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[ライラック杯:勝手に大橋ちよ賞] 短歌編

ライラック杯、俳句部門は絶賛予選中です。

ぜひ推しの俳句にスキ💖してくださいね。
5月1日(月)の20時〆切。



さて、本題。

勝手に大橋ちよ賞やりたいと思います。
これは私が勝手にやってる私設賞です☆

◎短歌編

投稿された作品の中から、詠み人を伏せた状態で「好き💖」と思ったものをピックアップしました。

※順番は投稿順です。



◎勝手に金賞


死を糧にせい燃ゆ春や干からびた蚯蚓ミミズ一匹、蟻の群がる

詠み人:桜井弓月さん

春はうららかな日差しと共に死のイメージのつきまとう季節。

桜井弓月さんの歌は、そう!まさにこれ!!!! という世界観でした。
美しい満開の桜を見上げる足元では今日も壮絶な命のやりとりが行われている。

これこそ宇宙!!!! と思った歌でした。

この世界観を絵にしたくて、しかしミミズを描くのは…と思ってこんな絵を描きました。
よかったらお受け取り下さい☆

死を糧に生燃ゆ春や干からびた蚯蚓一匹、蟻の群がる



◎勝手に銀賞


春疾風重なる木々のざわめきに
天狗隠しと笑う誰そ彼

詠み人:碧一さん

前に春の神隠しの物語を書いたのですが、こちらの歌はそんな春の不安定な不思議な空気が詠われているように感じました。

春の黄昏には魔物が住まう…そんな物語をまた書きたくなりました☆



朝露に濡れるつま先花びらの足りない花が一日を生く

詠み人:林白果さん

ひたむきに、不足する身体や心を抱えながら生きているさまを想像しました。
朝霧に身を清められるようなそんな朝…。

情景が思い浮かぶ一首でした。



アラフォーが踊ってるとは思うまい
ネットの世界謎だらけなり

詠み人:akkiy☆さん

私はアニメオタクなのですが、Twitterのアニメアカウントでフォローしている人たちはたぶん、みんな十代とか二十代とか…なのかな…とか思いながら、私のようなアラフィフも混じっているわけでして…。

若い子たちに紛れ込んでてごめんね…と私も思ったりしますが、知らぬが仏で世代を超えた交流ができるのいいなーと思いました。



支度済み春一番を窓に聞く
この部屋思う旅発つ朝に

詠み人:吉田みゆさん

引っ越し。春に住む場所が変わる人も多いでしょうね。

引っ越しで荷物が何もなくなった部屋って特別な雰囲気ありますよね。
そこに自分がいた気配がまだ残っているというか。

そんな感じが伝わって来る一首でした。



何もかも解き放つよに瞼開け
春の嵐に死に目が笑う

詠み人:月夜案山子さん

案山子さんのこちらの歌で「ぽん」しました。
私はこの歌を主軸のひとつとして物語を書いたのです。稲妻に打たれたように閃きが舞い降りました。

春の激しさを感じられるすばらしい歌です。

歌に対する私の想いはよかったらこちらもお読みください。

あと、本編も読んでもらえたら嬉しいです☆



アメンボの世界を笑え大都会
夢浮かべては花と散りゆく

詠み人:pokazo(ぽかぞー)さん

高層ビルから見下ろすと人がアリのように見えたりもしますが、『アメンボの世界』という表現がとっても面白いと思いました。

アメンボのように浮かんだ夢…でもアメンボはめったに沈みません。
花と散って水底に沈んでも、夢だけはまだ水面に漂っているかもしれません。



降り注ぐ光と花に包まれて
今日も私は輝いてるね

詠み人:あずきさん

君じゃなくて私が輝いているのがすごくいいと思いました!!

今日も私は輝いてるっ!!!!

そう思って生きていきたいです。

あずきさんは音楽を作られています。
歌詞を募集中だそうですよ☆ぜひ。
2023/05/28まで



きみがすき きみがすきなの しんじてる
嫉妬蠢く春雷の夜

詠み人:みゆさん

怖くてよいです。
戸川純の「好き好き大好き」という歌を思い出しました。

まさにこんな感じの一首です。好きです。

好き好き大好き
愛してるって言わなきゃ殺す



僕のスリーディーエスはポケモンの絵が書いてある、ゼルネアスは銀

詠み人:セブンソードくん

私はどうやらセブンソードくんのファンのようです。

ポケモンは実はわからないんですけど、大切な好きなものをこうして短歌にしているところが胸キュンです。
私もアニメで短歌をやっていますので、このようなストレートな表現を見習いと思いました。

スキが伝わって来る歌でした。



宿題もなき学年の狭間なる期間に惑う映画など観る

詠み人:数理落語家 自然対数乃亭吟遊さん

宿題いっぱいも大変ですが、無いと無いとで、あれ、なにしようってなるものですね。

親子で並んで映画を見ている様子が見えるようでした。
なんかいつもと違う感じの不思議な空気が流れているような。

うちも息子が今年から小学生なのですが、入学式までの間、ぽっかり時間が空いてしまって、同じような感じでした。



ああ桜うす桃色の夢を脱ぎ萌ゆる翠へ衣纏わせ

詠み人:オラヴ153さん

桜から葉桜へ、そして青々とした緑に変わっていくさまを衣装替えに例えているところがとても詩的で美しいです。
季節の移り変わりを映像で見たような気持ちです。



めくりたくなる薄皮がありまして
しおらしくなる春のかさぶた

詠み人:砂の三郎さん

痛いとわかっていながらむいてしまうかさぶた…。
春の何とも言えない心情にも似ています。

触らなければ治るものを…あえてほじくってしまう古傷…。

そんな夜を想像しました。



空高く風に揺蕩う花びらが
はじめてふれる柔らかなつち

詠み人:Momocoさん

こちらもライラックぽんで使わせていただきました。
物語の重要な要素とさせていただいたので思入れも深い一首です。

私はこの歌に射抜かれました。
「はじめてふれる柔らかなつち」
この表現が最高に好きです。

歌に対する私の想いはよかったらこちらもお読みください。

あと、本編も読んでもらえたら嬉しいです☆



農家も限界近しと思ひつつ
土にたつぷり光まぜゆく

詠み人:鮎太さん

胸に熱いものが込み上げてくる一首です。

無言で土を耕す背中にたくさんのものが背負われているのが見えるようです。
農村の風景。のどかな中に潜む厳しい現実がのしかかって来るようでした。



渡された解雇通知書しのばせて
弁当つつく花見のベンチ

詠み人:野乃さん

お弁当を食べるその後ろ姿が見えるようです。
美しい花とは心は裏腹に。

心が深く傷つけられたり、落ち込んだりしているときに、それとは対照的なものすごく美しいものを見たりすると、ギャップで思考が停止しちゃったりします。

何か黙々とお弁当を食べちゃうような、そんな感じを思い浮かべました。



そんなことよりさ、俺がこのソフトクリームを食べるさまを見てなよ

詠み人:とのむらのりこ♡さん

これはっ。なんというイケメン発言でしょう。
ツボってしまって、何度も読み返してむふふとなっていました。

こんな事を言われたらその時考えてたことも吹っ飛んじゃいそうです。

ちなみに、自分が怒られている時には言ってはいけない言葉かもしれませんw



ママ似からだんだん自分になっていく
そしてふたたび母に似てくる

詠み人:茉叶☆さん

これはまさにそうだなって思いました。

この頃、自分が母にそっくりになってきて。何というか、動作とか、いろんなパーツが似てるんですよね。

若い時は似てないって思ってたんですけど…。

そして、いま4歳の娘がいますが、私とそっくりです。
この子も私のようになるのか…とちょっと恐れています。



散りどきに散れる花こそ美しく
きみを嫌いになれてよかった

詠み人:沙々良まど夏さん

これは何十年前かのわたし…。

完全に終わった…と思った途端に、あれほど好きだった人に全く魅力を感じなくなって、私だけすっきりさっぱりしちゃった…ということがありました。

実は男の人の方が引きずってたりして。

散るときに散るも美し。だけど居座る度胸もたまにほしいです^^



ちび医者が助けにきたぞ春の風邪
いきなり注射あたまにブスリ

詠み人:Sazanamiさん

初見で「どういうこと?」と二度見しました。

なぜか「チャーリーとチョコレート工場」に出て来るウンパルンパを思い浮かべました。

それから、すぐにピンときました。
なるほど。

うちにも ちび医者、います。

本当に具合悪い時は近寄ってほしくない ちび医者。
病人を休ませようという概念がないのですよね、あやつら…。



以上、私の勝手に賞でした。

私はエモさ際立つ短歌が好きなのかもしれません。
じわっと心に響く短歌をたくさんありがとう☆


ライラック杯、俳句部門は絶賛予選中です。

ぜひ推しの俳句にスキ💖してくださいね。
5月1日(月)の20時〆切。

▽勝手に賞もぜひ


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