

こんな私を受け入れてよ!理解してくれた上で一緒にいてくれるんでしょ!

なんて甘っちょろい考えがまかり通らないことは過去の経験から100も承知で。

何ならパートナーだけでなく、友人から同様の発言をされてきたこともある。家族からも。


そんな私にとって、セレステのジェシーを失って行く過程を描く本作は、私へのアラーム的な役割を果たしている。だから定期的に本作を観る。


別れてからも友達でいられると思い込んでいる二人、というかセレステ。

元旦那であるジェシーが別の女性との幸せを考え始める中、相手を卑下し、自分の何がいけなかったのかに気づけないセレステ。


私はいつだって正しかったはずなのに…


正しくありたいのか、幸せになりたいのか?


そこで、そんな傲慢モンスターであるセレステと、ヨガ教室で出会うある男性から発せられるこのセリフ。

これがとにかく響く…


”Do you want to be right or to be happy?”
正しくありたいのか、幸せになりたいのか。


常に自分の価値観、軸となる思考に背くことなく信念を貫いてきたセレステ。

そこで思い返す。

「自分の正しさばかり突きつけてこないで欲しい。君の正論にはうんざりだ」

こんなセリフを過去に言われたことがあった。


正しいか正しくないか。

(※ここでの正しさとは自分の信念に沿っているかという観点)

そんなことは人生を生きる上でどうだって良い。


そう気づけるまでに私はとてつもなく時間がかかったし、何人にも渡って多大な迷惑をかけて生きてきた。

誰かに自分の正しさを押し付けるのは本当にお門違いで。


今の私は、これまでの自分の持ち合わせてきた軸はぶらしたくないけれど、ある程度「正しさ」の追求は捨てて生きたいと考えている。

※モラルとかそっちの正しさはしっかり守って行きたいけど。


誰かと一緒に歩んで行くのであれば、正しさの追求じゃなく、共に幸せになる道を見つけて行きたい。


自分と一緒にいてくれるパートナー、家族、友人たちへの感謝を忘れて傲り高ぶりモンスターとしての片鱗が見えた際には、手遅れになる前に、本作を見返すことがきっかけになれば良い。

行動を見直すきっかけにしていきたい。

二人のおふざけシーンは何度見てもほっこりするね。




自分にとっての大事な一本のご紹介でした。


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