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空はまるでこどものように

空はまるでこどものように
泣いては笑い 笑っては泣く
怒りに狂うこともあれば
優しく満ちていたりもする

どんな空も受けとめて
いつも笑顔でいてほしいと願っている
抱きしめるように
母のように

空がまるでこどものように
深く眠りについた静かな夜は
月や星は光さやかに
夢みるように煌めいている

そんな空をみつめながら
いつまでも安らかでいてほしいと願っている
子守唄を囁くように
母のように

空はまるでこどものよう
わたしたちは母のように
いつでも祈るようにみつめている

***

突然の土砂降りに遭いました
あぁ… と荒れてる空を見ました
止むのを待ってる時間はなくて
しょうがないかと息を吐いて
小さな折り畳み傘に精一杯
身を潜めるようにして歩いたけれど
わたしの肩も足元も 
あっという間にびしょ濡れになって
どんどん冷えていきました
けれども その小さな傘のおかげで
胸に抱えた大事なものだけは
なんとか濡れずにすみました



“しょうがない” なんていう
あきらめみたいな一言で
片付けてはいけないことがあることも
頭ではわかっているつもりなのに

時は止まってくれないし
戻ってくれるはずもなくて
どうしようもなく進んでいく

どうにかしたくて もどかしいけど
わたしにできることなんてちっぽけで
ただ祈るようなことしかできない
それが何になるのか わからないけど
今できることをやるしかなくて
そうしないわけにはいかない

たとえ小さなものだって
あればきっと役に立つ
きっとどこかでチカラになれる
意味がないはずないと思うから
わたしは信じて祈ります


***


秋の空といえば…
お天気がコロコロとよく変わります
心模様をそんな空模様になぞらえて
『女心と秋の空』なんていわれます
女性の感情の起伏のコロコロ

けれどもこれ、もともとは『男心と秋の空』ということわざのほうが先にできたものでした

昔の恋愛では、女性はじっと待っている立場でした
コロコロと心変わりするのは男性のほうだと捉えられていました

みなさんもよくご存知の、江戸時代の俳人 小林一茶の作品にも

はづかしやおれが心と秋の空
俳人 小林一茶  
(1763 - 1828)

という句があります
江戸時代や それ以前の狂言や和歌にも移ろいやすい男心が残されています

明治、大正…と時代が流れていくなかで、社会でも女性の立場や地位が認められていくようになります
恋愛面でも社会面でも男性との差が薄らいでいきました

それでも家事や育児の中心はやはり妻であり母親である女性でした
そんな女性の社会進出は、大きな負担やストレスにもなり
気持ちも穏やかさを保つのは難しいことはうなずけます

『女心と秋の空』への変遷には そんな時代背景もあったのですね
そしてこのことわざは 恋愛に限らず、女性の心模様を表すようになりました
最近では、働くお母さんたちにも優しい社会へと少しずつ改善されてきましたね

みんなそれぞれいろんな出来事やストレスに向き合っていて
気持ちのコントロールが難しいときだってありますね
みんなお互いさま…の秋の空、です


小さい秋、9月
やさしい風にあたりながら
澄みわたる空を眺めたい

時には荒れるかもしれないけれど…
爽やかな青空を
美しい夕焼けを
優しい月夜を
心地よい秋の空を 
一日でも多く楽しめるといいなと思います


台風、みなさんどうかお気をつけて
何事もなく過ぎますように
どうぞよい一日を、よい一週間を





#89.   『 秋空 』

⭐︎イヤなことぜんぶ暑さのせいにして 「夏のバカ!」ってせーので叫ぼ

⭐︎カーディガンの肩へピンクの百日紅さるすべり 夏の未練を空へ投げたり

       ー ちる ー


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