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月の詩

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月ごとに季節の詩を書いています
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#創作

詩『July』

大人になってからは
夏の始まりをいつも見逃している
夏が待ち遠しいと思う気持ちを
もう忘れてしまった
宿題を放り出して夏だけを楽しむバケーションは二度と繰り返せない
クーラーの効いた部屋で
暇を持て余している私
あの頃の夏へ、
まだ何も知らなかった夏へと思いを馳せる
今年の夏はもう既に始まっているのだろうか?

詩『June』

君の肩を守っている
雨に濡れないように、包み込む

前の雨の日、君は僕を置いていった
僕はここにいるよ、気づいて
その声は届かなかったみたい

君は僕を置いていった
ずっとずっと待っていた

毎日この場所で行き交う人を眺めていた

雨が止んで、晴れて、また雨が降っても
僕は君がここへ戻ってくるのを待ち続けていた

待たされるのは別に苦ではないよ
ずっと君のことを考えていられるから
絶対君は迎えに来

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詩『May』

空白の五月、
病む五月、
変わらない五月、
変わる五月、
見て見ぬふり五月。

あの子の五月、
気づく五月、
長い五月、
短い五月、
どうしようもない五月。

夜の五月、
溢れる五月、
寂しい五月、
満たされる五月、
風通る五月、
もうすぐ六月、