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不安、海に流す-サンディエゴ

旅、1日目。

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〈出発直前の部屋〉

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〈荷物、何キロあったんだろ〉

留学先のホストの家から、アムトラックステーションまで大荷物を抱えて。
ホストマザーが、タッパーに入った大量のさくらんぼを持たせてくれた。
でもそれすらも荷物なので駅に着く頃には全て平らげた。
人生で、こんなにもさくらんぼを邪魔だとおもったことはないし、
これからも、あれほど急いでほおばるさくらんぼはないだろう。
駅までは2時間弱はかかったと思う。それなのに私は
その後、半べそで家に戻った。


忘れ物をしたわけじゃない。


一家のおばあちゃんに、
ちゃんとサヨナラを言わなかったからだ。。


後悔から始まるこの旅。

自分ってやつはいつもそうなのだが。
駅に着いてからもやはりおばあちゃんのことが気になって
最後にひとめみたいと会いに舞い戻ってしまったのだ。

そんな私におばあちゃんは、別れを惜しんでるのか惜しんでいないのか
わからないほどひょうひょうと挨拶を返した。。


その後、また時間をかけて駅に舞い戻り、
いよいよアムトラックに乗り込むのだった。


すると、駅で留学で最もお世話になったティアナに、偶然会い、見送られた。
ティアナは逆の方向の電車に乗っていとこに会いにいくという

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〈アメリカで最も仲良くなれた人と、これが最後のお別れの形〉


列車とバスの中から見る街が暗くなっていくのは恐ろしかった。
朝方バスを降りる時、アメリカでおなじみのサイズまで太った女性のバスガイドさんは私の足を見て
「スパゲティーレッグス!(細い足!)」と言って大きな声で笑うと、
その声が全身にビーンと電流のように走った気がした。

スパゲティーレッグスで、一体、どこまでいけるんだろう。
自分の足を見つめ、体はこわばり、不安でいっぱいになった。
ここから、なにをしても、それが私の旅になる、という
謎の責任感を抱えて、何をしたら、後悔しなくて、何が最善で、完璧なことなのか、
というくだらないことを考えて楽しめない。

不自由な脳みそを抱えて、夜明け、サンディエゴに着くと、
初めて1人でタクシーをつかまえ宿を探した。
(本当に、なにもできない子)


数日の観光。
覚えているサンディエゴの景色は、
のんびりとした街、海岸でみた夕日の美しさ。
いつかこんな街に住みたいな、と強く思ったことだ。




暑さの中、海にたどり着くまでの道のりは、何時間もかかった。

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〈どこでバスに乗ればいいのかさえわからなかったのだ〉


不安を、海に流してしまおうとした。

旅って。。。何をすればいいんだろう。

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〈自由でいいのかも〉

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〈鳥のように〉

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〈でも自由ってなんだろ〉

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〈。。。。〉

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〈おしえてリスちゃん!〉




沈没宿

どこの宿に行っても満室で、タクシーのメーター料金がどんどん上がるのが恐ろしくなり
日本でいうとこのアパホテルみたいな、Motel6でおろしてもらった。

モーテル 6 サンディエゴ ダウンタウン

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〈荷物が暴れてる〉

予約を取ってなかったのでオンライン予約するのに、
モーテルの待合室で2時間以上もうだうだする。
予約をとってなかったのはわざと自分を追い込むためで、
ここでつまずくわけいかないという、
自分の気持ちを奮い立たせるため(そんなばかな)。
当時、アイフォンをもってなく、wifiを拾うのも一苦労。
旅にネット環境は必須だ。。


自分の荷物の多さに改めて驚愕し、4分の1くらいをこの部屋に置き捨てた。
一番多かった荷物は、なぜか生理ナプキンだった。


***

●28日から気になった物をなるべくメモしてあるいている。
何不自由ないけど、それがたまに不自由な気がする。
たとえば、昨日の夕日を追いかけなかったこととか、例えば穴場な海岸に出かけなかったこととか。●

went to Horton Plaza Postal Store

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オーシャンビーチにいった。

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〈不安や緊張が、大自然の力によって緩和されていくことを願う〉



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