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読書人間📚「夫のちんぽが入らない」こだま


「夫のちんぽが入らない」こだま

2017年、本作でデビュー。扶桑社。
2018年、文庫本を講談社。
実話、私小説。



直球、潔いタイトル。清々しさすら感じます。

この作品を知ったのはドラマ化された時です。センセーショナルなタイトルに目を引きましたが、観るまでに至らず。センシティブな雰囲気は気にはなりますが、未婚、彼氏なしの私に夫婦間の性問題は他所様の国の話と言ったところでスルー。ですが、書店で深い青色と流れる書体が美しく目立つ装丁に迷わず購入。
なんとなく想像していましたが面白い。面白いと一言で言ってしまえない辛い事ばかりなのですが、表現がユニークでフッと笑ってしまう。まさか、こだまさん、この一冊で打ち止めか? これで終わりなのは勿体無いと、読みながら気になるほど面白い。


そして、この私小説は"性"の事だけでなく、当然、"生"へも及ぶ。親、仕事、妊活、病気. . .

「そんな事ってある?そんな人っている!?」私の常識には無いものが、当事者にすると、常識で普通のこと。きっと世の中には、私の知らない"普通"のこと、10人居れば、10人それぞれの常識があり、表立って他人には見えない、夫にすら、家族にすら見えないものがある。十人十色と言えど、それを受け入れる度量がこの本は凄い。
こだまさん夫婦の様にセックスによる繋がりが全てではない。しなくても何も不自由ない。目の前に居る人に優しくなれたら、もうそれだけで丈夫な気がします。この本がこだまさんの家族にバレる時がきても何の問題もないでしょう(まだバレていないのかしら)。


誹謗中傷も多かった様ですが、まったく下品な作品ではありません。人間に生まれたからこその歩みを、道に逸れ嘆きながらも、ゆっくり一歩一歩、生きている人のお話、私小説です。
二冊目、講談社エッセイ賞を受賞した『ここは、おしまいの地』も読みたいと思います。



カバー写真・デザイン / 江森丈晃
特別収録 文庫版エッセイ /ちんぽを出してから
解説 / 末井昭

漫画にもなっているようですね。
過大評価な帯ってありますが、この帯には納得です。

🌝声、発声、機能を考える
ボイス・ボーカルレッスン/東京都 
音楽療法(医療行為は行わない)の観点からオーラルフレイル、口腔機能、老化防止を意識した呼吸法、発声のレッスンも行います

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