海外生活初日の記憶は「ゲロ」しかない
しょっぱなから汚い話ですみません。今日は、海外生活初日に起こった強烈なエピソードについてお話しします。
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夫に遅れること数ヶ月。私たち母子は子どもの春休みに海外渡航しました。
生まれて初めて降り立った中国南部某都市は、早くも春を通り越して蒸し暑く、まるでミストサウナのよう。空気中の湿気があまりにも多すぎて、肺の奥まで空気が行き渡らない息苦しさを覚えました。
加えて、なんだか油くさい……屋外でも中華料理店の厨房のにおいがそこら中に漂い、こんな油くさいところに住むのか……とうんざりしたものです。
それでも気を取り直し、迎えに来た夫に導かれるまま市街地に向かう路線バスに乗り込み、異国の風景に興奮する子どもたちを時々叱りつつ、車窓から街並みを眺めていました。
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しばらくすると、前に座っている女性の様子がおかしいことに気づきました。よく見るとバス酔いしたようで、非常に気分が悪そうです。
「どうしたんですか?」と声を掛けようと思ったものの、相手は中国人。日本語はもちろん、英語もわからないかもしれないと思い、のどまで出かかった声を抑えました。
しばらく「大丈夫かな?」と心配しながら見ていたのですが、どうもバス酔いは悪化している様子。今度は別の心配が脳裏をよぎり始めました。
もちろん「その場でゲロを吐くのではないか?」という不安です。
私は昔から異常なまでに嗅覚が鋭敏。ちょっとした悪臭でも気分が悪くなります。ましてや、ゲロのにおいなど嗅いだ日にはもらいゲロとなる恐れも。海外生活初日にそれだけは勘弁してくれ!と思いました。
彼女自身も「ここでゲロはまずい」と思っていた様子で、ハンカチで顔を抑えたり深呼吸したりしてなんとかその場をやり過ごしていました。
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しかし、その努力もむなしく表情はますます険しくなり、顔色がどんどん青ざめている様子がはっきりと見て取れました。
私も内心非常に危機感を覚え、別の席を探しましたが時すでに遅し。市街地に入っていたバスの中は乗客で一杯。席替えはかなわない状況になっていました。
やがて彼女はバッグの中から小さなビンを取り出しました。そこに書いてあったのは「百合油(リリーオイル)」という文字。彼女がそのふたを開けるとハッカの香りがこちらまで漂ってきました。
「ああ、この香りでゲロを抑えてくれるのね」と安堵した瞬間……
彼女はおもむろに座席ポケットに入っていたビニール袋を取り出し、「ゲエエエエエエエッ!」と盛大にゲロを吐いたのです。
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もちろん、そのにおいはダイレクトに私の鼻孔を直撃。一気に気分が悪くなり、危くもらいゲロとなりかけました。
しかし、ゲロを吐き終わった彼女が自分の周囲に「百合油」をまき散らしてゲロの臭いを若干緩和させたおかげで、私の喉までこみ上げていたゲロは引っ込み、事なきを得ました……危なかった……
その後のことはもう全く覚えていません……
そう、私にとって海外生活初日の記憶は「ゲロ」しかないのです。
嗚呼、忘れようったって一生忘れられない思い出をありがとうおばちゃん。多謝……il||li_| ̄|○il||li
しかし、それは単なる序章に過ぎませんでした……( ̄▽ ̄)
追記:百合油(リリーオイル)についてはこちら↓をご覧ください。
気分が悪くなった時に嗅ぐと効き目があるほか、筋肉痛、肩こり、頭痛の緩和などに非常によく効きます。私も現地滞在中はリピ買いしておりました(笑)
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