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古い慣習が若者を遠ざける農業の世界。今こそ都農町で農業を。~若い人たちに来てほしいなら若い人たちが生き生きできる環境をつくることから始めよう その5~

農業は新規参入のハードルが高い、と言いますか、権利意識が強すぎて、これではせっかくやる気のある若者がいても農業にはなかなか入ってこないですよね、と思わせることがたくさんありました。


都農町は農の都と書く通り、農業が盛んな町です。ですが、ご多分に漏れず後継者不足、担い手不足に直面しています。主幹産業である農業がこの状況ですので、本当に深刻な問題です。そこで、私たちツノスポーツコミッションでは、町と連携する「つの職育プロジェクト」の一環として、都農町の農業における課題解決にも挑戦していこうとしています。
現在は、農業研修として地域の農家さんのお手伝いに行きながら、様々な作物の収穫や植え付け、あるいはそれに付随する作業を経験させていただいています。また、出荷する時期を過ぎた作物を収穫させてもらい、加工品にする取り組みもスタートさせ、試行錯誤しているところです。

そんな中で、自分たちで狭くてもいいから農地を借りて、協力してくださる農家さんに指導していただきながら野菜を育ててみよう、ということになったので、農業委員会に借りる段取りを教えてもらいに行きました。そこでわかったのは、一見さんお断りのような制度でした。
まずもって、ちょっと農地を借りたい、というのは受け付けてもらえません。
最低50アール(?)は借りなければならず、借りた農地に対して、何をどのようにどれくらい育てるのかといった営農計画というものをつくらなければなりません。さらに、借りる人がある程度専属で農作業に従事しないといけないというのです。そういった条件を満たして書類を整えたうえで、農業委員会が許可した場合のみ借りることができます。さらに借りることができる農地というのも、地主さんが農業委員会にこの農地を貸します、という登録をしているところに限られるのです。
これでは最初から完全に農業しています、という人以外借りられないのと同じです。
そうなると、これから農業を本格的にやってみようかどうかを判断するために試しにやってみる、ということができません。そうなると新規就農はもはや博打、一か八か農業に賭けてみる、という若者しか集まってこないのではないかと思います。そんな若者がいるのでしょうか。


また別の機会に、今後都農町で必要になってくる新規就農や事業継承について、農家さんと都農町役場の担当職員と私たちで、県の機関の担当者に相談させていただきました。農業をはじめたいと思った若者に都農町に移住してもらって就農支援をしていきたいと考えているのですが、農業はいろんな支援制度もありますし、どうしたらいいか具体的なアドバイスがもらえると思っていました。
しかし、ふたを開けてみれば、現実的ではないですね、というトーンのもとにとにかく否定的な対応をされました。農業はかなり大変だから続かないだろう、実績を見てみないとわからない、既存の農家とうまくやっていけないといけない、などなど。極めつけは、人間性を見て判断する、とまで言う始末です。
具体的なアドバイスもなければ、事前に調べたものに満たない程度の情報しか出てきませんでした。
これを聞く限りでは、農業に従事しようとする場合は長い年数をかけて実績を積み、第三者の極めて主観的で曖昧な人間性という評価指標で合格ラインに達する見込みがなければならず、それが見込めない新参者に対してはひどく冷たくあしらい、農業の入口から遠ざけられる、というのが今の農業の在り方のようです。
こんな分野にいったい誰がチャレンジしようと思うでしょうか。後継者不足も当然の結果です。

農業する人を増やさなければならない時代に、いつまでも古い制度にとらわれています。さらにたちが悪いのは、その古い制度の考え方が染みついてしまっている人たちが農地を管理しており、新規参入を拒むスタンスに何も疑問を持っていないことです。

幸いなことに、都農町には危機感を持って新しい取り組みに協力したいという農家さんがいらっしゃいます。行政も高い問題意識をもってサポート体制を築こうとしています。私たちも素人ながら町の課題解決に向けて農業での事業化を本気で検討しています。
そういう町だからこそ、若い人たちを農業から遠ざけようとする風土にも風穴を開けられる可能性があると思っています。


都農町で農業をしてみませんか?


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自分の真意を相手にベラベラと伝えるだけが友情の行為ではないということさ。それがわたしの提唱する真・友情パワーだ…(キン肉アタル)