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子どもの世界一のカメラマンは

息子が生まれて10か月くらいたったころだろうか。
友人のカメラマンが訪ねてきた。

自身にもお子さんが二人いるのだけど、別居中だとか。

「懐かしいなあ」とお座りをしている息子を見て、ほほえむ。

何度かパパッとシャッターを切る。
息子は大きなカメラを、不思議そうに眺めた。

送ってくれた写真を見ると、いつもと違う「赤ちゃん」の顔が写っていた

こういう顔もするんだな・・・
角度とアングルが違うと、表情も違って見える。
いつもよりも「大人っぽい」息子がそこにいた。

新しい顔を見つけた。



私が写真を撮るのは、家族、旅先、食事。

記録と思い出の、ため。

家族の写真はほぼ旅先で、だからここ1年半の家族写真はほとんどなくて。

整理の下手な私の作った、数少ないアルバム。
旅先か、保育園の年齢ごとか、友人からもらったものか。

写真を見ながらそのときの場面と,その頃の様子を思い出す。

「ちいさな電車に乗って,大喜びだったな」
私も一緒に乗ったけど、少し窮屈だった。

「パンダパンを食べたな」
ちゃんと一人で一個食べられるようになったな。



PCのスクリーンセーバーを見ていると、世界中の写真が次々に出てくる。

行ってみたい、びっくりする、見たことのない、風景。

プロのカメラマンが撮るのは、美しい写真。
瞬間をとらえた、写真。

ものも、季節、時間、人物も。

見方も腕もまるで違うのだと、改めて思う。

視点も視線も。

その輝きに、心をつかまれる。

遠い世界でも、ある。
憧憬、というような。
あこがれ。


でも。
もしも。

少しでも近づくことがあるとしたら。

愛ある写真、かな。

育てた・・・
花、ペット、家族、かかわりを育てた友人たち。

カメラマンの友人はつぶやいた。
「母親の撮る写真には、かなわないんだよなあ」

そうなのだろうか。

撮った瞬間に、もう息子はいない。
撮った瞬間に、そっぽ向いている。

あ~あ、ばかりで。


息子が3歳になったばかりの時。
まだ「抱っこ」をせがんでいた。

私は腕を広げながら、急ぎ足で後ずさり。

笑いながら向かってくる。

ある日、撮ってみた。
どんどん近づいてくる。
アップになる顔。

画面いっぱいの笑顔。

そんな一瞬。
家族にだけ見せる表情。

息子の世界一に、なれただろうか。


ありがとう青い花

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