ERI KURODA

女性誌編集者/舞台オタク/人一倍の食い意地/EAST TOKYO

ERI KURODA

女性誌編集者/舞台オタク/人一倍の食い意地/EAST TOKYO

マガジン

  • レシピ記録帖

    本当においしかったものだけ!

最近の記事

  • 固定された記事

誰が想像しただろう

仕事がテレワークになって、編集部に行くのは週2回、多くても3回になった。もともと出不精なタチなので、この調子で社会が元に戻った時、私も元のスタイルに戻れるのか、不安になってくる。 昨日は久しぶりの出勤。電車の人はまばら。ななめ前の方で、座席に除菌スプレーを「もういいんじゃないか?」というくらい吹きかけている人がいた。その後座っていたけど、お尻が濡れてないか心配。 その帰り、のろのろ仕事していたら、地下鉄の終電に間に合わず、最寄りのJRまでタクシーに乗ることにした。慌てて止

    • おしゃ部屋への道①

      小さい頃、「30歳」というともう「おばさん」だと思っていた。 かすかな記憶によると、クレヨンしんちゃんで実家暮らしの幼稚園の先生を、しんちゃんが「三十路にもなって……」とディスるような描写があって(今だったら炎上案件)なんとなく30で実家暮らしは恥ずかしいことなんだという意識があった。(全くそんなことはないのだけど) そして私は30まであと3カ月というタイミングで、ついに一人暮らしを始めることにした。ここ、足立区の新築23.47平米、バストイレ別独立洗面台、ゆったりクロー

      • 〈レシピ〉朝のトーストフルコース的な

        最近のリモートワークで、私と会社のK先輩の料理レベルはうなぎ登り。 たまの出社の機会には、そのK先輩と料理に関する情報交換をするのがお決まりだ。 先日、聞いただけでオシャレなトーストレシピを教えてもらった。 バナナトースト 〈材料〉 ・食パン 1枚(ドイツパンなら2枚) ・バナナ 1本 ・クリームチーズ 適量 ・ココナッツオイル スプーン1杯くらい ・シナモンパウダー 適量 〈作り方〉 ①パンをトーストする。 ②バナナを薄くスライスする。 ②フライパンでココナッツオイ

        • マガジンハウスの書類選考に落ちた日

          懐かしい日記を発掘してしまった。(長いです) 読み返すと切ない......そしてなんか若い。 過去の自分に声をかけるとするなら、授業に遅刻するのを何かのせいにするのはやめよう。 2014年6月4日  鈍いバイブ音が響いた。しばらく選考のメールなんてなかったから、どうせまた聞いたことがない引越会社の説明会案内か、「ES不要!選考直結!」とかいう胡散臭いタイトルのメールだろうと思った。またそれだったら今度こそリクナビの会員やめてやる、と心に決めて、かばんから携帯を取り出した。 

        • 固定された記事

        誰が想像しただろう

        マガジン

        • レシピ記録帖
          4本

        記事

          〈レシピ〉チリポテトエボリューション

          もうそろそろ新たまねぎのシーズンが終わってしまう。しみじみとした気持ちでスーパーの新たまねぎを見つめていたら、その横に新じゃがいもが売っていた。そうか、じゃがいもにも「新」があるんだ。普段よりみずみずしくおいしそうに見えてカゴに入れた。 私はじゃがいもの下処理が嫌いじゃない。亀の子たわしでゴシゴシ洗い、芽を摘んで、皮をむく。この一連の作業を無心でできるのがいい。虫が苦手な自分にとって、唯一できる土いじり的作業だ。逆に、皮をつけたままゆでたりして、あっつあつの状態で皮をむくの

          〈レシピ〉チリポテトエボリューション

          ニュースの監視タイムが怖い

          GWの幕開けとともに、日本全体の緊張感がより高まっていると感じる。 それは当然だ。「早く封じ込めたい」これは国民ほぼ全員の願いだろう。 今日テレビをつけながら作業をしていたら、4日間連続でパチンコに来ているという女性のインタビューが何度も流れた。「別にかかってもいいと思ってるんで。リスク?負けるリスクくらいですかねw」という今の敏感な社会を逆なでするような発言に、彼女が何らかの方法で特定され炎上してしまうのではないか、逆に心配になってしまう。 「まだこんなに意識の低い人が

          ニュースの監視タイムが怖い

          〈レシピ〉マシュマロの賢い消費方法

          先日、暇すぎてついに持て余していたマシュマロをアレンジするという行いに出た。(まだマシュマロの話かよ) やるべきことの優先順位でいうとかなり下の方だったけど、一番楽にできそうなことに逃げてしまうのはよくあることだ。 その予想通り、マシュマロミルクプリンは死ぬほど簡単にできた。 マシュマロと牛乳を煮て溶かし、冷蔵庫で冷やすだけ。 煮ている間のマシュマロのかわいいことと言ったら、この通り。 翌朝、私はうきうきとした足取りで冷蔵庫に向かった。つついてみる。しっかり固まった。よ

          〈レシピ〉マシュマロの賢い消費方法

          マシュマロ前夜

          先のポストを読んでいただけたならわかるだろう。一言では説明できない奥深き菓子、それが”マシュマロ”だ。なぜこんなにマシュマロについて考えているのかというと、一応きっかけがあった。 あらゆる女性誌の編集部に勤める方ならわかってもらえると思うが、年に1~2回、マシュマロが詰まった箱が届くのだ。マシュマロ会社から。ありがたいことです。 私は毎回喜んでその箱を開けているが、わりとマシュマロ嫌いな人が多いということをその時知った。食べるのは私とあと2人くらい。あとはお腹がすいてどう

          マシュマロ前夜

          マシュマロはお嫌いですか?

          別に、私も特別好きというわけではない。 ただ、他の食べ物とは少し違う場所にあるものだと思う。 素材であり、概念。 素材としては簡単だ。食感が楽しい砂糖みたいなもの。 チョコレートで包んだり、飲み物にトッピングしたり、焼いてクラッカーに乗せたり。 問題は白いマシュマロそのもの。 これを口に入れる時の私の気持ちは、概念を食べている感覚とでも言えるだろうか。 心底「これを食べたい!」という欲求に駆られて食べることはまずない。 「食べちゃいたいほどかわいい」多分これに近いと思う

          マシュマロはお嫌いですか?

          幸福な孤独感

          初めて小津映画を観た時の感想メモが出てきた。 「お茶漬けの味」(1952年) 完全にタイトルで決めたけど、レビューを見たら小津らしくない小津映画だって。 印象的だったのは、初めてパチンコをやった旦那さんの感想。「幸福な孤独感」なるほど、深い言葉だ。 いちばんお気に入りの場面は、夫婦がお茶漬けの支度をするところ。 住み込みのお手伝いさんがいるから、普段台所とは無縁の2人。 お腹空いたねってこっそり忍び込んで、右往左往しながらお茶漬けの支度をする。 いたずらっぽくて子供っ

          幸福な孤独感

          クリーミーベイクドチーズケーキラテ

          世界には2種類の人間がいる。 売れ残りの見切り品に安易に手を出す人間と、間違っても手を出さない人間だ。 うちの母は前者、私は後者。 買い物から帰ってきた母が、誇らしげな顔つきで「¥98だった」と言いながら何かを取り出した。 クリーミーベイクドチーズケーキ味のラテベース 私は母に呆れた表情を向け、「またか……」とため息をついた。当の本人は何が悪いのかまったく理解できない様子でぽかんとしている。 「なんで安いかわかる?まずいからでしょ!そんなの絶対まずいでしょ!だから

          クリーミーベイクドチーズケーキラテ

          祖母の威厳

          2014年6月7日(土) うちの祖母は料理が下手。すぐ何かの悪口を言う。愛用の香水はミスディオール。つまり、世の「おばあちゃん」のイメージとはかけ離れている。祖母の作る味噌汁はなぜか薄いし、カレーはルウを使っているのにどこか美味しくない。煮物は論外。それ以外の料理は作らない。しかも耳が遠いからなかなか会話が成立しなくて、イライラするから最近では話しかけることもなかった。 今日は祖父の十七回忌ということで祖母とご飯を食べに行くことになった。私の知らない裏道をスタスタと歩いて

          祖母の威厳

          ヤクルト1000への道

          乳酸菌飲料の小ささが好き。 幼い頃は、ヤクルト、ミルミル、ジョアは自分たちのための飲み物だと思っていた節がある。今思えば、あのサイズ感が子どもの手にしっくりきていたのかも。 最近では、乳酸菌を「くいっと手軽に摂れる」ショット的なかっこよさに惹かれるのか、ただヤクルトの味が好きなのか、また飲むようになった。でも、スーパーでヤクルト1000は売っていない。 噂によると、乳酸菌の量が比じゃないらしい。憧れのヤクルト1000。どうやって買うんだ。でもわざわざ通販で買うのはめんど

          ヤクルト1000への道

          〈レシピ〉レンジオンリーの豚キムニラ

          外食をする時、基本なじみの店に行く、というタイプではない。「なじみの店」という言葉の響きには憧れるけど、なかなかなじめない。どうせ外食するなら、未知の味を体験したいし、食べログの“行った”店数を増やしたい。 たまにやる自炊もそうで、同じものを2回以上作ろうと思うことはあまりない。何度も作るのは、かなりおいしい、手軽、飽きない、材料が揃ってる確率が高い、これらの条件を満たしたもの。今晩の献立は、まさにそんなメニュー。 豚キムニラ?キムニラ豚?いつも呼び方に迷う。 ときどき

          〈レシピ〉レンジオンリーの豚キムニラ