小さな手をつないだ日のこと
小さな手が懐かしくなることがあります。
公園で迷子の女の子のおてて
3年くらい前、公園でわんわん泣いている女の子に会ったことがありました。
2歳くらいのその子の前で、しゃがんで話しかけても泣き止みません。
「じゃあ、一緒にママを探しに行こうか」って小さな手を握ったら、しゃくりあげながらも、うなずきます。
歩き出してすぐに、お母さんが走ってきました。
「すみません! 下の子を見ていたら、いなくなって」
とベビーカーを押しながら、ゼエゼエ。
女の子はぱっと私の手を放して、ピタッとお母さんにくっつきました。
ホッとして送り出しました。
あの時の小さな手の、柔らかかったこと!
湿って温かかったこと!
今もその感触をおぼえています。
保育園時代の息子の手
息子も小さいときは、よく駆け出すので、なるべく手を握っていました。
保育園帰りの替えのシーツなどで荷物が多くても。
私の周りの子たちを見ていたら、女の子はお母さんの荷物に自分でつかまったり、手をつながなくても近くを歩いている子が多かったんです。
でも男の子はすぐに走り出す子が多くて(きっと、たまたま、ですよね・・・?)、追いかけられていました。
だから保育士さんからも「手を握ってくださいね」と声かけがありました。
保育園を出て小道を少し歩いて、車の通る通りに出るあたりでぱっと手を伸ばしてくる息子。
キュッと握ると、いつも温かかったです。
ホッとする瞬間でした。
あんまり温かすぎると今度は「熱があるのか?」「眠いのか?」とドキドキしましたが。
雨の日の息子との手つなぎ
小学校に入り、手を握ることが少なくなっていきました。
でも、小学校の4年生くらいの時、たまたま道で一緒になったんです。
道を曲がってきた習い事帰りの息子と鉢合わせ。
雨の日でした。
「お母さん!」とうれしそうな声をあげてくれて、
「スポッ太!(スポーツを見るのが好きなので) 今帰りなの?」と笑顔で声をかけました。
すると、「お母さん、手をつなご」って手を出してきたんです。
「うん💗」
と喜んで握ったのですが、雨です。
傘と傘の間からぽたぽた水滴が、私の腕に・・・。
でもうれしくて、そのまま家まで握っていました。
帰宅したら袖も濡れていましたが、平気。久しぶりの手つなぎでした。
あれが最後の気がします。
彼が外で、手を伸ばしてくれたのは。
まあ、高校生の今も「お小遣い」といって手を出しては来ますがね😅
手をつなぐことって
手をつなぐと「信頼」を感じます。
小さな命を任されている感じ。
何かしらつながっている感覚。
ぬくもりと優しさ。
心もつながります。ちょっとだけでも。
握手とは違って、同じ方向に向かって歩くことでもあります。
一緒に歩くっていいですね。
親子でも、夫婦でも、友人でも、知らない子でも。
今は公園で泣いている子がいても、声をかけることはできても、手を握ることはできません。知っている子でも。
寂しいですね。
でもまた、抱っこしたり、手を握ったりできる日が来ます。
その日を楽しみにしています。
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