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悲報!教員不足で「40人学級」の可能性〜見直される少人数学級〜

こんばんはこんにちわ。
元公立高校理科教諭のちょぼ先生です。
 
今日はこちらの記事を取り上げます。

 沖縄県教育委員会が、学級担任未配置を防ごうと、次年度から公立小中学校1学級当たりの児童生徒数を増員する形で見直す可能性のあることが分かったとのことです。
沖縄県教委は、「まだ何も決まっていない」と回答を控えたが、先週、各教委に「正式決定ではない」とした上で、可能性があることを伝えたとあります。
 まぁこれはもう「やりますよ」のフラグやなと。
さらに山口県でも少人数学級を維持することが難しいとして、1学級当たりの児童生徒数の上限を35人から38人に増やすみたいですね。
両県とも深刻な教員不足を背景に挙げているところがもう末期症状な気がしますね。

萩生田元文部大臣肝いりの小学校35人学級

 令和3年3月に約40年ぶりとなる学級編成の標準の一律引き下げの法案が可決されました。簡単に言うと、1学級当たりの児童数の上限が40人から35人になったということです。(旧制度では、手のかかる1年生のみが上限35人)
下の図のように、学級編成を5年かけて40人から35人に引き下げるとしています。

参考:小学校における35人学級の実現/約40年ぶりの学級編制の標準の一律引下げ/
文部科学省を参考に図版を作成

少人数学級を実現させようとするならば、それだけ教員の数が多く必要になります。
例えば、学年全体で120人の生徒がいたとして、
40人学級の場合→3クラス(40人×3クラス)
35人学級の場合→4クラス(30人×4クラス)
となり、担任の先生がもう一人必要になってきますよね。
全国規模でこのようなことが起こってきますので、その分の人件費がかさむことが予想されます。
なので当時の財務省はめちゃくちゃ渋っていたとのことです。
教育に投資する気はないんかね・・・。
 
 財務省の圧力にも屈せず、萩生田元文部大臣は、この法案を可決に導き、こんなことを述べております。

「私はやはり将来を担う子どもたちへの投資というものは、これは誰もが認めていただける、そういう価値観をこの日本の国会は持っていることが極めて大事だと思っていまして、そういう意味では、とりあえず、35人の第一歩を踏み出しますけれど、やはりそれは少人数学級にしたほうが子供たちの学びはよくなるよね、学校が楽しくなるよね、子どもたちが明るくなったよね、多様な評価を皆さんでしていただいて、その成果を中学校、高校へとつなげていくことが必要だと思っていますので、しっかりその方向に向かって努力をしていきたいと思っております。」

令和3年3月30日の参議院文教科学委員会

いやいや結局もとに戻るんかーい

そして、冒頭の沖縄県の記事に戻る。
結局、振り出しに戻ってるやん。
むしろ今の教育界の現状があからさまになってマイナス面の方が大きいような。
35人学級を実現するためには、教員の増員をセットで考えなければならなかったのは、素人が見てもそう思いますよね。
そこにはなにも対策を講じなくて、理想論だけで教育を考えてしまったんでしょうか。

大々的に報じられたのは、今のところ沖縄県と山口県だけですが、いずれは全県に波及する問題だと思いますね。
その証拠に、そもそも教員が足りてないですからね。
共同通信が2018年に取材したところ、全国47都道府県と20政令指定都市のうち、26都道府県と9市で、公立の小中高の教員が、定数に対し少なくとも計600人不足していたことがわかっています(共同通信2018年7月1日)。しかも、「不足しているが人数を非公表とした」6つの県と市があったので、実際の不足数はさらに多いとのことです。

「教員の数が少ないけど、40人学級でやれているんだから、今後も加配はなしでいいよね?人件費削減だ!グヘヘ。」
そんなほくそ笑む財務省の姿が見えた気がします。

結局なにも変わらない教育界だけど、声を上げることは必要だと思います。
現場の先生はそんな声も上げられないくらい多忙で疲弊しきっています。
教育現場が改善されることを願いながら、私は小さな叫びを続けていきたいと思います。
 
それではまた。

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