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#フロイト

フロイト「精神分析入門 下巻」(1917年)

フロイト「精神分析入門 下巻」(1917年)

上巻は夢判断に関する話題だった。
下巻は神経症に関する話題がメインとなる。

読んでいて思った。
夢判断も神経症の発作も、人間の内面にあるドロドロしたものが形を変えて表に出てきたものだ。
フロイトの講義は基本的に、他者とのかかわりあいにおいて出てきた症状について話している。
そう、他者の存在が前提になっている。
そのポイントをさらに踏み込むと、フロイトがこの本を書いたのも、誰かが読むから書いたので

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ハイデガー「存在と時間5」(1927年)

ハイデガー「存在と時間5」(1927年)

人間は普段、日常生活において現実世界に頽落してしまっている。つまり、人間本来の姿ではなくなってしまっている。
それが、不安によって、本来の自分が見えるというのがハイデガー( 1889年9月26日 - 1976年5月26日)の主張。
フロイト(1856年5月6日 - 1939年9月23日)も、不安という現象が人間の精神を深いところで刻印していると考えていた。同時代の人がこういうことを考えるのは面白い

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フロイト「精神分析入門 上巻」(1916年-1917年)

フロイト「精神分析入門 上巻」(1916年-1917年)

古典なだけあって面白いが、逆に疑問もわく。

当時と現代では当然時代が変化しているので、どの程度現代にも有効なのだろうか。
夢の解釈の話でかなりの分量をさいているが、あくまでもタイトル通り「精神分析」がテーマなので、「夢占いのハウツー」ではない。
といったあたりは留意点としたほうがよいだろう。

おもしろいと思ったのは、
・人が言い間違えたり、忘れたりするのは、深層心理でそれをガードしている。

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