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マシュマロはお嫌いですか?

別に、私も特別好きというわけではない。
ただ、他の食べ物とは少し違う場所にあるものだと思う。
素材であり、概念。

素材としては簡単だ。食感が楽しい砂糖みたいなもの。
チョコレートで包んだり、飲み物にトッピングしたり、焼いてクラッカーに乗せたり。

問題は白いマシュマロそのもの。
これを口に入れる時の私の気持ちは、概念を食べている感覚とでも言えるだろうか。
心底「これを食べたい!」という欲求に駆られて食べることはまずない。

「食べちゃいたいほどかわいい」多分これに近いと思う。
白くて丸っこくて、つまむとふかふか。触っていると愛着が湧いてきて、このままいつまでも触っていてもよいのだけど、そうするとコイツの存在意義はなんだ?ということになる。
するとどこからともなく「食べ物で遊んではいけません!」という理性の声が聞こえてきて、はっとして口に放り込む。

でも、それだけじゃない。どこかマシュマロに憧れているのだ。
私にとってそれは、夢とかファンタジー、かわいい、という概念を具現化して、可食化したような食べ物であり、ぐりとぐらのパンケーキみたいに、おとぎ話に登場する食べ物なのだ。(でもマシュマロが登場するおとぎ話を私は知らない。あるのか?)

そして最終的には「マシュマロ食べてる自分もかわいい」というわずかな自己肯定感に包まれることができる。悪くないお菓子だ。


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