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あだ名を禁止したらいじめは減ったのか?

こんばんはこんにちわ。
元公立高校理科教諭のちょぼ先生です。

いじめ防止の目的であだ名禁止の学校増加

過去にスタエフでこんな配信をしました。

当時の産経新聞の記事を取り上げて、あだ名を禁止すればいじめは減るのか?というテーマでお話しました。
ここ2、3年、あだ名で呼ぶことを禁止する小学校や名前に必ず「さん」を付けて呼ぶことを推奨する学校が増えてきているんですよね。
ネット記事でも多く取り上げられております。


あだ名禁止は賛成?反対?

このあだ名禁止の流れは賛否両論ありまして、賛成派と反対派に分かれておりますが、「禁止すべきではない」が圧倒的に多いというアンケート結果も出ております。
このアンケートは、SELFがスマートフォンアプリ『SELF』の利用ユーザー6,267名を対象にした「あだ名禁止」に関する意識調査の結果を発表したので、そちらから引用します。

大多数の人が、あだ名に対しては肯定的な考えのようです。
さらに性別・年代別の傾向も調べており、その結果が以下になります。

男性においては、年代が上がるにつれて若干ではあるものの、「禁止すべき」と回答した人が多くなる傾向が見受けられますね。
その一方、女性では、男性より顕著に、若年層ほどあだ名には肯定的な傾向が見られ、年代が上がるにつれ「禁止すべき」という声が多くなっています。
このようなデータが示すように、あだ名に関して、大多数は肯定的なんですよね。
じゃあなぜ、教育界は、あだ名を禁止するような流れに持っていきたいかというと。

あだ名禁止の目的は「いじめ防止」

その大義名分は、「いじめ防止」であります。
あだ名で呼ぶことによって、それがいじめにつながるという理由であだ名禁止の学校が増えている現状とのことです。
まぁ確かに一般的にあだ名といえば、身体的な特徴や個性を揶揄することが多いのでそういったものは注意しないといけないですが、なんかやり過ぎではないかなと思います。

私も小中学とメガネをかけていたので、よく「メガネ」とか言われてましたね。
中学校の時、先生にも「メガネ」って言われた経験ありますからね。
体育の授業でドッジボールをしていて、私が投げたボールが、相手チームの子の頭に当たってしまい、その時に先生が、「今のは、頭に当てたメガネのお前がアウトや!」と言われましたね。理不尽なルール笑。せめてセーフやろ(そこじゃないか笑)?そして「メガネ」っていうなや。
それから、私の頭はちょっと天パ気味で、チリチリしてたので、その特徴から、・・・・ここでは書けないので、そのあだ名は想像に任せますね笑。

まぁ私の場合は、そこからいじめとかには発展しませんでしたが、あだ名からいじめに発展する事例が多く見受けられるなら控えた方がいいと思いますが、実際の現場ではどうなんでしょうか?

なんでもかんでも禁止にすればいいというもんではないと思いますけどね。
ただなんとなくあだ名はよくないっぽいから禁止にするのは、ただでさえ多忙な教員の仕事を増やすのではないかと危惧してしまいます。

あだ名を禁止していじめは減ったのか?

ここ2、3年であだ名禁止の学校が増えている現状を踏まえて、実際にいじめの認知件数はどうなのかを見ていこうと思います。

画像出典:文部科学省「令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査概要」より

2021年度の小中高等におけるいじめの認知件数が61万5,351件と過去最多となったことが、文部科学省が2022年10月27日に公表した「2021年度(令和3年度)児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」で明らかになった。

とのことです。
・・・・・いやいや逆に増えてるやん!
まぁいじめの基準は、ころころ変わるし、調査件数にもバラツキがあるので一概に増えたとは言えませんが、過去最多になったことは大変な事情であることには疑いはないですね。
これはコロナ禍の影響もあるのではないかと考えますね。
リアルな場面ではなく、ネットいじめの増加ですね。オンラインとかタブレット端末の普及で、電子媒体の使用のハードルも下がりましたし、SNSとスマホの普及で誰もが書き込んだり意見を言うことができますからね。
あだ名を禁止することよりも、ちゃんとしたいじめに関するこういったデータがあるのだから、そこからどういった対策を学校でするべきかを考えるべきですよね。

いじめの認知件数が、過去最多となったので、あだ名を禁止にして抑制に向かうよう努力するっていう流れになるのかな。すごく聞こえの良いことかも知れませんが、なんか違うような気がしています。

いじめの真の問題はどこなのか?

あだ名で呼ぶのを禁止しないで、あだ名に対する認識をゆるめたことで、学校、学級が荒れたり、いじめが発生して、うまく学級運営できなくなったりするのなら、大抵、真の問題は別のところにあると思います。
例えば、家庭環境であったり、交友関係でストレスがあったり、あるいは授業がほとんど理解できずに学校がつまらなかったり・・・。

あだ名はいじめにつながるんだという単細胞な考えではなく、教員はいじめが生じてしまう「真の問題」にもっと向き合うべきではないかなと考えます。
あだ名禁止という締め付けが、かえって生徒たちの反発を招く可能性があるので。
あとは文科省も適切な対策をしっかりと構築して下支えしてもらいたいですね。

多忙を極める教員の仕事が少しでも改善されることを願いながら、小さな叫びを続けていきたいと思います。

それではまた。

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