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映画🎞『マイ・ブックショップ』/小説原作映画


『マイ・ブックショップ』 The Bookshop


2017年
スペイン、ドイツ、イギリス映画。
ペネロピ・フィッツジェラルド原作の小説「The Bookshop」の映画化。
第32回ゴヤ賞3部門受賞(作品賞、監督賞、脚色賞)



1959年イギリス、戦争で夫を亡くした未亡人の
夢と希望と憂鬱の物語。

夫が亡くなった後に見つけた、本屋を経営すると言うささやかな夢さえ、権力のままに生きる保守的な村人達に潰されてしまう未亡人。
逆境に奮闘できず、受け入れるままの未亡人と対比する様に、そこへ現れた一人の少女だけが抗います。



人間は滅亡させる者とさせられる者で分かれている。如何なる時も前者の方が優勢だ
と言う言葉がこの映画を最も現したものであり一撃脳天にくらいますが、オフィシャルサイトでは原作はこの映画のエンディング以上に落ち込むものになっているとあります。
私は原作は読めそうにありません。本の中でもそんな現実キツすぎます。
随分な閉塞感ですが、全体的にノスタルジックな映像でまるで一冊の本を読む様に詩的に大きな淀みを見せず仕上げています。
時代や背景から当然、女性のひとり立ちは厳しい中でも、少女の登場は新しい時代への希望として対比する様に作品の中で小さな灯火となり、未亡人の心の中を映すかの如く挑戦的に存在します。
全てが救いの無さに固められている訳ではなく、
鬱々としたラストの中にも心を通わせ交流した人との時間の記憶は未亡人のまた新たな夢への旅立ちの手助けになるのかもしれません。
. . . そう思いたいですね。

この作品は観る人により感じかたは別れるのかも知れません。
絶望を感じるか、希望を感じるか、
あなたはどちらをこの映画に観るでしょうか。



本好きによる本好きの為の映画です。


映画の中ではこれらの本が登場します。📚

「ドンビー父子」 チャールズ・ディケンズ
「華氏451」レイ・ブラッドベリ
「運動の本」
「ジャマイカの烈風」 リチャードヒューズ
「ロリータ」ウラジーミル・ナボコフ
「たんぽぽのお酒」レイ・ブラッドベリ
「火星年代記」レイブラッドベリ
他、


エンドロールで流れる歌もとても好み。
二曲書き下ろされたALA.NIの歌声は映画にぴったりです。



#本の記録 📚 #小説原作 #映画 

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